テーマの基礎知識:連帯債務と自己破産
連帯債務(れんたいさいむ)とは、複数の人が同じ借金に対して責任を負うことです。今回のケースでは、元夫が借りたマンションローンの返済について、あなたも責任を負うことになります。元夫が返済できなくなった場合、あなたは残りの借金を全額返済する義務が生じます。
自己破産(じこはさん)は、借金を返済できなくなった人が、裁判所に申し立てて、借金の支払いを免除してもらう手続きです。自己破産をすると、原則としてすべての借金の支払いが免除されますが、信用情報に傷がつき、一定期間、クレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることができなくなるなどのデメリットがあります。
自己破産には、裁判所が選任する破産管財人(はさんかんざいにん)による手続きが必要となる場合があります。破産管財人が選任されると、破産者の財産が調査され、債権者への配当が行われます。
今回のケースへの直接的な回答
今回のケースでは、1200万円という高額な負債を、現在の収入で返済することは非常に難しい状況です。月々の返済額によっては、長期間にわたって生活が圧迫される可能性もあります。
自己破産という選択肢も視野に入れる必要がありますが、自己破産には、信用情報への影響や、一部の財産が処分される可能性などのデメリットがあります。しかし、自己破産をすることで、借金から解放され、生活を立て直すことができるというメリットもあります。
最終的な判断は、ご自身の状況や価値観によって異なります。まずは、専門家である弁護士や司法書士に相談し、ご自身の状況に最適な選択肢についてアドバイスを受けることをおすすめします。
関係する法律や制度
今回のケースで関係する主な法律は、民法(みんぽう)と破産法(はさんほう)です。
- 民法:連帯債務に関する規定があり、連帯債務者それぞれが債務の全額を弁済する義務を負うことが定められています。
- 破産法:自己破産の手続きや、免責(めんせき:借金の支払いを免除すること)に関する規定があります。
また、住宅ローンの債務整理には、民事再生(みんじさいせい)という制度もあります。民事再生は、借金を減額してもらい、原則として3年間で分割返済していく手続きです。住宅ローンについては、住宅ローン特則という制度があり、住宅を手放さずに債務整理できる可能性があります。
誤解されがちなポイントの整理
自己破産について、よく誤解されている点があります。
- 自己破産をすると、すべての財産を失うわけではない:生活に必要な家財道具や、一定額の現金は手元に残すことができます。
- 自己破産をすると、一生クレジットカードを作れないわけではない:自己破産後、一定期間が経過すれば、再びクレジットカードを作れるようになる可能性があります。
- 自己破産は、借金から逃げるための手段ではない:自己破産は、誠実に借金を返済しようとしたものの、どうしても返済できなくなった人のための救済措置です。
また、返済を続けることについても、誤解されがちな点があります。
- 返済を続ければ、必ず借金がなくなるわけではない:長期間にわたって返済を続けても、利息によって元金がなかなか減らない場合があります。
- 返済を続けることが、必ずしも良いこととは限らない:返済のために生活が苦しくなり、心身に悪影響を及ぼす可能性もあります。
実務的なアドバイスや具体例の紹介
今回のケースで、具体的に検討すべき事項をいくつかご紹介します。
- 専門家への相談:弁護士や司法書士に相談し、自己破産した場合のメリット・デメリット、返済を続けた場合のメリット・デメリットについて、具体的なアドバイスを受けましょう。
- 家計の見直し:現在の家計を見直し、無駄な支出を削減することで、返済に回せる金額を増やすことができるかもしれません。
- 債権者との交渉:債権者(今回はマンションローンの債権者)と交渉し、返済条件の変更(減額や分割払いなど)を検討することもできます。
- 任意売却:マンションを任意売却(にんいばいきゃく:債権者の同意を得て、市場価格で売却すること)することも検討できます。任意売却によって、ローン残高を減らすことができれば、返済の負担を軽減できる可能性があります。
具体例として、自己破産を選択した場合、破産手続きにかかる費用や、破産後の生活費について、事前に確認しておく必要があります。また、返済を続ける場合、月々の返済額や、返済期間の見通しを立て、無理のない計画を立てることが重要です。
専門家に相談すべき場合とその理由
今回のケースでは、以下の理由から、専門家への相談が不可欠です。
- 専門的な知識が必要:自己破産や債務整理に関する専門的な知識がないと、適切な判断をすることが難しい場合があります。
- 債権者との交渉:債権者との交渉は、専門的な知識や経験がないと、不利な条件で合意してしまう可能性があります。
- 精神的な負担の軽減:専門家に相談することで、精神的な負担を軽減し、冷静に問題に向き合うことができます。
相談先としては、弁護士や司法書士が挙げられます。弁護士は、法的アドバイスや、裁判手続きの代理をすることができます。司法書士は、書類作成や、簡易裁判所での訴訟代理などをすることができます。どちらの専門家も、債務整理に関する豊富な経験を持っています。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回のケースでは、連帯債務という状況下で、1200万円という高額な負債を抱え、自己破産か返済かで悩んでいるという状況でした。自己破産には、信用情報への影響などのデメリットがありますが、借金から解放され、生活を立て直すことができるというメリットもあります。返済を続ける場合、長期間にわたって生活が圧迫される可能性がありますが、自分の手元に何も残らないという虚しさも感じるかもしれません。
最終的な判断は、ご自身の状況や価値観によって異なりますが、専門家への相談は必須です。弁護士や司法書士に相談し、自己破産した場合のメリット・デメリット、返済を続けた場合のメリット・デメリットについて、具体的なアドバイスを受けましょう。また、家計の見直しや、債権者との交渉、任意売却なども検討し、ご自身の状況に最適な選択肢を見つけましょう。

