自己破産と住宅ローン:基礎知識

自己破産とは、借金を返済できなくなった人が、裁判所に申し立てて、借金の支払いを免除してもらう手続きのことです。(免責許可決定)簡単に言うと、借金を帳消しにしてもらう制度です。ただし、すべての借金が免除されるわけではありません。税金や養育費など、免除されない借金もあります。

住宅ローンは、家を購入する際に金融機関からお金を借りる契約です。この契約には、万が一ローンを返済できなくなった場合に備えて、家を担保にする「抵当権(ていとうけん)」が設定されているのが一般的です。

自己破産した場合の住宅ローンの扱い

自己破産をすると、基本的に住宅ローンの残債(ローン残高)は免除されません。自己破産の手続きをすると、債権者(お金を貸した側)は、債務者(お金を借りた側)の財産を処分して、貸したお金を回収しようとします。住宅ローンの場合、金融機関は抵当権を実行し、家を競売(けいばい)にかけて、その売却代金からローン残高を回収しようとします。

しかし、家を売却してもローン残高が残ってしまう場合があります。この残ったローン残高については、自己破産の手続きによって免除される可能性があります。ただし、ローンを組む際に加入した「団体信用生命保険(団信)」によっては、状況が異なります。

団体信用生命保険(団信)と今回のケース

多くの住宅ローンには、借り主が死亡したり高度障害状態になった場合に、ローンの残高を保険会社が代わりに支払う「団体信用生命保険(団信)」が付帯しています。しかし、今回のケースのように、ローンを滞納してしまった場合や、うつ病などの病気で入院した場合に、団信が適用されるかどうかは、契約内容や保険会社の判断によります。

今回の質問者さんの場合、任意売却の手続き中であり、ローンを支払えない状態です。銀行から「ローン保険会社から一括請求がくる」と言われたとのことですが、これは、団信が適用されず、ローン保険会社が住宅ローンの残高を請求する可能性があることを示唆していると考えられます。

生活保護の申請について

生活保護は、生活に困窮している人が、国から最低限の生活費を支給してもらう制度です。生活保護を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。例えば、

  • 資産がないこと(家や車など)
  • 働く能力がないこと
  • 親族からの援助が受けられないこと

などです。

今回の質問者さんの場合、家を売却できない状況では、資産があるとみなされ、生活保護の申請が認められない可能性があります。また、病気で入院中であるため、働くことが難しい状況であると考えられます。

生活保護の申請については、お住まいの地域の福祉事務所に相談し、ご自身の状況を詳しく説明して、申請が可能かどうか確認することをおすすめします。

任意売却と自己破産の選択

任意売却と自己破産は、どちらも住宅ローン問題の解決策として考えられます。任意売却は、金融機関の合意を得て、通常の市場価格で家を売却する方法です。自己破産は、借金の支払いを免除してもらう手続きです。

今回の質問者さんの場合、すでに任意売却の手続き中であり、家が売却されないと生活保護の申請もできないという状況です。まずは、任意売却がスムーズに進むように、専門家(不動産業者や弁護士)に相談し、アドバイスを受けることが重要です。

自己破産は、最終的な手段として検討することになります。自己破産をすると、信用情報に傷がつき、一定期間、新たな借入やクレジットカードの利用ができなくなるなどのデメリットがあります。しかし、借金から解放され、生活を立て直すための大きな一歩となる可能性もあります。

専門家への相談

住宅ローン問題は、複雑で専門的な知識が必要です。一人で悩まず、専門家に相談することをおすすめします。相談すべき専門家としては、以下のような人々が挙げられます。

  • 弁護士:自己破産の手続きや、債務整理に関する法的アドバイスをしてくれます。
  • 司法書士:自己破産の手続きを代行してくれます。
  • 不動産業者:任意売却の手続きや、今後の住居探しについて相談できます。
  • ファイナンシャルプランナー:家計の見直しや、生活設計について相談できます。

これらの専門家に相談することで、ご自身の状況に合った解決策を見つけることができます。相談費用がかかる場合がありますが、無料相談を受け付けている専門家もいますので、積極的に活用しましょう。

誤解されがちなポイント

自己破産をすると、すべての借金が帳消しになるわけではありません。税金や養育費など、免除されない借金もあります。また、自己破産をすると、信用情報に傷がつき、一定期間、新たな借入やクレジットカードの利用ができなくなるなどのデメリットがあります。

住宅ローンは、自己破産をしても消滅するわけではありません。金融機関は、抵当権を実行し、家を競売にかけて、その売却代金からローン残高を回収しようとします。ローン残高が残った場合は、自己破産の手続きによって免除される可能性があります。

実務的なアドバイス

今回のケースでは、まず任意売却の手続きを優先的に進めることが重要です。任意売却が成功すれば、家を手放すことができ、生活保護の申請もできるようになる可能性があります。

任意売却の手続きを進めるにあたっては、不動産業者と密に連絡を取り、売却活動の状況を確認しましょう。また、自己破産を検討する場合は、弁護士などの専門家に相談し、手続きの流れや、ご自身の状況に合った解決策についてアドバイスを受けてください。

退院後の生活に向けて、住居探しや仕事探しも並行して行う必要があります。地域のハローワークや、福祉事務所に相談し、必要な支援を受けましょう。

まとめ

自己破産をしても、住宅ローンが完全に消滅するわけではありません。団信の適用状況や、ローンの残債によっては、ローン保険会社からの請求が発生する可能性があります。生活保護の申請は、家の売却状況や、その他の資産状況によって、可否が判断されます。

今回のケースでは、任意売却の手続きを優先的に進め、専門家(弁護士、不動産業者)に相談し、ご自身の状況に合った解決策を見つけることが重要です。退院後の生活に向けて、住居探しや仕事探しも並行して行い、地域のハローワークや福祉事務所の支援を受けながら、生活を立て直していくことが大切です。