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自己破産した父から土地・建物の名義変更を頼まれた…親孝行と現実の狭間で苦悩する息子への法的アドバイス
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父の頼みを断ったことで、親不孝だと責められるのではないかと不安です。しかし、経済的なリスクや家族への影響を考えると、名義変更はできません。自分の判断は間違っているのでしょうか?
このケースの中心は「名義貸し」と「自己破産」です。
まず「名義貸し」とは、自分が所有者ではないのに、名義を貸す行為のことです。 名義を借りた相手が借金を返済できなくなった場合、名義貸しをした側が債権者(お金を貸した人)から債務の返済を請求される可能性があります(連帯保証人ではない場合でも)。 これは、法律上、所有者として責任を負うことになるからです。 たとえ「父が返済する」という約束があっても、法的拘束力はありません。
次に「自己破産」とは、個人が裁判所に破産手続きを申し立て、債務を免除してもらう制度です(民事再生とは異なります)。 自己破産者は、多くの財産を処分して債権者に配当しますが、住宅などの一定の財産は残せる場合があります。しかし、今回のケースのように、残すために家族に名義変更を依頼することは、法律上問題がないとは言えません。
質問者様の判断は、法的観点から見て正しいです。名義貸しは、大きな経済的リスクを伴います。父が返済できなくなった場合、質問者様は1500万円の債務を負うことになります。住宅ローンを抱えている状況では、さらに大きな負担となり、生活に大きな支障をきたす可能性があります。
民法では、債務不履行(契約を守らなかった場合)や不当利得(本来得るべきでない利益を得た場合)に関する規定があり、名義貸しによって生じる損害について、責任を問われる可能性があります。また、税法上も、名義貸しは脱税に繋がる可能性があります。
「親孝行」と「法的責任」は別物です。親の頼みを断ることが親不孝だとは限りません。 親の将来を案じる気持ちは理解できますが、自分の経済状況や家族の生活を犠牲にしてまで、リスクを負う必要はありません。
親戚からの借入れは、名義貸しではなく、質問者様が直接借り入れ、そして父が返済するという形にするべきです。それでもリスクは残りますが、名義貸しよりははるかに低減できます。 その際、親戚との間で明確な貸借契約書を作成し、返済計画をしっかり立てましょう。 また、弁護士に相談し、法的リスクを最小限に抑える方法を検討することも重要です。
今回のケースのように、法的知識が不足している状況で、複雑な問題に直面した場合、弁護士や司法書士に相談することが重要です。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、リスクを回避するための戦略を立てることができます。
名義貸しは大きなリスクを伴う行為です。親の頼み事を断ることは、親不孝ではありません。経済状況や家族の生活を第一に考え、専門家のアドバイスを受けながら、適切な判断をすることが大切です。 親御さんには、現状を丁寧に説明し、理解を求める努力をしましょう。 感情的な言葉ではなく、冷静に現状とリスクを説明することが重要です。 弁護士などの専門家を通じて、親御さんと話し合う方法もあります。
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