自己破産で管財事件を回避するには?同時廃止の条件と対策を解説
【背景】
- 会社の業績悪化による給料減額で住宅ローンが払えなくなり、任意売却中。
- 任意売却がうまくいかず、近々競売になる可能性がある。
- 夫婦合わせて数百万円の借金があり、任意整理を試みたが、給料が少ないため自己破産を検討。
- 借金の理由は、給料減額による生活費の補填のためのカードローン。
- 現在は正社員として再就職したが、給料は以前の半分。
- 車を2台所有。1台は営業職の夫が使用し、ローンが1年半残っている(妻名義)。もう1台は妻名義でローンが残っている(軽自動車)。
- 預貯金、保険の解約金、子供名義の学資保険などはない。
- 住宅はオーバーローン状態。
【悩み】
自己破産を検討しているが、管財事件になるのかどうか不安。もし管財事件になる場合、裁判所に支払う予納金が払えないため、同時廃止(さいとうはいし)にしたい。同時廃止にするための方法を知りたい。
自己破産で管財事件を避けるには、財産の状況が重要です。財産が少なく、免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)に該当しなければ、同時廃止になる可能性が高まります。
自己破産における管財事件と同時廃止の基礎知識
自己破産は、借金で困っている人が、裁判所に申し立てて、借金の支払いを免除してもらう(免責)ための手続きです。しかし、自己破産の手続きには、大きく分けて「管財事件」と「同時廃止」の2種類があります。
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管財事件: 破産管財人(はさんかんざいにん)と呼ばれる弁護士が、破産者の財産を調査し、債権者(お金を貸した人)への配当を行う手続きです。破産者の財産が多い場合や、免責不許可事由に該当する可能性がある場合に選択されます。
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同時廃止: 破産者の財産がほとんどない場合や、免責不許可事由がない場合に、破産手続き開始と同時に破産手続きが終了する手続きです。裁判所への予納金(よのうきん)が管財事件よりも少なくて済みます。
今回の質問者さんのケースでは、どちらの手続きになるのかが大きな関心事です。
今回のケースへの直接的な回答
今回のケースでは、管財事件になるか、同時廃止になるかは、いくつかの要素によって左右されます。
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財産の状況: 質問者さんの場合、預貯金はゼロで、解約金が発生する保険などもありません。住宅はオーバーローンで、車もローンが残っています。この状況だけを見ると、財産は少ないと言えます。
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免責不許可事由の有無: 免責不許可事由とは、自己破産をしても借金が免除されない理由のことです。例えば、借金の理由がギャンブルや浪費である場合、裁判所は免責を許可しないことがあります。今回のケースでは、借金の理由は生活費の補填であり、ギャンブルや浪費ではないため、この点は問題なさそうです。
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車の名義変更: 質問者さんは、自己破産前に車の名義変更を検討しているとのことですが、これが問題になる可能性があります。債権者を不利にする行為(財産隠しなど)とみなされると、免責不許可事由に該当する可能性があります。
これらの要素を総合的に判断して、裁判所は管財事件にするか、同時廃止にするかを決定します。
関係する法律や制度
自己破産に関する主な法律は「破産法」です。破産法は、自己破産の手続きや、免責不許可事由などについて定めています。
また、自己破産の手続きにおいては、裁判所の運用や、弁護士の判断も重要になります。
誤解されがちなポイントの整理
自己破産について、よく誤解されているポイントを整理します。
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自己破産をすると、すべての財産を失う?
いいえ、自己破産をしても、すべての財産を失うわけではありません。生活に必要なものは残すことができます。例えば、99万円以下の現金や、差し押さえが禁止されている財産(家具など)は、手元に残すことができます。
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自己破産をすると、一生借金ができなくなる?
いいえ、自己破産をしても、一生借金ができなくなるわけではありません。ただし、自己破産をした事実は、信用情報機関に記録され、一定期間(5~10年程度)は、新たな借入やクレジットカードの利用が難しくなります。
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自己破産をすると、家族に迷惑がかかる?
いいえ、自己破産は、原則として破産者本人の借金を免除する手続きであり、家族の借金に影響することはありません。ただし、家族が保証人になっている場合は、その家族が借金を支払うことになります。
実務的なアドバイスや具体例の紹介
管財事件を回避し、同時廃止にするためには、以下の点に注意が必要です。
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財産の状況を正確に把握する: 預貯金、不動産、自動車、保険など、すべての財産を洗い出し、その価値を正確に把握することが重要です。
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免責不許可事由に該当する行為を避ける: 借金の理由、財産の処分方法など、免責不許可事由に該当する行為がないか、弁護士に相談し、アドバイスを受けるようにしましょう。
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弁護士に相談する: 自己破産の手続きは複雑であり、専門的な知識が必要です。弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることが、同時廃止を実現するための最良の方法です。弁護士は、あなたの状況に合わせて、手続きの流れや、必要な書類などを教えてくれます。
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車の名義変更は慎重に: 車の名義変更は、自己破産の手続きに影響を与える可能性があります。必ず弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けてから行うようにしましょう。場合によっては、名義変更をしない方が良いこともあります。
今回のケースでは、車の名義変更が問題になる可能性があります。弁護士に相談し、債権者を不利にする行為とみなされないように、適切な方法を検討する必要があります。
専門家に相談すべき場合とその理由
自己破産を検討している場合は、必ず弁護士に相談しましょう。弁護士は、あなたの状況を詳しく聞き取り、最適な解決策を提案してくれます。
特に、以下のような場合は、弁護士への相談が不可欠です。
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借金の理由がギャンブルや浪費である場合: 免責不許可事由に該当する可能性が高いため、弁護士に相談し、適切な対策を講じる必要があります。
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財産の状況が複雑である場合: 不動産や、高額な財産がある場合、手続きが複雑になる可能性があります。弁護士に相談し、適切な手続きを進める必要があります。
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自己破産の手続きについて詳しく知りたい場合: 自己破産の手続きは複雑であり、専門的な知識が必要です。弁護士に相談し、手続きの流れや、必要な書類などを教えてもらいましょう。
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債権者との交渉が必要な場合: 弁護士は、債権者との交渉を代行してくれます。
まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)
自己破産で管財事件を回避し、同時廃止にするためには、以下の点が重要です。
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財産の状況を把握する: 財産が少ないほど、同時廃止になる可能性が高まります。
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免責不許可事由を避ける: 借金の理由や、財産の処分方法に注意しましょう。
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弁護士に相談する: 専門家のサポートを受けることが、同時廃止を実現するための最良の方法です。
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車の名義変更は慎重に: 弁護士に相談し、債権者を不利にする行為とみなされないようにしましょう。
自己破産は、人生の再スタートを切るための重要な手続きです。弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けながら、手続きを進めていきましょう。