自己破産とは? 基礎知識を分かりやすく解説
自己破産とは、経済的に困窮し、借金を返済することが困難になった場合に、裁判所に申し立てを行い、借金の返済義務を原則として免除してもらうための法的手続きです。これにより、生活の再建を目指すことができます。ただし、自己破産には、一定の条件や注意点があります。
自己破産は、借金問題を解決するための最終手段の一つです。自己破産をすることで、借金の返済義務が免除される(免責(めんせき))ため、生活を立て直すためのスタートラインに立つことができます。しかし、自己破産をすると、信用情報に記録が残り(ブラックリスト)、一定期間、クレジットカードの利用やローンの契約などができなくなるなどの影響があります。
自己破産の手続きは、大きく分けて、裁判所が選任した「破産管財人(はさんかんざいにん)」が財産の調査や管理を行う「管財事件」と、破産者の財産が少なく、破産管財人が選任されない「同時廃止(どうじはいし)」があります。今回のケースでは、財産がある程度あるため、管財事件になる可能性が高いと考えられます。
自己破産手続き期間と家の立ち退き期間の目安
自己破産の手続き期間は、個々の状況によって大きく異なります。弁護士に依頼してから自己破産が確定するまでの期間は、一般的に数ヶ月から1年程度が目安となります。しかし、財産の状況や債権者(お金を貸した人)との交渉などにより、さらに長引くこともあります。
家の立ち退き期間についても、一概には言えません。自己破産の手続き中に、裁判所から「破産宣告」が出されると、原則として家を所有している場合は、競売(けいばい)にかけられ、最終的に立ち退きを迫られることになります。競売にかかるまでの期間や、立ち退きまでの期間は、物件の状況や、競売の手続きの進み具合によって異なりますが、数ヶ月から半年程度が目安となることが多いです。
今回のケースでは、実父の土地に家を建てているとのことですので、この家の所有権が誰にあるのかが重要なポイントになります。もし、質問者自身が家を所有している場合は、自己破産の手続きの中で、この家も対象となる可能性があります。しかし、実父が所有者であれば、自己破産の手続きとは直接関係ないため、立ち退きを迫られる可能性は低くなります。ただし、住宅ローンの支払いが滞っている場合は、金融機関から競売にかけられる可能性はあります。
自己破産で差し押さえられる財産の範囲
自己破産の手続きでは、原則として、破産者のすべての財産が対象となります。これは、債権者への公平な分配を目的としているためです。しかし、すべての財産がすべて差し押さえられるわけではありません。法律で、差し押さえが禁止されている財産(自由財産(じゆうざいさん))も存在します。
今回のケースで、差し押さえの対象となる可能性のある財産について見ていきましょう。
- 家:質問者自身が所有している場合は、原則として差し押さえの対象となります。ただし、実父の土地に家を建てている場合は、家の所有権が誰にあるのかが重要です。
- 車:10年落ちで12万キロ走行の車は、価値が低いと判断され、差し押さえの対象にならない可能性もあります。しかし、車の価値によっては、換価(現金化)される可能性があります。
- 家財:家具、家電、PC、AV機器、ゲーム機、ゲームソフトなどは、原則として差し押さえの対象となります。ただし、生活に必要な最低限の家財は、自由財産として残される可能性があります。
- 妻の財産、子供の財産:妻や子供が所有する財産は、原則として差し押さえの対象外です。ただし、名義が質問者であっても、妻や子供が購入したものであることを証明できれば、差し押さえを免れる可能性があります。
- 貯蓄、積立:自己破産の手続きが開始される時点での貯蓄や積立金は、原則として差し押さえの対象となります。
弁護士が20万円を差し押さえの目安と言っているのは、破産管財人が、換価できる財産が20万円以下であれば、破産手続きを簡易的に進める可能性があるという意味かもしれません。しかし、これはあくまで目安であり、個々の状況によって異なります。
自己破産と住宅ローン、実父の年金生活への影響
自己破産をすると、住宅ローンも免責の対象となります。つまり、住宅ローンの返済義務がなくなります。しかし、住宅ローンを滞納している場合、金融機関は抵当権(ていとうけん)を実行し、家を競売にかけることができます。今回のケースでは、住宅ローンの保証人が実父とのことですので、自己破産をすると、実父が住宅ローンの残債を支払う義務を負うことになります。
実父が年金暮らしであり、住宅ローンの支払いが困難な場合、家を手放さなければならない可能性もあります。この場合、実父とよく話し合い、今後の対応について検討する必要があります。
また、質問者自身も鬱病を克服し、収入を確保する必要があるとのことです。自己破産の手続き後、生活を立て直すためには、安定した収入を確保することが重要です。就労支援サービスを利用したり、専門家(精神科医、カウンセラーなど)のサポートを受けながら、就職活動を行うことをおすすめします。
自己破産と離婚問題への対応
自己破産と離婚は、それぞれ別の問題として考える必要があります。自己破産の手続きが完了したからといって、離婚が自動的に成立するわけではありません。
今回のケースでは、妻から離婚を切り出され、子供の進学を機に離婚をすると宣告されているとのことです。離婚については、弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。離婚の条件(財産分与、親権、養育費など)についても、弁護士とよく話し合い、合意形成を目指しましょう。自己破産の手続きと並行して、離婚の手続きを進めることも可能です。
妻が、子供の貯金に回すために、質問者の所有物を売却しようとしているとのことですが、これは、離婚協議の中で話し合うべき問題です。離婚協議の中で、財産分与について合意し、子供の将来のために、適切なお金の使い道を決定する必要があります。
自己破産に関する誤解と注意点
自己破産について、誤解されがちなポイントを整理しておきましょう。
- 自己破産をすれば、すべての借金が帳消しになるわけではない:税金や養育費など、自己破産しても免除されない債務(非免責債権(ひめんせきさいけん))があります。
- 自己破産をすると、一生クレジットカードが作れないわけではない:一定期間(5〜10年程度)は、信用情報に記録が残り、クレジットカードの利用やローンの契約などが難しくなりますが、その後は回復する可能性があります。
- 自己破産は、借金問題を解決するための唯一の手段ではない:債務整理には、自己破産以外にも、任意整理や個人再生などの方法があります。それぞれの方法には、メリット・デメリットがあり、個々の状況に合わせて、最適な方法を選択する必要があります。
また、自己破産の手続きは、専門的な知識が必要となるため、必ず弁護士に相談し、手続きを進めることをおすすめします。
専門家に相談すべき場合とその理由
今回のケースでは、以下の専門家への相談が不可欠です。
- 弁護士:自己破産の手続き、財産の差し押さえ、離婚問題など、法的問題について、専門的なアドバイスを受けることができます。また、債権者との交渉や、裁判所への書類作成なども、弁護士に依頼することができます。
- 精神科医、カウンセラー:鬱病の治療、精神的なサポートを受けることができます。自己破産や離婚問題は、精神的な負担が大きいため、専門家のサポートを受けながら、心身ともに健康な状態を保つことが重要です。
- ファイナンシャルプランナー:自己破産後の生活設計、家計の見直し、資産形成などについて、アドバイスを受けることができます。
専門家に相談することで、適切なアドバイスを受け、問題解決に向けて、スムーズに進むことができます。
まとめ:自己破産後の生活再建に向けて
今回の質問の重要ポイントをまとめます。
- 自己破産の手続き期間は、数ヶ月から1年程度が目安。家の立ち退き期間は、個々の状況によって異なる。
- 差し押さえの対象となる財産は、原則として破産者のすべての財産。ただし、生活に必要なものは、自由財産として残される可能性がある。
- 住宅ローンは免責の対象となるが、保証人に影響が及ぶ可能性がある。
- 離婚問題は、自己破産とは別の問題として、弁護士に相談する。
- 自己破産後の生活再建に向けて、専門家(弁護士、精神科医、ファイナンシャルプランナーなど)のサポートを受ける。
自己破産は、人生の再出発のチャンスです。困難な状況ではありますが、専門家と連携し、冷静に問題に向き合い、未来に向けて、一歩ずつ進んでいきましょう。

