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自殺物件での自殺と賠償責任:元事故物件での自殺は賠償請求されない?

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元々事故物件として告知されている物件で自殺した場合、賠償請求はされないのか、もしされるなら、その根拠や金額はどうなるのかを知りたい。
元事故物件での自殺でも賠償請求される可能性はあります。個別の状況によって判断が異なります。
賃貸物件で人が亡くなることは、残された人々に大きな悲しみをもたらします。同時に、物件の価値や、その後の利用にも影響を与える可能性があります。この影響を考慮し、不動産の世界では、過去に「人の死」があった物件を「事故物件」と呼ぶことがあります。
事故物件(心理的瑕疵物件)とは、その物件内で自殺や他殺、孤独死などがあった物件のことです。このような物件は、入居希望者に心理的な抵抗感を与える可能性があるため、告知義務が発生します(告知義務については後述します)。
賃貸借契約においては、借主(借りる人)には、物件を「善良なる管理者の注意義務」(民法400条)をもって使用する義務があります。これは、物件を大切に使い、通常の使用方法で利用する義務のことです。もし、借主がこの義務を怠り、物件に損害を与えた場合、大家さん(貸す人)は借主に対して損害賠償を請求できる可能性があります。
自殺も、物件の価値を低下させる要因となり得るため、場合によっては損害賠償の対象となることがあります。
今回の質問の核心は、「元々事故物件として告知されている物件で自殺した場合、賠償請求はされないのか?」という点です。結論から言うと、元事故物件であっても、自殺した場合に必ずしも賠償請求がされないとは限りません。
既に事故物件として告知されている場合でも、自殺によって物件の価値がさらに低下したり、追加の費用(例:特殊清掃費用)が発生したりした場合には、大家さんは借主の遺族に対して損害賠償を請求する可能性があります。
ただし、元々事故物件であったこと、つまり入居者がその事実を承知していたことは、賠償額の算定や、賠償請求の可否に影響を与える可能性があります。裁判になった場合、過去の判例や、物件の状況、契約内容などを総合的に考慮して判断されることになります。
不動産に関わる法律や制度は、今回のケースに大きく影響します。
特に重要なのは、宅地建物取引業法に基づく「告知義務」です。この告知義務は、過去に事故があった物件について、入居希望者に対してその事実を告知しなければならないというものです。告知の範囲や期間については、明確な法的基準はありませんが、社会通念上、入居者の判断に影響を与える可能性がある範囲で告知が行われます。告知義務を怠った場合、損害賠償請求や契約解除の原因となる可能性があります。
事故物件に関する誤解として多いのは、「一度告知されていれば、その後何があっても賠償責任は発生しない」というものです。これは正しくありません。
告知は、あくまでも入居希望者の判断材料を提供するためのものです。告知されているからといって、その物件内で自殺した場合の賠償責任が免除されるわけではありません。賠償責任は、個別の状況(物件の損耗状況、契約内容、自殺に至った経緯など)によって判断されます。
また、「告知期間」についても誤解があるようです。告知期間に明確な法的ルールはありませんが、一般的には、事件発生から数年間(例:3年間)は告知を行うことが多いです。しかし、告知期間が過ぎたからといって、賠償責任がなくなるわけではありません。物件の状況によっては、告知期間経過後も、損害賠償請求が認められる可能性があります。
賃貸借契約を結ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
具体例を挙げます。
例1:Aさんは、元々事故物件として告知されていた賃貸物件に入居しました。入居後、Aさんは物件内で自殺してしまいました。この場合、大家さんは、物件の価値が低下したことや、特殊清掃費用などを理由に、Aさんの遺族に対して損害賠償を請求する可能性があります。しかし、Aさんが事故物件であることを承知で入居していたことや、物件の状況によっては、賠償額が減額されたり、請求が認められない可能性もあります。
例2:Bさんは、事故物件ではない賃貸物件に入居しました。しかし、入居後にBさんが自殺してしまいました。この場合、大家さんは、物件の価値が低下したことや、特殊清掃費用などを理由に、Bさんの遺族に対して損害賠償を請求する可能性があります。この場合、Bさんの遺族は、Bさんの自殺が予見できなかったことや、Bさんの精神的な状況などを考慮して、賠償額の減額を求めることができます。
以下のような場合には、専門家への相談を検討しましょう。
今回の質問に対する重要なポイントをまとめます。
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