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自筆遺言と遺産分割協議書:スムーズな相続手続きを実現する方法

【背景】
* 父が他界し、封印されていない自筆遺言書が残されました。
* 遺言書には、全財産を母に相続させる旨が記載されています。
* 兄弟姉妹全員が母の単独相続に賛成しており、紛争はありません。
* 遺言書に遺言執行人が指定されておらず、家庭裁判所での検認と遺言執行人の選任が必要と予想されます。

【悩み】
家庭裁判所での検認手続きと遺言執行人の選任の手間と時間を省くため、兄弟姉妹全員で署名・実印を押印した遺産分割協議書を作成し、相続手続きに使用することは可能でしょうか?

可能です。遺言書と協議書併用で相続手続きを進められます。

テーマの基礎知識:自筆遺言と遺産分割協議書

相続手続きには、大きく分けて「遺言」と「遺産分割協議」の2つの方法があります。

「遺言」とは、生前に自分の財産をどのように相続させるかを決めておく制度です。自筆遺言(すべて自筆で作成された遺言)は、比較的簡単に作成できますが、家庭裁判所での検認(遺言書の真正性を確認する手続き)が必要となる場合があります。また、遺言執行人を指定しない場合は、家庭裁判所が選任することになり、手続きに時間がかかります。

一方、「遺産分割協議」とは、相続人が話し合って、遺産をどのように分割するかを決める方法です。相続人全員の合意が必要ですが、家庭裁判所の検認などの手続きは不要です。

今回のケースへの直接的な回答:遺言書と協議書の併用

ご質問のケースでは、父が自筆遺言を残しており、相続人全員がその遺志を尊重し、母の単独相続に合意されています。この場合、遺言書に基づいて相続手続きを進めることも可能です。しかし、検認や遺言執行人の選任の手続きに時間がかかることが予想されます。

そこで、相続人全員が署名・実印を押印した遺産分割協議書を作成し、それを相続手続きに併用する方法が有効です。協議書には、「父が残した自筆遺言書に従い、母が単独相続人となることを全員で合意する」旨を記載します。

関係する法律や制度:民法

この手続きは、民法(日本の法律で、私法の基礎となる法律)に基づいています。民法は、遺言と遺産分割協議の両方を認めており、今回の方法も法的に問題ありません。

誤解されがちなポイント:遺言書の効力と協議書の役割

遺言書は、法律上の効力を持つ文書です。しかし、検認や遺言執行人の選任などの手続きが必要な場合があります。遺産分割協議書は、遺言書を補完する役割を果たし、手続きをスムーズに進めるのに役立ちます。協議書自体は、遺言書を無効にするものではありません。

実務的なアドバイス:協議書の作成と手続き

遺産分割協議書を作成する際には、公証役場(公正証書を作成する機関)で作成することをお勧めします。公正証書であれば、後々の紛争リスクを軽減できます。また、弁護士や司法書士に相談して作成してもらうのも良いでしょう。相続手続きは複雑なため、専門家のアドバイスを受けることで、よりスムーズに進めることができます。

専門家に相談すべき場合とその理由:複雑な相続

相続財産に不動産や株式など複雑な財産が含まれている場合、あるいは相続人に未成年者がいる場合などは、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、手続きの進め方や税金対策など、適切なアドバイスをしてくれます。

まとめ:スムーズな相続手続きのために

父が残した自筆遺言書と、相続人全員が合意した遺産分割協議書を併用することで、相続手続きをスムーズに進めることが可能です。ただし、相続手続きは複雑なため、必要に応じて専門家の力を借りることを検討しましょう。 協議書の作成には、公正証書を利用することで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。 ご自身の状況に合わせて、最善の方法を選択してください。

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