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行政訴訟の対象となる「処分」とは?事例をわかりやすく解説

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行政訴訟とは、行政機関の違法な行為によって権利や利益を侵害された人が、その行為の取り消しや無効確認などを求める裁判のことです。行政事件訴訟法という法律に基づいて行われます。
今回の質問にある「取消訴訟」は、行政庁が行った処分(国民の権利や義務に直接影響を与える行為)が違法である場合に、その処分の取り消しを求める訴訟です。この取消訴訟を起こすためには、まずその対象となる行為が「処分」でなければなりません。
「処分」とは、行政庁が国民の権利や義務を直接的に定めたり、その範囲を具体的に確定したりする行為のことです。例えば、建築確認の許可や、営業許可の取り消しなどがこれに当たります。
しかし、行政が行う行為は多岐にわたり、すべてが「処分」に該当するわけではありません。例えば、行政指導や、事実上の行為(道路の建設など)は、原則として「処分」には含まれません。
近年の判例では、国民の権利救済の必要性から、従来の解釈よりも広く「処分」と認められる傾向があります。
質問にあるように、取消訴訟の対象となる「処分」の範囲は、個々の事案によって判断が分かれることがあります。処分性が認められるか否かは、その行為が国民の権利や利益に与える影響の程度、救済の必要性などを総合的に考慮して判断されます。
具体的に、処分性が認められた事例と認められなかった事例について、もう少し詳しく見ていきましょう。
行政事件訴訟法は、行政訴訟に関する基本的なルールを定めています。この法律では、取消訴訟の対象となる「処分」の定義や、訴訟を提起できる人の範囲(原告適格)、訴訟の提起期間などが定められています。
また、行政手続法は、行政庁が行う処分に関する基本的なルールを定めています。この法律では、処分の事前通知や、意見陳述の機会の付与など、国民の権利保護に関する規定が設けられています。
これらの法律は、行政訴訟における「処分」の解釈や、その適正な手続きを理解する上で重要な役割を果たしています。
処分性の判断は、非常に複雑であり、誤解が生じやすいポイントがいくつかあります。
・ 形式的な判断に固執しないこと: 行政行為の名称(例:「決定」「通知」など)だけで判断するのではなく、その内容や実質的な影響に着目する必要があります。
・ 個別具体的な判断が必要: 過去の判例を参考にすることは重要ですが、個々の事案の具体的な状況(行為の性質、権利侵害の程度、救済の必要性など)を考慮して判断する必要があります。
・ 関連する制度との関係: 関連する法律や制度(例えば、都市計画法や建築基準法など)との関係も考慮する必要があります。
これらの点を踏まえ、処分性の判断は、専門的な知識と経験が必要とされる分野であることを理解しておくことが重要です。
処分性が認められるか否かは、具体的な事案によって異なりますが、参考となる事例をいくつか紹介します。
・ 処分性が認められた事例:
* 第二種市街地再開発事業計画(最判平4.11.26): この判例では、再開発事業計画が、権利者の権利や利益に重大な影響を与えるため、取消訴訟の対象となる「処分」とされました。
* 土地区画整理事業計画(最判平20.9.10): 土地区画整理事業計画も、権利者の権利や利益に直接的な影響を与えるため、取消訴訟の対象となる「処分」とされています。
* 建築確認(建築基準法): 建築主事による建築確認は、建築物の建築を許可するものであり、国民の権利に直接的な影響を与えるため、処分性が認められます。
・ 処分性が認められなかった事例:
* 都市計画決定: 都市計画決定は、将来的な都市計画の方向性を示すものであり、直ちに個々の権利に影響を与えるものではないため、原則として処分性は認められません。ただし、例外的に、特定の権利者に著しい不利益を与える場合は、処分性が認められることもあります。
* 行政指導: 行政指導は、行政機関が国民に対して行う助言や勧告であり、法的拘束力がないため、原則として処分性は認められません。ただし、行政指導が事実上強制力を持ち、国民の権利や利益を侵害する場合は、例外的に処分性が認められることもあります。
上記以外にも様々な事例があり、個別の状況によって判断が異なります。
質問者が疑問に思っている判例(最判平4.1.24)について補足すると、この判例では、土地改良事業施行許可処分の取り消しを求める訴訟において、工事完了後の状況が考慮されましたが、事業施行許可処分自体の処分性は否定されていません。工事完了により原状回復が困難になったとしても、取り消しを求める法律上の利益が消滅するわけではないと判断されました。
行政訴訟は、専門的な知識と経験が必要とされる分野です。ご自身の権利や利益に関わる問題について、処分性の判断や訴訟の提起を検討する場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
専門家は、個々の事案の状況を詳細に分析し、適切な法的アドバイスを提供することができます。また、訴訟の準備や、裁判所とのやり取りも代行してくれます。
具体的には、以下のような場合に専門家への相談を検討してください。
・ 行政庁の処分によって、ご自身の権利や利益が侵害されたと感じる場合。
・ 処分が違法である可能性がある場合。
・ 取消訴訟を提起することを検討している場合。
・ 訴訟の手続きについて、詳しく知りたい場合。
専門家への相談は、ご自身の権利を守る上で、非常に有効な手段となります。
* 取消訴訟の対象となる「処分」は、行政庁が国民の権利や義務に直接影響を与える行為です。
* 処分性の判断は、個々の事案の状況によって異なり、専門的な知識と経験が必要です。
* 処分性が認められた事例と認められなかった事例があり、判例を参考にしながら判断されます。
* 行政訴訟に関する問題が生じた場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
今回の解説が、行政訴訟における「処分」の理解を深める一助となれば幸いです。
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