自己破産と保証人:基礎知識
自己破産とは、借金が返済不能になった人が、裁判所に申し立てて、原則としてすべての借金の支払いを免除してもらう手続きのことです。(免責許可決定といいます)
しかし、自己破産をしても、借金が完全に消滅するわけではありません。自己破産をする人(債務者といいます)の借金は免除されますが、保証人や連帯保証人(以下、保証人とします)は、債務者が返済できなくなった借金を代わりに支払う義務を負います。
保証人には、債務者が返済できなくなった場合に、代わりに返済する義務があります。これは、保証契約という契約に基づいています。保証契約は、債権者(お金を貸した人)と保証人の間で締結されます。
今回のケースでは、長男が親の住宅ローンの保証人になっているため、親が自己破産した場合、長男に支払い義務が生じる可能性があります。
今回のケースへの直接的な回答
今回の質問者様のケースでは、親御さんが自己破産をしたため、残りの住宅ローンについて、保証人である長男様に支払い義務が発生する可能性が高いです。親御さんが「今まで通り支払う」と言っていても、それはあくまで親御さんの意思であり、法的拘束力はありません。
債権者(お金を貸した金融機関など)は、親御さんではなく、保証人である長男様に対してローンの残額を一括で請求する可能性があります。もちろん、債権者は、親御さんの支払いを待つこともできますが、その義務はありません。
もし、親御さんが住宅ローンの支払いを続けている場合でも、債権者は長男様に請求できます。これは、保証人としての責任は、債務者の支払い能力に関わらず、存在するからです。
関係する法律や制度
今回のケースで関係してくる主な法律は、民法です。民法では、保証人の責任について規定されています。
民法では、保証人は、主たる債務者(今回の場合は親御さん)が債務を履行しない場合に、その債務を履行する責任を負うと定められています。これは、保証契約の内容によって異なり、連帯保証の場合は、より重い責任を負うことになります。
自己破産に関する法律としては、破産法があります。破産法は、自己破産の手続きや、債務者の免責について定めています。自己破産によって債務者の債務が免除されても、保証人の責任は消滅しないのが原則です。
誤解されがちなポイントの整理
自己破産に関する誤解として多いのは、「自己破産をすれば、保証人も借金を免除される」というものです。しかし、これは誤りです。自己破産は、あくまで債務者本人の借金を免除するものであり、保証人の責任には影響しません。
また、「親が支払いを続けるから大丈夫」というのも誤解です。保証人としての責任は、債務者の支払い能力に関わらず存在します。親御さんが支払いを続けていたとしても、債権者は長男様に請求する権利を持っています。
さらに、「保証人になったことを忘れていた」という場合でも、保証契約は有効であり、責任を免れることは難しいです。保証契約は、書面だけでなく、口頭でも成立することがあります。
実務的なアドバイスや具体例の紹介
今回のケースでは、長男様が住宅ローンの保証人になっているため、以下のような対応を検討する必要があります。
- 債権者との交渉: 債権者と交渉し、分割払いや減額を交渉することも可能です。ただし、必ずしも受け入れられるとは限りません。
- 専門家への相談: 弁護士や司法書士などの専門家に相談し、具体的なアドバイスを受けることが重要です。専門家は、個別の状況に応じて、最適な解決策を提案してくれます。
- 自己破産も検討: 自身の経済状況によっては、自己破産も選択肢の一つとなります。自己破産をすることで、借金の支払いを免除される可能性がありますが、信用情報に影響が出るなどのデメリットもあります。
- 親族間の協力: 親御さんや他の親族と協力して、支払いの方法や負担について話し合うことも重要です。
例えば、債権者との交渉の際には、現在の収入や支出、家族構成などを具体的に説明し、支払いが困難な状況であることを理解してもらうことが重要です。分割払いを希望する場合は、無理のない支払い計画を提示するようにしましょう。
専門家に相談すべき場合とその理由
今回のケースのように、自己破産と保証人が絡む問題は、複雑な法的知識が必要となります。そのため、以下のような場合は、必ず専門家(弁護士や司法書士)に相談することをお勧めします。
- 支払い督促が来た場合: 支払いを求める書類が届いた場合は、すぐに専門家に相談しましょう。対応を誤ると、不利な状況になる可能性があります。
- 債権者との交渉がうまくいかない場合: 債権者との交渉が難航している場合は、専門家のサポートが必要になります。専門家は、法律的な知識を駆使して、有利な条件を引き出すための交渉をしてくれます。
- 自己破産を検討する場合: 自身が自己破産を検討している場合は、専門家に相談して、手続きの流れやメリット・デメリットについて詳しく説明を受けることが重要です。
- 今後の対応に不安がある場合: 今後の対応について不安がある場合は、専門家に相談して、アドバイスを受けることで、安心して対応できます。
専門家は、法的知識だけでなく、豊富な経験も持っています。個別の状況に応じて、最適な解決策を提案し、サポートしてくれます。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回の質問の重要ポイントをまとめます。
- 親の自己破産によって、保証人である長男様に支払い義務が発生する可能性がある。
- 親御さんが支払いを続けていても、保証人の責任はなくなるわけではない。
- 債権者との交渉や、専門家への相談を検討する。
- 自己破産も選択肢の一つとなる場合がある。
- 専門家への相談は、問題解決への第一歩となる。
自己破産と保証人の問題は、複雑で、個別の状況によって対応が異なります。専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが、問題解決への近道です。

