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親子で共有の賃貸物件、白色専従者控除の適用は?配偶者2名の控除は可能?

【背景】
父と息子で共同で所有する賃貸物件があり、不動産所得をそれぞれ白色申告しています。最近、白色専従者控除(※所得税法上の控除制度で、事業専従者の給与を必要経費として計上できる制度)の存在を知りました。

【悩み】
賃貸物件の管理に、父の配偶者と息子の配偶者がそれぞれ関わっています(周囲の清掃や花壇の手入れなど)。この場合、2人とも専従者控除の対象になるのでしょうか?それぞれの配偶者が専従者として控除を受けることは可能でしょうか?

原則、不可。別々の専従者控除は認められない可能性が高いです。

白色専従者控除の基礎知識

白色専従者控除は、事業主が事業のために専従者(※事業に専ら従事する者)を雇用した場合、その専従者の給与を必要経費として計上できる制度です。 これは、事業の円滑な運営に専従者が貢献していることを認め、税負担を軽減する仕組みです。 白色申告(※簡易な記帳で申告できる制度)をしている事業者だけが利用できます。

今回のケースへの直接的な回答

今回のケースでは、父と息子がそれぞれ別々の事業者として、同じ物件を共同で所有し、不動産所得を個別に申告しています。しかし、重要なのは「事業」の定義です。この場合、父と息子の事業は、実質的に同一の事業と見なされる可能性が高いです。 つまり、同じ賃貸物件からの不動産所得を得ているため、別々の事業とはみなされない可能性が高いのです。

そのため、それぞれの配偶者が、それぞれ「専従者」として控除を受けることは難しいと考えられます。 税務署は、同一の事業とみなした場合、専従者控除は1名分しか認めません。

関係する法律や制度

所得税法が関係します。具体的には、所得税法第22条の2(白色申告の特例)および同法施行規則第10条の2(専従者控除の適用要件)などが関連します。 これらの法律・規則に基づき、税務署は専従者控除の適用を判断します。

誤解されがちなポイントの整理

「配偶者がそれぞれ異なる業務をしているから、別々の専従者として認められる」と誤解されがちです。しかし、重要なのは業務内容ではなく、事業の同一性です。 同じ物件からの不動産所得という点で、事業は同一と判断される可能性が高いのです。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

例えば、父が物件管理全般を担い、その配偶者が補助的に手伝うという形であれば、父の配偶者のみ専従者控除の対象となる可能性があります。 逆に、父と息子の配偶者がそれぞれ独立して業務を行っているとしても、事業が同一であれば、控除は1名分しか認められないでしょう。 明確な役割分担と、それを示す証拠(領収書や契約書など)を準備しておくことが重要です。

専門家に相談すべき場合とその理由

税務署の判断はケースバイケースです。 複雑な状況や、高額な不動産所得がある場合は、税理士などの専門家に相談することを強くお勧めします。 専門家は、個々の状況を精査し、最適な対応策を提案してくれます。 不適切な申告は、税務調査のリスクを高める可能性があります。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

親子で共同所有する賃貸物件の場合、白色専従者控除は、事業の同一性を考慮して判断されます。 同一事業とみなされれば、専従者控除は原則として1名分しか認められません。 明確な役割分担と証拠を準備し、必要に応じて税理士などの専門家に相談することが重要です。 税務上のリスクを避けるためにも、専門家のアドバイスを受けることを検討しましょう。

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