親族からの不動産譲渡！法人への名義変更手続きと税金計算を徹底解説

不動産の名義変更手続き：個人から法人への移転

まず、個人から法人への不動産名義変更は、大きく分けて以下の2つの手続きが必要です。

• 売買契約の締結：個人（親族）と法人（あなた）の間で、不動産の売買契約を締結します。契約書には、売買価格、決済日、物件の状況などを明確に記載する必要があります。この契約書は、後の登記手続きに必要不可欠です。
• 所有権移転登記：売買契約が完了したら、法務局で所有権移転登記を行います。これは、登記簿に所有者情報を法人名に変更する手続きです。必要な書類は、売買契約書、印鑑証明書、登記識別情報（登記簿の住所や番号など）、法人の定款などです。法務局の窓口で相談したり、司法書士に依頼するのが一般的です。

かかる税金とその計算方法

この不動産譲渡には、主に以下の税金がかかります。

• 登録免許税：不動産の売買契約を登記する際に必要な税金です。売買価格の1.2％（200万円までは1.2％、200万円を超える部分は1.0％）が課税されます。
• 不動産取得税：法人が不動産を取得した際に課税される税金です。不動産の価格や所在地によって税率が異なります。都道府県や市町村によって税率が異なるため、事前に確認が必要です。
• 譲渡所得税（個人）：不動産を売却した親族は、売却益（売却価格ー取得価格ー諸経費）に対して譲渡所得税を納める必要があります。（取得価格が不明な場合、路線価や類似物件の価格から算出します）。譲渡所得税の税率は、所得税の累進課税（所得が多いほど税率が高くなる）が適用されます。

税金計算の具体例

例えば、不動産の売買価格が1,000万円、取得価格が500万円、諸経費が10万円だったとします。

• 譲渡所得：1,000万円 – 500万円 – 10万円 = 490万円
• 登録免許税：1,000万円 × 1.2％ = 12万円（200万円までは1.2％、800万円は1.0％で計算）
• 不動産取得税：これは不動産の価格や所在地によって変動するため、具体的な金額は算出できません。市町村役所に問い合わせて確認する必要があります。

上記の計算はあくまで例であり、実際の税額は、不動産の状況や親族の所得状況などによって異なります。

関係する法律や制度

不動産の売買には、民法（契約に関する規定）、不動産登記法（登記に関する規定）、不動産取得税法（不動産取得税に関する規定）、所得税法（譲渡所得税に関する規定）などが関係します。

誤解されがちなポイントの整理

贈与と売買の違いを明確に理解することが重要です。贈与の場合は、贈与税がかかります。売買契約を締結することで、贈与税を回避できますが、その分譲渡所得税がかかります。どちらの方法が税負担が少なくて済むかは、個々の状況によって異なります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

税金計算は複雑なため、税理士に相談することを強くお勧めします。税理士は、最適な税金対策を提案し、手続きをサポートしてくれます。また、司法書士は登記手続きを代行してくれます。専門家への依頼は、時間と労力の節約、そして税金対策の最適化に繋がります。

専門家に相談すべき場合とその理由

税金計算や手続きが複雑で不安な場合、専門家（税理士、司法書士）に相談しましょう。専門家は、個々の状況に合わせた適切なアドバイスとサポートを提供してくれます。特に、高額な不動産取引では、専門家のサポートを受けることが非常に重要です。

まとめ（今回の重要ポイントのおさらい）

個人から法人への不動産名義変更には、売買契約の締結と所有権移転登記が必要です。税金としては、登録免許税、不動産取得税、譲渡所得税（個人）などがかかります。税金計算は複雑なため、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家のサポートを受けることで、スムーズかつ節税効果の高い手続きを進めることができます。