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親族居住中の不動産売買:買主は立ち退きリスクを負うのか?徹底解説
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* 買主は、親族の居住による立ち退きリスク(費用、裁判、弁護士費用など)を負うのでしょうか?
* 賃貸借契約がない現状で、買主はスムーズに立ち退き要請や賃貸借契約締結ができますか?
不動産には「所有権」(物件を自由に使う権利)と「占有権」(物件を実際に使用する権利)があります。所有者は所有権を持ちますが、必ずしも占有権を持つとは限りません。今回のケースでは、所有者は所有権を持ちますが、親族が占有権を行使しています。 占有権は、所有権とは独立して存在する権利です。所有権者であっても、占有者に立ち退きを要求するには、法的根拠が必要です。
現状では、親族は「無償の占有者」(賃料を払わずに居住している人)です。所有者が売却しても、親族の占有権は自動的に消滅しません。そのため、買主は親族から物件を明け渡させるための手続き(=立ち退き)が必要になる可能性が高く、それに伴う費用(立ち退き交渉費用、訴訟費用、弁護士費用など)のリスクを負うことになります。
親族の居住は、法律上「不法占拠」(他人の土地や建物を無断で占有すること)に該当する可能性があります。しかし、長期間にわたる無償の居住は、黙示の賃貸借契約(言葉で契約していないが、状況から契約があったとみなされる)と解釈される可能性もあります。どちらに該当するかは、裁判で判断されるケースもあります。
長期間の無償居住は、黙示の賃貸借契約と解釈される可能性がある一方、時効取得(長期間の占有によって所有権を取得すること)とは異なります。時効取得には、20年間の平穏かつ公然の占有が必要ですが、今回のケースでは、所有者が売却を希望しているため、時効取得は成立しません。
売買契約書に、「親族の立ち退きに関する特約」を盛り込むことが重要です。具体的には、親族への立ち退き交渉、それに伴う費用負担、交渉が失敗した場合の訴訟費用負担などを、売主(現所有者)または買主のどちらが負担するかを明確に記載します。また、親族との交渉をスムーズに進めるため、弁護士に相談することをお勧めします。
親族との関係性、居住期間の長さ、過去の経緯など、複雑な事情が絡む場合は、弁護士や不動産専門家への相談が不可欠です。専門家は、状況を的確に判断し、最適な解決策を提案してくれます。特に、訴訟に発展する可能性がある場合は、専門家のアドバイスが非常に重要となります。
親族が居住する不動産の売買は、買主にとって立ち退きリスクが伴います。賃貸借契約がない場合でも、黙示の賃貸借契約とみなされる可能性があり、法的措置が必要となる可能性があります。売買契約前に、弁護士や不動産専門家に相談し、リスクを軽減するための対策を講じることを強くお勧めします。 売買契約書に特約を盛り込み、リスクを明確化することで、トラブルを回避できます。
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