• Q&A
  • 認知準正後の相続:不動産の所有権移転登記申請における持分計算と実務

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

認知準正後の相続:不動産の所有権移転登記申請における持分計算と実務

【背景】
私の父は亡くなりました。私は父の死後、裁判で認知(民法789条2項の認知準正)を受けました。父には私と兄がいます。父が所有していた不動産の相続について、所有権移転登記を申請する際に、私の持分をどのように計算すべきか悩んでいます。

【悩み】
認知準正は「認知の時から嫡出子の身分を取得する」と法律にありますが、「婚姻の時から」と解釈する学説もあると聞きました。相続登記申請において、兄と私の持分をどのように計算し、申請すれば受理されるのかが分かりません。具体的に、兄と私の持分をそれぞれ2分の1とするか、それとも別の割合とするべきなのか、実務的な対応を知りたいです。判例や登記先例があれば教えてください。

兄と弟で2分の1ずつです。

認知準正と相続における持分の考え方

認知準正(民法789条2項)とは、認知(父親が子を認知すること)が、子の出生後に行われた場合であっても、遡及的に嫡出子(婚姻中に生まれた子)とみなす制度です。 質問者様は、父の死後に裁判で認知準正を受けられたとのことです。

この場合、重要なのは「認知の時から嫡出子の身分を取得する」という条文の解釈です。 「婚姻の時から」という学説もありますが、戸籍法上の嫡出子の身分取得は認知の時からと解釈するのが一般的で、多くの裁判例や登記実務でもこの解釈が採用されています。 そのため、相続開始時点(父の死亡時)においては、質問者様は既に嫡出子としての身分を得ているとみなされます。

今回のケースへの直接的な回答

質問者様と兄の相続分は、それぞれ2分の1ずつとなります。 父の死後、認知準正を受けたとしても、相続開始時点では既に嫡出子とみなされるため、兄と質問者様は法定相続人として平等に相続します。

関係する法律・制度

* **民法第789条第2項(認知準正):** 認知が、子の出生後に行われた場合であっても、遡及的に嫡出子とみなす規定です。
* **民法第889条(相続):** 相続開始時の相続人の地位に基づいて相続が行われます。
* **不動産登記法:** 不動産の所有権移転登記に関する法律です。

誤解されがちなポイントの整理

「婚姻の時から」という学説が、相続に影響を与えるのではないかと誤解されがちです。しかし、戸籍上の嫡出子としての身分取得は認知の時からであるという解釈が、実務上広く受け入れられています。 そのため、相続開始時点での相続人の地位は、認知の時から嫡出子であるとみなされた状態に基づいて決定されます。

実務的なアドバイスと具体例の紹介

不動産の所有権移転登記申請を行う際には、「A・Bの持分を各2分の1」として申請してください。 登記所は、戸籍謄本や裁判所の認知決定書などを確認し、相続関係を判断します。 これらの書類に、質問者様が認知準正を受けたことが明確に記載されていれば、問題なく登記が受理されるでしょう。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続手続きは複雑で、場合によっては専門家の助言が必要となることがあります。 例えば、父が複数の不動産を所有していたり、遺言があったり、相続人間で争いがある場合などは、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。 彼らは、法的な手続きや書類作成をサポートし、スムーズな相続手続きを支援してくれます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

認知準正を受けた場合でも、相続開始時点での相続人の地位は、認知の時から嫡出子とみなされた状態に基づいて決定されます。 そのため、質問者様と兄の相続分はそれぞれ2分の1となります。 不動産の所有権移転登記申請は、この割合で申請すれば問題ありません。 ただし、複雑な相続の場合は、専門家への相談を検討しましょう。 正確な情報に基づいた手続きを行うことで、トラブルを回避し、円滑な相続を進めることができます。

Editor's Picks

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

pagetop