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認知症の家族と資産管理:家族信託の活用と注意点|介護費用・不動産修繕の疑問を徹底解説
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* 認知症で判断能力のない家族の預金や年金を使って介護費用を支払うことは、法律的に問題ないのでしょうか?
* 認知症の家族の不動産の修繕費用を家族が負担し、その費用を認知症の家族の預金から支払うことは、税金面などで問題ないのでしょうか?
家族信託(家族信託契約)とは、財産を所有する本人(委託者)が、信頼できる家族や専門家(受託者)に財産の管理や処分を委任する契約です。 認知症になって判断能力が低下しても、事前に設定しておいた信託契約に基づき、財産を適切に管理・運用できます。 これは、成年後見制度(成年後見人を選任し、財産管理を委任する制度)と異なり、本人の意思を尊重しつつ、柔軟な運用が可能です。 ただし、信託契約の内容によっては、税金面での影響も考慮する必要があります。
認知症の家族が介護施設に入所する場合、施設費用は本人の年金や預金から支払われるのが一般的です。 判断能力のない状態でも、事前に家族信託を設定していれば、受託者が信託契約に基づき、介護費用を支払うことができます。 これは違法ではありません。 信託契約書に、介護費用支払いのための権限が明記されていることが重要です。 成年後見制度を利用する場合も同様です。
認知症の家族が所有する不動産の修繕が必要になった場合、家族が修繕を依頼し、本人の預金から費用を支払うことは、原則として問題ありません。 ただし、修繕費用が相続税の対象となるような高額なものであったり、修繕によって不動産の価値が著しく向上した場合には、税金の問題が生じる可能性があります。 家族信託を利用すれば、受託者が信託契約に基づき、修繕を依頼し費用を支払うことができます。 この場合も、税金対策として、信託契約書に具体的な条件を盛り込んでおくことが重要です。 例えば、修繕費用を信託財産から支出すること、支出の記録をきちんと残すことなどを明記します。
家族信託は、万能ではありません。 全ての財産問題を解決できるわけではありません。 また、信託契約の作成には専門家の知識が必要です。 安易な作成は、かえって問題を複雑にする可能性があります。 さらに、信託契約書の内容によっては、相続税や贈与税の課税対象となる可能性も考慮する必要があります。
家族信託を有効に活用するには、専門家(弁護士や司法書士)に相談し、個々の状況に合わせた契約書を作成することが重要です。 契約書には、受託者の権限、財産の管理方法、費用負担の方法などを明確に記載する必要があります。 また、定期的に信託財産の状況を確認し、必要に応じて契約内容を見直すことも重要です。
家族信託は複雑な制度です。 ご自身で判断が難しい場合、または、何か不安な点がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。 専門家は、個々の状況に合わせた適切なアドバイスを提供し、安心して財産管理を進めることができるようサポートしてくれます。
認知症の家族の資産管理は、複雑で難しい問題です。 しかし、家族信託を適切に活用することで、多くの問題を回避し、安心して家族の生活を守ることができます。 専門家のアドバイスを受けながら、ご自身の状況に合った家族信託制度を活用することを検討しましょう。 特に、高額な資産や不動産を所有している場合、専門家への相談は必須です。 早めの準備が、将来の不安を軽減することに繋がります。
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