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認知症の母と相続:法定成年後見人不要で遺産分割する方法

父が亡くなり、相続の手続きをしなければならなくなりました。母が認知症で、報酬は払えないので、法定成年後見人を立てないで遺産分割協議をしたいと思っています。(不動産があるので、共有財産にしたくないので法定相続はしません) どういう手段があるのか教えてください。
成年後見人不要で遺産分割するには、家庭裁判所の許可を得る方法があります。

1.相続と認知症:基本的な知識

相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産(不動産、預貯金、その他資産)が相続人に引き継がれることです。相続人は、法律で定められた順位(法定相続人)で決められます。ご質問の場合、お父様の相続人は、お母様と質問者様(お子様)です。

お母様が認知症である場合、ご自身の財産管理や意思決定が困難な状態です。そのため、法律上、成年後見人を選任する必要があります。成年後見人とは、認知症の方などのために、財産管理や身上監護(生活全般の世話)を行う人を指します。成年後見人には、法定成年後見人(家庭裁判所が選任)と任意成年後見人(本人が生前に契約で選任)があります。

2.法定成年後見人を選任しない場合の遺産分割

法定成年後見人を立てずに遺産分割を進めるには、家庭裁判所の許可を得ることが必要です。これは、お母様の意思能力が不十分なため、ご自身で遺産分割の意思表示(合意)をすることができないと判断されるからです。

家庭裁判所は、お母様の状況を丁寧に調べ、遺産分割の内容が、お母様の利益に合致しているかを判断します。具体的には、専門の調査官が、お母様の状況を聞き取り調査したり、医師の意見書などを参考にします。

3.家庭裁判所の許可を得るための手続き

家庭裁判所に、遺産分割協議の許可を申請する必要があります。申請には、相続関係を証明する書類(戸籍謄本など)、遺産の内容を示す書類(不動産登記簿謄本、預金通帳など)、遺産分割協議の内容を示す書類などを提出する必要があります。

また、お母様の状況を説明する書類(医師の診断書など)も必要となります。家庭裁判所は、これらの書類を審査し、お母様の利益に合致するかどうかを判断します。許可が下りれば、遺産分割協議を進めることができます。

4.相続放棄と遺産分割

ご質問では「法定相続はしません」とありますが、これは相続放棄を意味する可能性があります。相続放棄とは、相続の権利を放棄することです。相続放棄をすると、相続財産を受け継ぐ権利はもちろん、相続債務(借金など)も負う必要がなくなります。

しかし、相続放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に行わなければなりません。期限を過ぎると、相続放棄ができなくなります。相続放棄と遺産分割は別の手続きです。遺産分割は、相続財産を相続人同士でどのように分けるかを決定する手続きです。

5.共有財産としたくない場合

不動産を共有財産にしたくないというご希望は、遺産分割協議で対応できます。例えば、不動産を特定の相続人に相続させる、または不動産を売却してその代金を相続人に分けるといった方法が考えられます。家庭裁判所の許可を得る際には、これらの分割方法が、お母様の利益に合致するものであることを説明する必要があります。

6.専門家への相談

相続手続きは複雑で、法律的な知識が必要となります。特に、認知症の方が関わっている場合は、専門家の助言が不可欠です。弁護士や司法書士に相談することで、手続きの進め方や必要な書類、注意点などを丁寧に説明してもらえます。

7.まとめ:成年後見人不要の遺産分割

認知症の母と相続手続きを行う場合、法定成年後見人を立てずに遺産分割を進めるには、家庭裁判所の許可を得る必要があります。手続きは複雑なため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することが重要です。お母様の状況やご希望を踏まえ、適切な手続きを進めることで、円滑な遺産分割を実現しましょう。 家庭裁判所の許可を得るためには、お母様の利益を最優先した分割方法を提案し、それを証明する必要があります。 専門家のサポートを受けることで、スムーズな手続きを進めることができるでしょう。

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