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認知症の母名義の土地建物を売却したい!独身息子ができることとは?

質問の概要

【背景】

  • 35歳独身男性です。
  • 母親は最近、認知症気味です。
  • 父親は既に他界しています。
  • 姉が2人います。
  • 母親名義の土地と家屋があります。
  • 自宅以外に資産や預金はありません。

【悩み】

  • 認知症気味の母親名義の土地と家屋を売却し、別の場所に移りたいと考えています。
  • 自分(息子)の権限で、この売却を進めることができるのか知りたいです。

成年後見制度の利用が検討事項です。手続きを進めるには、弁護士や司法書士への相談を推奨します。

成年後見制度の基礎知識:認知症と財産管理

認知症は、記憶力や判断力などが低下する病気です。高齢化が進むにつれて、認知症の患者数は増加傾向にあります。認知症になると、ご自身の財産を適切に管理することが難しくなる場合があります。

財産管理ができなくなると、詐欺被害に遭ったり、必要な医療費や介護費用が支払えなくなったりするリスクがあります。そこで、認知症の方を保護し、財産を守るための制度として、成年後見制度(せいねんこうけんせいど)があります。

成年後見制度は、判断能力が低下した人のために、その人を支援する人(後見人(こうけんにん))を選任する制度です。後見人は、本人の財産管理や身上監護(しんじょうかんご)(生活や療養に関する支援)を行います。

今回のケースへの直接的な回答:売却の可否

ご相談のケースでは、母親が認知症気味であるため、ご自身だけで母親名義の土地や建物を売却することは、原則としてできません。なぜなら、不動産の売買には、契約能力が必要となるからです。

契約能力とは、契約の内容を理解し、自分の意思で契約を結ぶ能力のことです。認知症により判断能力が低下している場合、この契約能力が十分でないと判断される可能性があります。

そのため、母親の土地建物を売却するためには、成年後見制度を利用し、後見人を選任する必要があります。後見人は、本人のために財産を管理し、売却などの手続きを行うことができます。

関係する法律や制度:成年後見制度の詳細

成年後見制度は、大きく分けて法定後見(ほうていこうけん)と任意後見(にんいこうけん)の2種類があります。

  • 法定後見:本人の判断能力の程度に応じて、後見、保佐(ほさ)、補助(ほじょ)の3つの類型があります。
    • 後見:判断能力が全くない状態の方が対象です。後見人は、本人の財産に関するすべての行為について代理権を持ちます。
    • 保佐:判断能力が著しく不十分な方が対象です。保佐人は、重要な財産行為について同意権や代理権を持ちます。
    • 補助:判断能力が不十分な方が対象です。補助人は、特定の財産行為について同意権や代理権を持ちます。
  • 任意後見:本人が元気なうちに、将来判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ後見人となる人との間で契約を結んでおく制度です。

今回のケースでは、母親の判断能力がどの程度低下しているかによって、法定後見のどの類型を適用するかが決まります。専門家(弁護士や司法書士)に相談し、適切な手続きを進めることが重要です。

誤解されがちなポイントの整理:家族だけでできること

多くの人が誤解しがちな点として、「家族であれば、本人の財産を自由に管理できる」というものがあります。しかし、原則として、家族であっても、本人の財産を勝手に処分することはできません。

たとえ親子であっても、本人の財産を売却したり、預貯金を引き出したりするには、正当な理由と、適切な手続きが必要です。成年後見制度を利用せずに、家族だけでこれらの行為を行った場合、後に問題になる可能性があります。

また、親族が後見人になれる場合もありますが、必ずしもそうとは限りません。裁判所は、本人の状況や親族の意向などを考慮して、最適な後見人を選任します。

実務的なアドバイスや具体例:手続きの流れ

成年後見制度を利用する際の手続きの流れは、以下のようになります。

  1. 専門家への相談:まずは、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、状況を説明します。専門家は、適切な手続きについてアドバイスをしてくれます。
  2. 後見開始の申立て:家庭裁判所に対して、後見開始の申立てを行います。申立書には、本人の情報や、後見人候補者の情報などを記載します。
  3. 本人調査・審理:家庭裁判所は、本人との面談や、医師の診断書などを参考に、本人の判断能力を調査します。
  4. 後見人の選任:家庭裁判所は、本人の状況や、後見人候補者の適性などを考慮して、後見人を選任します。
  5. 後見開始の審判:家庭裁判所は、後見開始の審判を行い、後見人が正式に決定します。
  6. 財産管理・身上監護:後見人は、本人の財産を管理し、身上監護を行います。土地建物の売却も、この過程で行われます。

手続きには、書類の準備や、裁判所とのやり取りなど、時間と手間がかかります。専門家のサポートを受けながら、慎重に進めることが大切です。

専門家に相談すべき場合とその理由:早期の対応

今回のケースでは、以下のような場合に、専門家(弁護士や司法書士)に相談することをお勧めします。

  • 母親の認知症の症状が進んでいる場合:症状が進行すると、手続きが複雑になる可能性があります。早期に専門家に相談し、適切な対応をとることが重要です。
  • 土地建物の売却を急いでいる場合:売却を急ぐ場合も、専門家のサポートが必要不可欠です。スムーズな手続きを進めるために、専門家の知識と経験が役立ちます。
  • 成年後見制度について詳しく知りたい場合:成年後見制度は複雑な制度です。制度について詳しく知りたい場合も、専門家から説明を受けることが望ましいです。

専門家は、個々の状況に合わせて、最適なアドバイスをしてくれます。また、手続きの代行や、書類の作成なども行ってくれるため、安心して任せることができます。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回の質問の重要ポイントをまとめます。

  • 認知症の母親名義の土地建物を売却するには、原則として成年後見制度の利用が必要です。
  • 成年後見制度には、法定後見と任意後見があります。
  • 家族だけで本人の財産を勝手に処分することはできません。
  • 手続きには、専門家(弁護士や司法書士)のサポートが不可欠です。
  • 早期に専門家に相談し、適切な対応をとることが重要です。

認知症の方の財産管理は、非常にデリケートな問題です。専門家の力を借りながら、慎重に進めていくことが、本人にとっても、家族にとっても、最善の選択となるでしょう。

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