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認知症の母名義の自宅売却:承諾不要?手続きは?息子が知っておくべき法律と現実
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認知症の母親の承諾がなくても、母親名義の自宅を売却することはできるのか、また、売却に必要な手続きは何が必要なのか知りたいです。
まず、認知症とは、脳の機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態です(医学用語では認知症)。認知症の方の判断能力は、症状の程度によって大きく異なります。判断能力が不十分な状態では、ご自身で契約を結ぶことが難しくなります。不動産売買契約は重要な契約なので、判断能力が不十分な状態での契約は無効になる可能性があります。
そのため、認知症の母親名義の不動産を売却するには、法律に基づいた手続きが必要です。その代表的な制度が「成年後見制度」です。成年後見制度とは、判断能力が不十分な成年者(18歳以上)のために、後見人を選任し、財産管理や身上監護(生活の世話)を支援する制度です。
結論から言うと、母親の承諾がなくても、単独で売却することはできません。母親の代わりに、裁判所によって選任された成年後見人が売買契約を締結する必要があります。
成年後見制度は、成年後見制度に関する法律に基づいて運用されます。この法律に基づき、家庭裁判所に成年後見開始の審判を申し立て、後見人が選任されます。後見人には、財産管理や身上監護を行う権限が与えられます。
親族が「母親のためを思って」と、勝手に売却することは法律違反となる可能性があります。たとえ、息子さんが母親の意思を汲み取っていると感じていても、法律上は認められません。必ず成年後見制度を利用した手続きが必要です。
成年後見開始の手続きは、弁護士などの専門家の協力を得ることが推奨されます。手続きには、医師の診断書や、母親の財産状況などの書類が必要になります。家庭裁判所への申し立てから、後見人の選任、そして不動産売却に至るまで、数ヶ月から1年以上かかる場合もあります。
例えば、息子さんが後見人に選任されれば、母親の財産を管理し、売却することが可能になります。売却益は、母親の生活費などに充当されます。
成年後見制度の手続きは複雑で、専門知識が必要です。弁護士や司法書士などの専門家に相談することで、スムーズな手続きを進めることができます。特に、財産管理や相続に関連する問題が発生する可能性があるため、専門家のアドバイスは不可欠です。
認知症の母親名義の自宅を売却するには、成年後見制度を利用した手続きが必須です。親族だけで勝手に売却することはできません。専門家の力を借りながら、適切な手続きを進めることが重要です。早めの相談が、円滑な手続きと、母親の生活の安定につながります。
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