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認知症の父名義の土地売却と相続放棄:覚書契約と相続登記の疑問を徹底解説

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覚書契約に「亡くなった際には、相続登記を経たうえで売却することをお約束します。」と記載されており、相続登記をすることで相続に当たるのではないかと不安です。妹は私の所有分の金額をもらって、父の分は放棄すれば問題ないと主張していますが、相続について全く分からないため、詳しい説明をお願いしたいです。
まず、相続と売買契約について基礎知識を整理しましょう。
**相続**とは、人が亡くなった際に、その人の財産(土地、預金、車など)が相続人に引き継がれることです。相続人は、法律で定められた親族(配偶者、子、父母など)です。相続人は、相続財産を受け継ぐ権利(相続権)と、相続財産を放棄する権利(相続放棄)を持っています。
**売買契約**とは、売主が所有する財産を買い主に売ることを約束する契約です。売買契約には、売買の対象、価格、代金の支払時期などが記載されます。今回のケースでは、土地の売買契約が予定されています。
**覚書**は、正式な契約書ではない、合意事項を記載した文書です。法的拘束力は弱いため、トラブルに発展する可能性があります。しかし、将来の契約締結に向けた意思表示として、重要な役割を果たすこともあります。
質問者様の不安は、覚書契約に記載された「相続登記を経たうえで売却」という文言が、相続手続きを意味し、相続放棄に影響するのではないかという点です。しかし、これは誤解です。
覚書は、あくまで将来的な売買契約に向けた合意表明です。父が亡くなった後、相続登記を行い、相続人が確定した上で、売買契約を締結するという流れを示しているに過ぎません。相続登記は、所有権の移転を公的に記録する手続きであり、必ずしも相続行為そのものを意味するものではありません。
相続放棄を希望する質問者様は、父が亡くなった後に相続放棄の手続きを行い、相続財産(土地を含む)の相続を放棄することができます。相続放棄後、妹が相続人となり、土地の売買契約を締結できます。
このケースに関係する法律は、民法(相続に関する規定)です。民法では、相続放棄の手続き、相続財産の分割方法などが規定されています。相続放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。
よくある誤解として、「相続登記」という言葉を「相続手続きそのもの」と捉えてしまう点が挙げられます。相続登記は、相続によって所有権が移転したことを登記簿に記録する手続きです。相続手続きは、相続放棄や遺産分割協議など、相続登記以前に行われる一連の行為を指します。
父が亡くなった後、まず相続放棄の手続きを行いましょう。その後、妹が相続人となり、土地の売買契約を締結します。この際、不動産会社に相談し、売買契約書の作成・締結を依頼することをお勧めします。売買契約書には、売買価格、代金の支払方法、引渡し時期などが明確に記載される必要があります。
相続や不動産売買は複雑な手続きを伴います。借金の問題や認知症の父の状況など、今回のケースは特に複雑です。少しでも不安があれば、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、法律的な知識に基づいて適切なアドバイスを行い、トラブルを回避するお手伝いをしてくれます。
* 覚書契約は、将来の売買契約に向けた合意表明であり、相続手続きとは直接関係ありません。
* 相続放棄は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。
* 相続登記は、所有権の移転を記録する手続きであり、相続手続きそのものではありません。
* 不安な場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
この解説が、質問者様だけでなく、相続や不動産売買について悩んでいる多くの方々の参考になれば幸いです。
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