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認知症の父名義変更!兄弟間で揉める土地相続と無効請求の手続き

【背景】
父が亡くなり、遺産相続の話し合いを始めました。3人兄弟ですが、父が生前に土地の名義を次男にだけ変更していたことが発覚しました。その際、父は認知症で老人ホームに入所していました。

【悩み】
父が認知症の状態だったため、名義変更は無効にできるのでしょうか?もし無効にできるなら、どのような手続きが必要なのか知りたいです。兄弟間で揉めており、早く解決したいです。

認知症状態での名義変更は取消可能。裁判所への訴訟が必要。

相続と名義変更の基礎知識

まず、相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産(土地、預金、建物など)が相続人(配偶者、子、親など)に引き継がれることです。相続の対象となる財産を「遺産」と言います。民法では、相続人の順位や相続分が定められています。

一方、名義変更は、不動産の所有者(名義人)を変更することです。所有権移転登記(※所有権を公的に証明するための登記手続き)を行うことで、法的に所有者が変わります。今回のケースでは、父親から次男への土地の名義変更が問題となっています。

今回のケースへの直接的な回答:名義変更の無効請求

父親が認知症の状態(※判断能力が不十分な状態)で名義変更を行った場合、その契約は無効または取消可能である可能性が高いです。 これは、父親に意思能力がなかった(※自分の行為の意義を理解し、意思決定をする能力)ため、有効な契約を締結する能力がなかったと主張できるからです。

しかし、単に「認知症だった」というだけでは、無効とはなりません。父親が名義変更を理解していたか、意思表示(※自分の意思を相手に伝えること)に強制や詐欺などの不正がないかなどを、証拠によって立証する必要があります。

関係する法律:民法

このケースでは、民法の「意思能力」(※法律行為を行う能力)に関する規定が重要になります。具体的には、民法第90条、第91条などが関係します。意思能力がない状態での契約は、原則として無効です。また、意思能力が不十分な状態での契約は、取り消すことができます(取消権)。

誤解されがちなポイント:単なる認知症だけでは無効にならない

認知症と診断されていても、軽度であれば意思能力を有している場合もあります。 重要なのは、名義変更の時点での父親の意思能力の有無です。医師の診断書、証人証言、名義変更の経緯などが、裁判で重要な証拠となります。

実務的なアドバイスと具体例:証拠集めが重要

名義変更が無効であると主張するには、父親の認知症の程度、名義変更時の状況、次男の行為に不正があったかなどを証明する必要があります。 具体的な証拠としては、以下のものが挙げられます。

  • 医師の診断書(名義変更時点の認知症の程度を示すもの)
  • 老人ホームの記録(父親の精神状態に関する記録)
  • 証人証言(名義変更の際に父親が理解していたかどうかの証言)
  • 名義変更に関する書類(契約書、登記簿謄本など)

これらの証拠を集めて、弁護士に相談し、裁判を起こす必要があります。

専門家に相談すべき場合とその理由:複雑な法的問題

遺産相続や名義変更に関する問題は、法律の専門知識が必要となる複雑なケースが多いです。 ご自身で解決しようとせず、弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。弁護士は、証拠の収集、訴訟手続き、交渉など、適切なアドバイスとサポートをしてくれます。

まとめ:意思能力の有無が鍵

認知症の父による土地の名義変更の無効を主張するには、父親の意思能力の有無を明確に示す証拠が必要です。 弁護士に相談し、適切な手続きを進めることが重要です。 早めの行動が、ご自身の権利を守る上で大切です。

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