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認知症の祖母名義の土地売買と空き家活用:孫が家を建てるための最善策とは?
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おすすめ3社をチェック認知症でホームに入居中の祖母が所有する築40年の空き家を、孫が建て替えて住む方法について相談です。祖母には成年後見人が付いておらず、土地は祖母名義で、子供3人全員の賛成が得られるとのことです。いくつかの選択肢(成年後見人、親族後見人、市民後見人、リフォーム、そのまま居住)について、費用や手続き、相続税への影響などを具体的に知りたいようです。
【背景】
* 祖母は認知症でホームに入居中。
* 祖母宅は築40年の空き家。
* 土地は祖母名義。
* 祖母には子供3人がおり、全員の賛成を得られる。
* 成年後見人は未設置。
【悩み】
* 孫が祖母宅の土地に家を建て替えるための最適な方法がわからない。
* 各選択肢における費用、手続き、相続税への影響が不明。
* 成年後見人、親族後見人、市民後見人の違いと、土地売買への影響がわからない。
* 現状の空き家をリフォームして住む場合の費用と相続税への影響が不明。
まず、認知症の祖母が土地を売買するには、法的な手続きが必要です。 祖母が判断能力を欠いているため、単独で契約することはできません。そこで必要となるのが「成年後見制度」です。成年後見制度とは、判断能力が不十分な人のために、後見人が財産管理や身上保護を行う制度です。(民法第1章第2節)
後見人には、①任意後見、②法定後見の2種類があります。任意後見は、本人が判断能力のあるうちに、将来に備えて後見人を選任しておく制度です。今回のケースでは、既に認知症であるため、法定後見の手続きが必要となります。法定後見には、さらに①成年後見、②保佐、③補助の3種類があり、判断能力の程度に応じて選任されます。祖母の状況から判断して、成年後見が最も適切と考えられます。
成年後見人が選任されると、後見人が祖母の代理として土地の売買契約を締結できます。費用については、後見人の報酬や手続き費用など、ケースによって大きく異なります。2万円~6万円という金額は、あくまで目安であり、実際にはもっと高額になる可能性もあります。費用は、祖母の財産から支払われますので、土地の売却益から賄うことが可能です。
親族が後見人になることは可能です。しかし、親族だからといって必ず後見人になれるわけではありません。家庭裁判所が、祖母の利益を最優先して、最も適切な人物を選任します。親族が後見人に選ばれるための基準は、①祖母の意思、②親族との関係性、③財産管理能力、④時間的余裕など、多岐に渡ります。 裁判所は、これらの要素を総合的に判断し、最も適任だと判断した人物を選任します。
市民後見制度は、身寄りがない、または親族がいない方だけでなく、親族がいても、その親族が後見人になれない場合などに利用できる制度です。地域住民ボランティアが、家庭裁判所の許可を得て、後見人として活動します。市民後見人も、成年後見人として土地の売買手続きを行うことができます。しかし、市民後見人はボランティアであるため、業務の負担や専門性の面で、弁護士などの専門家と比較すると、限界がある可能性があります。
現状の空き家をリフォームして住むことは、もちろん可能です。しかし、築40年の建物ですので、リフォーム費用が高額になる可能性があります。また、リフォームによって相続税評価額が上がる可能性も考慮しなければなりません。相続税の評価額は、建物が新しくなった分だけ高くなりますが、その増額分はリフォーム費用と必ずしも一致しません。専門家の評価が必要となります。
現状の空き家をそのまま居住し、後にリフォームする案は、祖母の健康状態や建物の老朽化などを考慮すると、現実的とは言えません。
総合的に判断すると、成年後見人を立てて土地を売却し、その資金で孫が新築を建てるのが、最も現実的で効率的な方法です。
成年後見制度、土地売買、相続税など、専門的な知識が必要な事項が多いため、弁護士や司法書士、税理士などの専門家に相談することを強くお勧めします。特に、成年後見人の選任や土地売買契約、相続税の計算などは、専門家のアドバイスが不可欠です。
認知症の祖母が所有する土地を活用し、孫が家を建てるには、成年後見人を選任して土地を売却し、新築するのが最も現実的な方法です。親族後見人、市民後見人、リフォームなどの選択肢もありますが、それぞれのメリット・デメリットを専門家に相談し、最適な方法を選択することが重要です。早めの専門家への相談が、スムーズな手続きと費用を抑えることに繋がります。
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