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認知症の親の不動産売却と相続:取り消し・代金返還の可能性を徹底解説

【背景】
私の父(A)は多くの不動産を所有していましたが、平成10年頃から認知症を発症し、息子である私(B)が不動産管理をするようになりました。その際、甲不動産を私の名義に変更し、平成11年5月にCに売却しました。父は平成20年8月に亡くなり、相続人は私と弟(D)です。弟が遺産分割のため相続財産を調べたところ、この売買を知りました。

【悩み】
弟(D)は甲不動産を取り戻したいと考えていますが、Cは維持したいと言っています。弟は甲不動産を取り戻せるのでしょうか?また、甲不動産の価値は売却後から下がり続けており、Cは購入を後悔し、売買契約を解消したいと考えています。Cは私から代金を取り戻せるのでしょうか?

Dは甲不動産を取り戻せる可能性があり、Cは代金返還請求できる可能性があります。

テーマの基礎知識:成年後見制度と取消事由

この問題は、成年後見制度(成年後見制度とは、認知症などで判断能力が不十分になった人のために、財産管理や身上監護を支援する制度です。)と民法上の取消事由(取消事由とは、法律上の行為(契約など)を取り消すことができる理由のことです。)に関する知識が重要です。

認知症のAは、平成10年頃から判断能力が不十分な状態(判断能力が不十分とは、自分の行為の内容を理解し、その行為の是非を判断する能力が欠けている状態です。)にあったと推測されます。BがAに代わって不動産管理をしていたとはいえ、甲不動産の売買は、Aの判断能力が不十分な状態で行われた可能性が高いです。

今回のケースへの直接的な回答:取消と代金返還の可能性

(1)Dは、Bによる甲不動産の売買契約について、民法90条の取消事由(民法90条は、意思表示(契約など)に欠陥があった場合に、その行為を取り消すことができる規定です。)を主張し、契約の取消を裁判所に請求できます。Aの判断能力が不十分だったことが証明できれば、契約は取り消され、Dは甲不動産を取り戻せる可能性があります。ただし、Cが善意(善意とは、相手方の欠陥を知らなかったことを意味します。)で甲不動産を取得していた場合、DはCに対して、甲不動産の返還を求めることはできますが、CはBに対して代金の返還を求めることはできません。

(2)Cは、Bとの売買契約の取消を請求できます。Aの判断能力が不十分だったことを理由に、契約の無効(無効とは、最初から法律上効果がない状態です。)または取消を主張できます。契約が無効または取消となれば、CはBに対して代金の返還を請求できます。ただし、CがBの行為に悪意(悪意とは、相手方の欠陥を知っていた、または知っていたはずであることを意味します。)があった場合は、代金返還請求が認められない可能性があります。

関係する法律や制度:民法、成年後見制度

このケースでは、民法(民法は、私法の基本法です。)の取消事由、特に意思無能力者の行為に関する規定が適用されます。また、成年後見制度も関連します。Aが成年後見人を選任していれば、その成年後見人の同意を得ずに売買が行われた場合、取消事由となります。

誤解されがちなポイント:善意・悪意の判断

Cが善意か悪意かは、重要なポイントです。CがBから甲不動産を購入する際に、Aの認知症や判断能力の不十分さを知っていたか、知っていた可能性があったかが判断基準となります。単に登記簿を確認しただけでは、善意と判断される可能性が高いですが、Bから何らかの情報を得ていた場合は、悪意と判断される可能性があります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介:証拠集めが重要

DとCは、それぞれ弁護士に相談し、Aの認知症の状態、Bの行為の状況などを証明する証拠(例えば、医師の診断書、取引に関する書類などです。)を集める必要があります。裁判では、証拠に基づいて判断が行われます。

専門家に相談すべき場合とその理由:複雑な法律問題

このケースは、民法の専門知識が必要な複雑な法律問題です。DとCは、それぞれ弁護士に相談し、法的アドバイスを受けることが重要です。弁護士は、証拠の収集、法的戦略の立案、裁判における代理人としての役割を担います。

まとめ:判断能力の有無が鍵

このケースのポイントは、Aの売買契約時点における判断能力の有無です。その有無によって、契約の取消、代金返還請求の可否が決まります。専門家の適切なアドバイスを得ながら、証拠をしっかり集めることが重要です。

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