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認知症の長男が相続登記をすることは可能?相続手続きの注意点と対策
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おすすめ3社をチェック相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産(不動産、預金、車など)が相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に引き継がれることです。相続人は、民法で定められた順位に従って決定されます。通常は配偶者と子供です。
相続登記とは、不動産の所有権を相続人に移転することを登記所に届け出て、公的に所有権の変更を記録することです。相続登記は、所有権を明確にするため、また、将来トラブルを防ぐために非常に重要です。 相続登記をしないと、所有権が曖昧な状態になり、売買や抵当権の設定などが難しくなる可能性があります。
認知症とは、脳の病気によって記憶力や判断力が低下した状態です。(認知症の種類は様々で、アルツハイマー型認知症などが有名です) 認知症の程度によっては、自分の意思で判断し、行動することが困難になります。
そのため、認知症の長男が単独で相続登記を行うことは、事実上不可能です。登記には、本人による意思表示(「この不動産を相続します」という意思表示)が必要ですが、認知症の方にはその能力が欠如している可能性が高いからです。
認知症の方の財産管理や法律行為を支援する制度として、成年後見制度があります。これは、家庭裁判所に申し立てを行い、成年後見人(本人の意思を尊重し、財産管理や法律行為を代理で行う人)を選任してもらう制度です。
成年後見人には、次の3種類があります。
認知症の長男の状況に応じて、適切な成年後見人を家庭裁判所に選任してもらう必要があります。
相続放棄とは、相続を一切受けないことを意思表示することです。相続放棄をすると、相続財産を受け継がない代わりに、相続債務(亡くなった人の借金など)も負うことはありません。
一方、相続承継とは、相続財産を受け継ぐことです。今回のケースでは、長男が相続放棄をするのではなく、成年後見人を通して相続承継を行うことになります。
1. **家庭裁判所への申し立て**: 長男の認知症の状態を医師の診断書などで証明し、家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てます。
2. **成年後見人の選任**: 家庭裁判所が成年後見人を選任します。
3. **相続財産の調査**: 亡父の財産を全て調査します。
4. **相続放棄の有無の確認**: 他の相続人が相続放棄をする意思がないかを確認します。
5. **相続登記**: 成年後見人が長男を代理して相続登記の手続きを行います。
6. **遺産分割**: 長男以外の相続人への金銭の支払いを含め、遺産分割協議を行います。
相続手続きは複雑で、法律の知識が必要です。特に、認知症の方が関わっている場合は、専門家のアドバイスが不可欠です。
弁護士や司法書士、税理士などの専門家に相談することで、適切な手続きを進めることができ、トラブルを回避できます。
認知症の方が相続に関わっている場合、成年後見制度を利用して手続きを進めることが重要です。専門家の力を借りながら、冷静に、そして法的に正しい手続きを進めることで、相続トラブルを未然に防ぎ、円満な相続を実現できます。 早めの相談が、スムーズな相続手続きにつながります。
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