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賃貸マンション一棟相続後の共有部分維持費負担割合:土地と建物の持ち分、どちらが基準?

【背景】
* 四年前に母が亡くなり、賃貸マンション一棟(21部屋)を相続しました。
* 遺産分割協議の結果、土地は私と姉で半分ずつ、建物は私の持ち分が1/4、姉の持ち分が3/4となりました。
* 姉の弁護士から、共有部分の維持管理費を折半で負担するよう求める内容証明が届きました。

【悩み】
共有部分の維持管理費の負担割合は、土地の持ち分割合に比例するのか、建物の持ち分割合に比例するのかがわかりません。姉の主張が正しいのか、どうすれば良いのか困っています。

共有部分の維持費負担割合は、建物の持ち分比率に比例します。

回答と解説

テーマの基礎知識(共有不動産と維持管理費)

不動産(この場合は賃貸マンション一棟)を複数の人が所有する状態を「共有」といいます。共有不動産の場合、建物の維持管理(修繕、清掃、管理人費用など)は、共有者全員で負担する必要があります。 この負担割合が今回の問題の焦点です。 共有には「持分共有」と「共同共有」がありますが、遺産分割協議で持ち分が決められていることから、質問者さんのケースは「持分共有」(各共有者が、不動産の特定の割合を所有する状態)です。

今回のケースへの直接的な回答

共有部分の維持管理費の負担割合は、原則として建物の持分比率に比例します。質問者さんのケースでは、土地の持ち分はそれぞれ1/2ずつですが、建物の持ち分は質問者さんが1/4、姉が3/4です。そのため、維持管理費もこの割合で負担するのが一般的です。姉側の弁護士からの内容証明は、この点で誤りがあります。

関係する法律や制度

民法(特に第257条以下)が共有に関する規定を定めています。共有物の管理は、共有者全員の合意に基づいて行われます。合意が得られない場合は、裁判所に管理の方法を決定してもらうことができます。 今回のケースでは、維持管理費の負担割合について合意が得られていないため、問題となっています。

誤解されがちなポイントの整理

土地と建物の持ち分比率が異なる場合、どちらの比率で維持管理費を負担するべきか、誤解されやすい点です。土地は建物の基礎となる部分ですが、共有部分の維持管理は、建物の維持管理に直接関係する費用が中心となります。 例えば、外壁の修繕や共用部分の清掃などは、建物の構造や状態に直接影響するため、建物の持ち分比率が基準となります。土地の持ち分比率は、建物の価値や土地の価値を評価する際に用いられることが多く、維持管理費の負担割合とは直接関係しません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

姉側弁護士からの内容証明に対して、民法に基づき、建物の持ち分比率(1/4:3/4)で維持管理費を負担すべきであることを主張する必要があります。 弁護士に相談し、内容証明への回答を作成することをお勧めします。 具体的には、遺産分割協議書のコピーを添付し、建物の持ち分比率に基づいた維持管理費の負担を主張する内容で回答を作成しましょう。 話し合いで解決できない場合は、調停や訴訟も視野に入れる必要があります。

専門家に相談すべき場合とその理由

今回のケースのように、法律的な知識が必要な場合や、話し合いが難航する場合は、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、必要に応じて法的措置をサポートしてくれます。 特に、内容証明が届いている状況では、専門家の助言を得ながら対応することが重要です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

共有不動産の維持管理費負担割合は、原則として建物の持分比率に比例します。土地の持ち分比率は関係ありません。姉側の主張は法的根拠が弱く、建物の持ち分比率に基づいて反論する必要があります。 専門家への相談を検討し、適切な対応を取ることをお勧めします。 遺産分割協議書は重要な証拠となるため、大切に保管しておきましょう。

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