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賃貸不動産の相続で代償分割を検討。時価算定の方法とは?

【背景】

  • 賃貸用不動産を相続することになりました。
  • 相続財産の大半がその賃貸不動産です。
  • 売却して現金化したいと考えています。
  • 他の相続人は、賃貸物件として共同所有したいと考えています。
  • 代償分割(不動産を相続する代わりに、他の相続人に金銭を支払う方法)を提案したいと考えています。

【悩み】

  • 代償分割をするにあたり、賃貸不動産の時価をどのように算定すれば良いのか知りたいです。
  • 賃貸不動産を「店子(たなこ)つき」で一棟売りした場合の価格を参考にすれば良いのでしょうか?
時価算定は、不動産鑑定士への依頼が確実です。賃貸状況などを考慮し、売却時の価格を算出できます。

不動産の相続と代償分割:基礎知識

相続が発生した場合、故人の財産(遺産)をどのように分けるかは、非常に重要な問題です。遺産分割の方法には、大きく分けて以下の3つがあります。

  • 現物分割: 遺産をそのままの形で分ける方法です。例えば、不動産を相続人がそれぞれ共有したり、土地を分割して相続人がそれぞれ単独で所有したりする場合がこれに該当します。
  • 代償分割: 特定の相続人が遺産を単独で相続する代わりに、他の相続人に対して自身の財産から金銭(代償金)を支払う方法です。今回のケースのように、不動産を特定の相続人が取得し、他の相続人に代償金を支払う場合が該当します。
  • 換価分割: 遺産を売却して現金化し、その現金を相続人で分ける方法です。

今回のケースでは、賃貸不動産が遺産の大部分を占めており、相続人同士の意見が対立しているため、代償分割が検討されています。代償分割を選択する場合、最も重要なことの一つが、相続する不動産の「時価」を正確に評価することです。この時価に基づいて、代償金の額が決定されるからです。

賃貸不動産の時価算定:今回のケースへの直接的な回答

賃貸不動産の時価を算定する方法はいくつかありますが、最も確実かつ客観的な方法は、不動産鑑定士に依頼することです。

不動産鑑定士は、不動産に関する専門的な知識と経験を持つ国家資格者です。彼らは、不動産の立地条件、築年数、建物の状態、賃貸状況(家賃、入居率、契約内容など)などを総合的に考慮して、客観的な時価を評価します。特に賃貸不動産の場合、賃貸収入に基づいた収益還元法など、特殊な評価方法を用いることもあります。

今回のケースのように、賃貸不動産を「店子(借家人)つき」で売却した場合の価格を参考にしたいという希望がある場合も、不動産鑑定士に相談することで、その点を考慮した評価を受けることができます。不動産鑑定士は、市場の動向や類似物件の取引事例などを調査し、適切な価格を算出します。

関係する法律や制度:不動産評価と相続税

相続に関連する法律や制度は多岐にわたりますが、今回のケースで特に関係があるのは、相続税法と不動産鑑定評価基準です。

  • 相続税法: 相続税は、相続によって取得した財産に対して課税される税金です。相続税を計算する際には、相続財産の評価が必要になります。不動産の評価方法としては、路線価(国税庁が定める土地の評価額)や固定資産税評価額が用いられることが一般的ですが、これらの評価額は必ずしも時価を反映しているとは限りません。代償分割における時価算定では、これらの評価額ではなく、実際の取引価格に近い時価を求めることが重要です。
  • 不動産鑑定評価基準: 不動産鑑定士が不動産の鑑定評価を行う際に従う基準です。この基準に基づいて、不動産の特性や市場の状況などを考慮し、適切な評価方法が選択されます。

相続税の申告が必要な場合は、税理士とも連携して、適切な評価方法を選択し、申告を行う必要があります。

誤解されがちなポイント:時価と路線価の違い

不動産の評価に関して、よく誤解される点があります。それは、時価路線価の違いです。

  • 時価: 実際に不動産を売買する場合に成立する可能性のある価格です。不動産鑑定士が、市場の動向や類似物件の取引事例などを参考に、客観的に評価します。
  • 路線価: 国税庁が定める、相続税や贈与税を計算するための土地の評価額です。毎年1月1日時点の価格が、7月頃に公表されます。路線価は、公示価格(国土交通省が公表する土地の価格)の8割程度を目安に設定されています。

代償分割における時価算定では、路線価ではなく、実際の売買価格に近い時価を求めることが重要です。路線価は、あくまで相続税の計算に使用するものであり、代償金の額を決定するためのものではありません。

実務的なアドバイス:不動産鑑定士への依頼と注意点

代償分割を行うにあたり、不動産鑑定士に時価算定を依頼する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 複数の不動産鑑定士に見積もりを依頼する: 不動産鑑定士によって、評価額や費用が異なる場合があります。複数の鑑定士に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。
  • 鑑定の目的を明確に伝える: 代償分割のために時価算定を行うことを、不動産鑑定士に明確に伝えましょう。また、売却を前提とした評価なのか、賃貸経営を継続する場合の評価なのかなど、具体的な目的を伝えることで、より適切な評価を受けることができます。
  • 鑑定期間を確認する: 不動産の鑑定には、ある程度の期間が必要です。依頼から鑑定書の発行まで、どのくらいの期間がかかるのか、事前に確認しておきましょう。
  • 鑑定費用を事前に確認する: 不動産鑑定の費用は、不動産の規模や評価の内容によって異なります。事前に費用を確認し、予算内で収まるかどうかを確認しましょう。

不動産鑑定士への依頼は、手間と費用がかかりますが、客観的な時価を把握し、相続人全員が納得できる形で代償分割を進めるためには、非常に有効な手段です。

専門家に相談すべき場合とその理由

今回のケースでは、以下の場合は専門家への相談を強く推奨します。

  • 相続人同士の意見が対立している場合: 相続に関する問題は、感情的な対立を生みやすいものです。弁護士や司法書士などの専門家に相談することで、客観的な立場から問題解決をサポートしてもらうことができます。
  • 相続税の申告が必要な場合: 相続税の申告は、専門的な知識が必要です。税理士に相談し、適切な申告を行うようにしましょう。
  • 不動産の評価方法について判断に迷う場合: 不動産の評価方法には、様々な種類があります。どの方法を選択すれば良いか判断に迷う場合は、不動産鑑定士や税理士に相談しましょう。

専門家は、法律や税務に関する専門知識だけでなく、相続に関する豊富な経験を持っています。彼らのサポートを受けることで、円滑な相続手続きを進めることができます。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回の質問の重要ポイントをまとめます。

  • 賃貸不動産の相続において、代償分割を行う場合は、不動産の時価を正確に評価することが重要です。
  • 不動産の時価算定は、不動産鑑定士に依頼するのが最も確実な方法です。
  • 時価と路線価の違いを理解し、代償分割においては、実際の売買価格に近い時価を求めることが重要です。
  • 相続人同士の意見が対立している場合や、相続税の申告が必要な場合は、専門家(弁護士、司法書士、税理士など)に相談しましょう。

代償分割は、相続人全員が納得できる形で遺産を分割するための有効な手段です。専門家のサポートを受けながら、慎重に進めていくようにしましょう。

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