賃貸中の築22年の戸建て、住宅ローン残債ありでも売却は可能?エイブル媒介の場合
質問の概要:
【背景】
- 築22年の戸建てを賃貸に出している。
- 住宅ローンの残高がある。
- 毎月のローンの支払いは9万円、家賃収入は11万円。
- 仲介をエイブルに依頼している。
【悩み】
- 賃借人が住んでいる状態で、物件の売却は可能か知りたい。
- ローンの残債がある状態で、売却は可能か知りたい。
賃貸中の物件でも売却は可能です。ローンの残債がある場合は、売却代金でローンを完済する必要があります。
賃貸物件売却の基礎知識:所有権と賃借権の関係
賃貸中の物件を売却するにあたって、まず理解しておきたいのは、物件の「所有権」と「賃借権」の関係です。物件の所有者はあなたであり、その物件を自由に売却する権利を持っています。一方、賃借人は、あなたとの賃貸借契約に基づき、その物件を使用する権利(賃借権)を持っています。
売却後も賃貸借契約は継続されるのが原則です。これは、新しい所有者(買主)が、現在の賃貸借契約を引き継ぐという意味です。つまり、買主は、賃借人に対して、以前のあなたと同じように家賃を受け取る権利と、物件を賃貸する義務を負います。このため、賃借人が退去しなくても、売却は可能です。
今回のケースへの直接的な回答
今回のケースでも、賃貸中の築22年の戸建てを売却することは可能です。ただし、いくつか注意すべき点があります。
- ローンの残債の処理: 売却代金からローンの残債を返済する必要があります。売却代金がローンの残債を上回れば問題ありませんが、不足する場合は、自己資金で補填する必要があります。
- 賃借人への通知: 売却が決まったら、賃借人にその事実を通知する必要があります。これは、新しい所有者が誰になるのか、家賃の振込先などが変更になる可能性があるからです。
- 売買契約: 売買契約書には、賃貸借契約に関する条項を盛り込む必要があります。具体的には、賃借権の存在、賃貸借契約の内容、新しい所有者への権利義務の承継などを明記します。
エイブルのような仲介業者(不動産会社)は、売却手続きをサポートしてくれます。しかし、最終的な責任はあなたにありますので、不明な点があれば、積極的に質問し、理解を深めることが大切です。
関係する法律や制度
賃貸中の物件の売却に関係する主な法律は、民法です。民法には、所有権、賃借権、売買契約などに関する規定があります。
具体的には、以下の点が重要になります。
- 民法第601条(賃貸借の定義): 賃貸借契約の成立要件を定めています。
- 民法第605条(賃借権の対抗力): 賃借権が登記されている場合、第三者(買主など)に対しても賃借権を主張できることを定めています。
- 民法第560条(売主の瑕疵担保責任): 売主が物件の隠れた瑕疵(欠陥)について負う責任を定めています。
また、不動産登記法も関係します。所有権移転登記や、賃借権の登記などに関する規定があります。
これらの法律は、専門的で複雑な内容を含むため、不動産会社や弁護士などの専門家の助言を得ながら、手続きを進めることが重要です。
誤解されがちなポイントの整理
賃貸中の物件の売却について、よくある誤解を整理しましょう。
- 誤解1:賃借人が退去しないと売却できない。 実際は、賃借人が住んだままでも売却できます。新しい所有者が賃貸借契約を引き継ぐからです。
- 誤解2:ローンの残債があると売却できない。 実際は、売却代金でローンの残債を返済できれば売却できます。不足する場合は、自己資金で補填する必要があります。
- 誤解3:売却前に賃借人に退去してもらう必要がある。 賃借人に退去してもらうことは必須ではありませんが、売却をスムーズに進めるために、交渉することも可能です。
これらの誤解を解くことで、より現実的な売却戦略を立てることができます。
実務的なアドバイスと具体例
賃貸中の物件を売却する際の実務的なアドバイスと、具体的な例をいくつか紹介します。
- 1. 事前の準備:
- 賃貸借契約書の確認: 賃貸借契約の内容(家賃、契約期間、更新条件など)を確認し、売買契約に反映させる必要があります。
- 物件の査定: 不動産会社に物件の査定を依頼し、売却価格の目安を把握します。賃貸中の物件は、空室の物件よりも価格が低くなる傾向があります。
- ローンの残債の確認: 金融機関にローンの残債を確認し、売却代金で完済できるか確認します。
- 2. 売却活動:
- 不動産会社との連携: エイブルのような不動産会社と協力し、売却活動を進めます。賃貸中の物件の売却に慣れた不動産会社を選ぶことが重要です。
- 買主への情報提供: 賃貸借契約の内容、賃借人の状況などを買主に正確に伝えます。
- 内覧対応: 賃借人の協力のもと、内覧を実施します。
- 3. 売買契約と引き渡し:
- 売買契約書の作成: 賃貸借契約に関する条項を盛り込んだ売買契約書を作成します。
- 決済: 売買代金の決済を行い、所有権移転登記を行います。
- 賃借人への通知: 新しい所有者の情報、家賃の振込先などを賃借人に通知します。
具体例:
築22年の戸建て、家賃収入11万円、ローン残債500万円の物件を売却する場合、売却価格が600万円で、売却にかかる費用が50万円だとすると、手元に残るお金は50万円(600万円 – 500万円 – 50万円)となります。
専門家に相談すべき場合とその理由
以下のような場合は、不動産会社や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
- ローンの残債が売却代金を上回る場合: 自己資金で補填する必要があるため、資金計画について専門家の助言が必要です。
- 賃借人とのトラブルが発生した場合: 賃料の未払い、物件の損傷など、賃借人とのトラブルは、弁護士に相談し、適切な対応をとる必要があります。
- 売買契約の内容について不安がある場合: 売買契約書は、専門的な用語が多く、理解が難しい場合があります。弁護士に契約内容を確認してもらうことで、安心して売却を進めることができます。
- 税金に関する疑問がある場合: 売却益にかかる税金(譲渡所得税)について、税理士に相談し、節税対策についてアドバイスを受けることができます。
専門家は、あなたの状況に合わせて、最適なアドバイスをしてくれます。積極的に相談し、疑問を解消することが大切です。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回の質問の重要ポイントをまとめます。
- 賃貸中の物件でも売却は可能であり、賃借人の退去は必須ではありません。
- ローンの残債があっても、売却代金で完済できれば売却できます。
- 売却にあたっては、賃貸借契約の内容、ローンの残債、売却価格などを事前に確認することが重要です。
- エイブルのような不動産会社に相談し、売却手続きをサポートしてもらいましょう。
- 状況によっては、弁護士や税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。
賃貸中の物件の売却は、複雑な手続きを伴う場合がありますが、適切な準備と専門家のサポートがあれば、スムーズに進めることができます。諦めずに、売却に向けて一歩踏み出しましょう。