賃貸保証審査の基本:何を見られる?

賃貸契約を結ぶ際、多くの場合、家賃を保証する「賃貸保証会社」の審査を受けることになります。この審査では、主に以下の点がチェックされます。

  • 信用情報:過去の借入や返済状況、自己破産などの金融事故の有無が確認されます。これは、信用情報機関(CIC、JICCなど)に登録されている情報に基づいて行われます。(信用情報機関については後述
  • 収入:安定した収入があるか、家賃を支払えるだけの経済力があるかを見られます。一般的に、家賃は月収の3分の1以下が望ましいとされています。
  • 居住状況:現在の住居での滞納歴や、過去の賃貸契約でのトラブルの有無が確認されます。今回のケースのように、滞納による退去や訴訟の事実があると、審査に影響が出る可能性があります。
  • 本人情報:氏名、年齢、職業、連絡先などが確認されます。

審査基準は保証会社によって異なり、上記以外にも様々な項目が考慮されます。例えば、連帯保証人の有無や、緊急連絡先の情報なども審査の判断材料になることがあります。

過去の金融トラブルが審査に与える影響

今回の質問者さんのように、過去に任意整理やクレジットカードの未払い、滞納などの金融トラブルがあると、審査で不利になる可能性があります。具体的にどのような影響があるのでしょうか。

  • 任意整理:任意整理は、信用情報機関に事故情報として登録されます(一般的に5〜7年間)。この情報があると、新たな借入やクレジットカードの作成が難しくなるだけでなく、賃貸保証の審査にも影響を与える可能性があります。
  • クレジットカードの未払い:クレジットカードの利用料金を支払わなかった場合も、信用情報に記録されます。長期間の未払いや、強制解約などの事実は、審査で不利に働く可能性が高いです。
  • 滞納:家賃の滞納は、信用情報には直接記録されないことが多いですが、賃貸契約に関する情報として、保証会社が独自に保有している情報や、大家さんからの情報提供によって把握されることがあります。滞納の事実があると、家賃をきちんと支払う意思がないと判断され、審査に通らない可能性があります。

信用情報機関について:あなたの情報を知る

信用情報機関は、個人の信用情報(クレジットカードやローンの利用状況、支払い状況など)を管理している機関です。日本には、主に以下の3つの信用情報機関があります。

  • CIC(Credit Information Center):主にクレジットカード会社や信販会社が加盟。
  • JICC(Japan Credit Information Reference Center):消費者金融や銀行などが加盟。
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター):銀行が加盟。

これらの機関に加盟している会社は、審査の際に個人の信用情報を照会し、返済能力や信用力を判断します。
ご自身の信用情報は、各信用情報機関に開示請求することで確認できます。開示請求の方法は、各機関のウェブサイトで確認できます。ご自身の信用情報を把握しておくことは、今後の賃貸契約やローン契約などにおいて、非常に重要です。

今回のケースへの直接的な回答:審査の行方

今回の質問者さんのケースでは、以下の点が審査に影響を与える可能性があります。

  • 任意整理:任意整理の情報は、信用情報機関に登録されている可能性があります。
  • クレジットカードの未払い:母名義のクレジットカードの未払い状況が、審査に影響する可能性があります。
  • 滞納と退去:現在の賃貸物件での滞納と、退去が決まっている事実は、審査で非常に不利に働くでしょう。訴訟を起こされる可能性もあるとのことですので、その事実も審査に影響を与える可能性があります。

ただし、月収35万円という安定した収入があること、任意整理が解決済みであること、滞納分の分割返済を検討していることなどは、プラスに評価される可能性があります。
保証会社によっては、過去の金融事故よりも、現在の収入や返済能力を重視する場合もあります。
審査の結果は、保証会社の判断によって異なり、必ずしも審査に通らないとは限りません。

賃貸保証審査と関係する法律や制度

賃貸保証に関する直接的な法律はありませんが、関連する法律や制度として、以下のようなものがあります。

  • 消費者契約法:賃貸契約は消費者契約に該当し、不当な条項や、消費者の権利を不当に侵害するような契約は無効となる可能性があります。
  • 個人情報保護法:賃貸保証会社は、審査の際に取得した個人情報を適切に管理し、利用目的以外には使用してはなりません。
  • 民法:賃貸借契約に関する基本的なルールが定められています。家賃の支払い義務や、契約解除に関する規定などが含まれます。

これらの法律や制度は、賃貸契約における権利と義務を規定し、入居者と大家さんの双方を保護するためのものです。

誤解されがちなポイントの整理:審査の真実

賃貸保証審査に関して、誤解されがちなポイントを整理しておきましょう。

  • 「金融系の保証会社は過去の金融事故にアクセスしない」という誤解:これは必ずしも正しくありません。保証会社は、信用情報機関に加盟している場合があり、過去の金融事故を確認できます。また、滞納などの情報は、大家さんからの情報提供によって把握されることもあります。
  • 「収入があれば必ず審査に通る」という誤解:収入は重要な審査項目ですが、それだけではありません。過去のトラブルや、現在の居住状況なども総合的に判断されます。
  • 「一度審査に落ちたら、二度と賃貸契約できない」という誤解:審査に落ちた場合でも、諦めずに、他の物件を探したり、保証会社を変えたりすることで、賃貸契約できる可能性はあります。

実務的なアドバイスと具体例の紹介:審査を突破するために

賃貸保証審査を突破するために、以下のような対策を講じることが有効です。

  • 正直に情報開示する:審査の際に、過去の金融トラブルや滞納について、隠さずに正直に伝えることが重要です。嘘をついたり、ごまかしたりすると、かえって信用を失い、審査に不利になる可能性があります。
  • 現在の状況を説明する:現在の収入や、滞納分の分割返済について、具体的に説明しましょう。安定した収入があること、返済の意思があることを示すことが重要です。
  • 保証会社に相談する:保証会社によっては、状況に応じて柔軟に対応してくれる場合があります。事前に相談し、現在の状況を説明することで、審査に通る可能性を高めることができます。
  • 連帯保証人を検討する:親族に保証人を依頼できる場合は、審査に通りやすくなる可能性があります。
  • 家賃の安い物件を選ぶ:家賃が収入に見合っているほど、審査に通りやすくなります。
  • 初期費用を準備する:敷金や礼金などの初期費用をきちんと支払うことで、家賃を滞納するリスクが低いと判断される可能性があります。

例えば、過去に自己破産を経験した人が、安定した収入を得て、家賃を滞納することなく、きちんと返済を続けていることを証明できれば、審査に通る可能性は十分にあります。
また、滞納によって退去することになった場合でも、退去後に滞納分をきちんと清算し、反省の意を示すことで、次の賃貸契約に繋がることもあります。

専門家に相談すべき場合とその理由

以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。

  • 審査に通る見込みがない場合:何度か審査に落ちてしまう場合は、専門家に相談し、状況を客観的に分析してもらうことが有効です。
  • 法的な問題が発生した場合:滞納に関する訴訟や、契約に関するトラブルが発生した場合は、弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。
  • 債務整理を検討する場合:多額の借金を抱えており、返済が困難な場合は、弁護士や司法書士に相談し、債務整理の手続きについて相談しましょう。

専門家は、個々の状況に応じて、最適なアドバイスやサポートを提供してくれます。
専門家への相談は、問題を解決するための有効な手段となります。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回の質問の重要ポイントをまとめます。

  • 賃貸保証審査では、過去の金融トラブルや滞納が不利に働く可能性があります。
  • しかし、収入や現在の返済状況、誠実な対応によって、審査に通る可能性は十分にあります。
  • 正直に情報開示し、現在の状況を説明することが重要です。
  • 専門家への相談も検討しましょう。

賃貸契約は、生活の基盤となる重要なものです。諦めずに、できる限りの対策を講じ、希望する物件での生活を実現しましょう。