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賃貸借契約における賃料債権債務:不可分債権・債務と可分債権・債務の徹底解説

【背景】
アパートを借りているのですが、家賃の支払いをめぐって大家さんと少し意見が食い違いました。家賃は分割して支払うことはできないのか、という点についてです。

【悩み】
家賃は「不可分債権」(※複数の債務が一体となって成立する債権のこと)、「不可分債務」(※複数の債権が一体となって成立する債務のこと)だと理解していたのですが、大家さんからは「金銭債権だから可分(※債権・債務を分割して履行できること)だよ」と言われました。どちらが正しいのか分からず、困っています。

金銭債権である家賃は、原則として可分債権です。

回答と解説

テーマの基礎知識:債権・債務と可分性・不可分性

まず、債権・債務の基本的な概念を理解しましょう。債権とは、ある人が他の人に対して金銭の支払いや物の引渡しなど、一定の行為を請求できる権利のことです。一方、債務とは、その請求に応じる義務のことです。賃貸借契約においては、借主(賃借人)は家賃を支払う債務を負い、家主(賃貸人)は住居を提供する債務を負います。同時に、家主は家賃を受け取る債権を、借主は住居を使用する権利(債権)を持ちます。

債権・債務には「可分」と「不可分」があります。可分とは、債権・債務を分割して履行できることを意味します。例えば、10万円の借金を1万円ずつ10回に分けて返済するといった場合が可分の例です。一方、不可分とは、債権・債務を分割して履行できないことを意味します。例えば、特定の美術品を売買する場合、美術品の一部だけを売買することはできません。

今回のケースへの直接的な回答:家賃は可分債権

質問者さんのケースでは、家賃という金銭債権が問題になっています。金銭債権は、原則として可分債権です。つまり、家賃を分割して支払うことが可能です。大家さんの説明は正しいと言えます。

関係する法律や制度:民法

民法第436条では、債務の可分性について規定されています。この条文から、金銭債務は原則として可分であることがわかります。ただし、契約で別段の定めがある場合は、その定めに従うことになります。例えば、賃貸借契約書に「家賃は一括払いとする」といった条項があれば、分割払いはできません。

誤解されがちなポイント:不可分債権・債務の例

不可分債権・債務は、金銭債権とは異なり、分割して履行できない債権・債務です。例えば、特定の土地の売買契約における代金債務は、土地の一部だけを売買できないため、不可分債務となります。また、請負契約における報酬債務も、請負作業の一部だけを履行できないため、不可分債務となることが多いです。

実務的なアドバイス:契約内容の確認

家賃の分割払いについては、賃貸借契約書をよく確認しましょう。契約書に分割払いの可否が明記されている場合、それに従う必要があります。明記されていない場合でも、大家さんと事前に相談し、合意を得ることが重要です。分割払いを希望する場合は、分割回数や支払日などを明確にして、書面で合意を取り交わすことをお勧めします。

専門家に相談すべき場合:契約内容に不明点がある場合

賃貸借契約書の内容に不明な点があったり、大家さんとの間で意見が一致しない場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、契約書の内容を正確に解釈し、適切なアドバイスをしてくれます。

まとめ:家賃は原則可分、契約内容を確認

家賃は金銭債権であるため、原則として可分債権であり、分割払いが可能です。ただし、賃貸借契約書の内容を確認し、大家さんと合意を得ることが重要です。不明な点があれば、専門家に相談しましょう。 契約書は、トラブルを未然に防ぐために、しっかりと確認し、理解しておくことが大切です。

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