オフバランス化とは?基礎知識をわかりやすく解説
オフバランス化とは、企業の資産を会計上の貸借対照表(バランスシート)から除外することです。具体的には、自社で所有していた資産を売却したり、リース契約を利用したりすることで、資産を会社の帳簿からなくします。
オフバランス化の目的は多岐にわたりますが、一般的には、
ROA(総資産利益率)の向上、税金対策、財務リスクの軽減、資金効率の改善などが挙げられます。
オフバランス化を行う方法はいくつかあります。主なものとしては、
- 売却:自社で所有している土地や建物などの資産を売却し、現金化する。
- リース:設備や車両などをリース契約にし、所有権をリース会社に移す。
- ファクタリング:売掛金をファクタリング会社に売却し、早期に現金化する。
オフバランス化は、企業の財務状況や事業戦略に大きな影響を与える可能性があるため、慎重な検討が必要です。
なぜROAが上がる?オフバランス化の仕組み
オフバランス化を行うと、なぜROAが向上するのでしょうか?ROAは、企業の総資産を使ってどれだけの利益を生み出しているかを示す指標です。
計算式は以下の通りです。
ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100
オフバランス化によって資産が減少すると、分母である総資産が小さくなります。一方、利益が大きく変わらなければ、ROAは向上します。
例えば、1億円の資産で1000万円の利益を上げていた企業が、オフバランス化によって資産を5000万円減らした場合を考えてみましょう。利益が1000万円のままであれば、ROAは以下のようになります。
オフバランス化前:1000万円 ÷ 1億円 × 100 = 10%
オフバランス化後:1000万円 ÷ 5000万円 × 100 = 20%
このように、オフバランス化はROAを向上させる効果があります。
オフバランス化のメリットとデメリット
オフバランス化には、ROAの向上以外にも様々なメリットがあります。
- 財務リスクの軽減:資産を売却したり、リース契約を利用したりすることで、固定資産税や修繕費などのコストを削減できます。また、倒産時のリスクを分散することも可能です。
- 資金効率の改善:資産を売却して得た資金を、事業拡大や新たな投資に活用できます。
- 事業リスクへの対応:オペレーティングリースなどを利用することで、固定費を変動費化し、事業環境の変化に柔軟に対応できます。
- 税金対策:資産の売却益やリース料を経費として計上することで、法人税の節税効果が期待できます。
一方で、オフバランス化には以下のようなデメリットも存在します。
- 費用負担の増加:リース料やサービス利用料などの費用が発生し、総コストが増加する可能性があります。
- 財務状況の悪化:資産を売却することで、企業の信用力が低下する可能性があります。
- 情報開示の複雑化:オフバランス化に関する情報を、財務諸表で適切に開示する必要があります。
オフバランス化は株価対策?誤解されがちなポイント
オフバランス化が、株価を吊り上げるためだけの手段であるという誤解も存在します。確かに、ROAの向上は株価にプラスの影響を与える可能性があります。
しかし、オフバランス化はあくまで財務戦略の一つであり、企業の収益性や成長性を向上させるための手段でなければ、長期的な株価上昇にはつながりません。
オフバランス化を行う際には、以下の点に注意が必要です。
- 費用対効果の検証:リース料やサービス利用料などのコストを考慮し、オフバランス化によるメリットが費用を上回るか検証する必要があります。
- 事業戦略との整合性:オフバランス化が、企業の事業戦略に合致しているかを確認する必要があります。
- 情報開示の徹底:オフバランス化に関する情報を、投資家に対して適切に開示する必要があります。
実務的なアドバイスと具体例
オフバランス化を検討する際には、自社の状況を正確に把握し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
例えば、
不動産を所有している企業が、その不動産を売却し、リースバック(売却後に同じ不動産を借りて使用すること)する場合を考えてみましょう。
この場合、オフバランス化によってROAが向上するだけでなく、固定資産税や修繕費などのコストを削減できます。
一方、リース料が発生するため、総コストが増加する可能性があります。
したがって、リース料と削減できるコストを比較し、オフバランス化によるメリットを評価する必要があります。
また、
設備投資を検討している企業が、リース契約を利用する場合も同様です。
リース契約を利用することで、初期費用を抑え、資金を他の事業に活用できます。
しかし、リース料が発生するため、総コストが増加する可能性があります。
したがって、リースのメリットとデメリットを比較し、自社の状況に最適な選択をする必要があります。
専門家に相談すべき場合とその理由
オフバランス化は、企業の財務状況や事業戦略に大きな影響を与える可能性があるため、専門家への相談を検討することをお勧めします。
具体的には、以下のような場合に専門家への相談が有効です。
- オフバランス化のメリットとデメリットを詳しく知りたい場合:会計士や税理士などの専門家は、オフバランス化に関する専門知識を持っており、個別のケースに合わせたアドバイスを提供できます。
- 最適なオフバランス化の方法を知りたい場合:専門家は、企業の状況に合わせて、最適なオフバランス化の方法を提案できます。
- 税金対策について相談したい場合:税理士は、オフバランス化による税金への影響について、専門的なアドバイスを提供できます。
- 財務リスクを軽減したい場合:専門家は、オフバランス化による財務リスクの軽減策について、具体的なアドバイスを提供できます。
専門家への相談を通じて、オフバランス化に関する疑問を解消し、最適な意思決定を行うことができます。
まとめ:オフバランス化を成功させるために
オフバランス化は、ROAの向上、財務リスクの軽減、資金効率の改善など、様々なメリットをもたらす可能性があります。しかし、費用対効果を慎重に検討し、自社の状況に合わせた判断が必要です。
オフバランス化を成功させるためには、以下の点を意識しましょう。
- 目的の明確化:オフバランス化の目的を明確にし、事業戦略との整合性を確認する。
- 費用対効果の検証:オフバランス化によるメリットとデメリットを比較し、費用対効果を検証する。
- 専門家への相談:会計士や税理士などの専門家へ相談し、適切なアドバイスを受ける。
- 情報開示の徹底:オフバランス化に関する情報を、投資家に対して適切に開示する。
これらの点を踏まえ、オフバランス化を企業の成長戦略に活かしましょう。

