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近所の火災で消防放水による損害、消防への賠償請求は可能?

質問の概要

【背景】

  • 近所で火災が発生し、消防による消火活動が行われた。
  • 消火活動の放水によって、自分の家が損害を受けた。

【悩み】

  • 消防に対して、損害賠償を請求できるのか知りたい。
  • 消防が損害賠償をしなければならないケースについて具体的に知りたい。
  • 民法720条(緊急避難)の解釈について、自分の主張が認められる可能性があるのか知りたい。

消防への損害賠償請求は、ケースによって可能です。民法720条の解釈と、個別の状況が重要になります。

回答と解説

テーマの基礎知識:損害賠償請求とは?

損害賠償請求とは、他人の行為によって損害を受けた場合に、その損害を賠償してもらうように求める権利のことです。今回のケースでは、火災の消火活動を行った消防の行為によって損害を受けた場合に、消防に対して損害賠償を請求できるのか、という点が問題となります。

損害賠償請求が認められるためには、一般的に以下の3つの要件を満たす必要があります。

  • 権利侵害: 損害が発生した原因となる行為が、何らかの権利を侵害していること。
  • 故意または過失: 加害者に故意(わざと)または過失(不注意)があったこと。
  • 損害の発生: 損害が発生したこと。

今回のケースでは、消防の消火活動が「権利侵害」にあたるのか、消防に「故意または過失」があったのか、そして実際に「損害」が発生したのか、という点が重要なポイントとなります。

今回のケースへの直接的な回答

近隣の火災による消防の放水によって損害を受けた場合、直ちに消防に対して損害賠償を請求できるわけではありません。しかし、いくつかのケースでは、損害賠償請求が認められる可能性があります。

まず、消防の消火活動に「過失」があった場合です。例えば、消火活動が不適切で、必要以上に放水してしまい、結果的に損害を拡大させたようなケースです。この場合、消防に過失があったとして、損害賠償請求が認められる可能性があります。

次に、民法720条(緊急避難)の解釈が問題となるケースです。この条文は、他人の物を守るために、やむを得ず他人の物を壊してしまった場合について定めています。質問者様のケースでは、消防が火災という「急迫の危難」を避けるために放水し、結果的に質問者様の家が損害を受けた場合に、この条文が適用されるかどうかが問題となります。

民法720条2項では、「他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合」と規定されています。この「他人の物」と「その物」が同じである必要はなく、火元以外の建物に放水したことによる損害も、賠償請求の対象となる可能性があります。ただし、消防の行為が「緊急避難」として認められるためには、消防が適切な判断に基づき、やむを得ず放水したという事情が必要となります。

関係する法律や制度:民法720条(緊急避難)

今回のケースで特に関係する法律は、民法720条です。この条文は、緊急避難に関する規定であり、他人の権利を侵害する行為が、一定の条件下で違法性を欠くことを定めています。

民法720条は、以下の2つの項から構成されています。

  • 1項: 他人の不法行為(不法行為:故意または過失による違法行為)によって損害を受けた場合に、加害者に対して損害賠償請求ができることを定めています。ただし、消防が火災の原因を作った(例えば、火の不始末など)ということが証明されなければ、消防に損害賠償を請求することは難しいでしょう。
  • 2項: 他人の物から生じた急迫の危難を避けるために、やむを得ず他人の物を損傷させた場合、その損害を賠償する必要があることを定めています。ただし、損害を与えた人に故意または過失がない場合、裁判所は損害賠償の額を減額したり、賠償を免除したりすることができます。

今回のケースでは、消防の放水が火災という「急迫の危難」を避けるための行為であった場合、2項が適用される可能性があります。しかし、消防の行為が「正当な行為」であったのか、つまり、緊急避難として認められるのかどうかが、損害賠償請求の可否を左右する重要なポイントとなります。

誤解されがちなポイントの整理

この問題で誤解されがちなポイントとして、以下の点が挙げられます。

  • 消防は常に賠償責任を負うわけではない: 消防の消火活動は、人命や財産を守るための公共的な活動であり、その行為が常に違法とされるわけではありません。消防に過失があった場合や、緊急避難の要件を満たさない場合に、損害賠償責任が発生する可能性があります。
  • 火災の原因が重要: 火災の原因が消防にある場合(例えば、消防が火災を起こしてしまった場合)は、1項に基づいて損害賠償請求が認められる可能性があります。しかし、火災の原因が第三者にある場合、消防が損害賠償責任を負う可能性は低くなります。
  • 緊急避難の判断: 消防の行為が緊急避難と認められるためには、状況に応じて適切な判断が行われたことが必要です。例えば、放水が必要な状況であったのか、放水の範囲は適切であったのか、などの要素が考慮されます。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

実際に損害賠償請求を行う場合、いくつかのステップを踏むことになります。

  • 損害の調査と証拠収集: まず、どのような損害が発生したのかを詳細に調査し、その証拠を収集します。写真撮影、修理の見積もり、専門家による鑑定などが有効です。
  • 消防への連絡と協議: 損害の状況を消防に伝え、協議を行います。消防が損害を認める場合、賠償の手続きが進められます。
  • 弁護士への相談: 消防との協議がうまくいかない場合や、損害賠償請求が複雑な場合は、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、法的な観点から適切なアドバイスを行い、交渉や訴訟を支援してくれます。
  • 訴訟: 最終的に、損害賠償請求が認められない場合は、裁判所に訴訟を提起することになります。

具体例:

例えば、消防が消火活動中に隣家の屋根に穴を開けてしまった場合、消防に過失があったとして、損害賠償請求が認められる可能性があります。一方で、火災が激しく、やむを得ず隣家の窓ガラスを割って放水した場合、緊急避難が認められ、損害賠償請求が認められない可能性もあります。この場合、裁判所は、損害賠償の額を減額したり、賠償を免除したりする可能性があります。

専門家に相談すべき場合とその理由

以下の場合は、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

  • 損害賠償請求が複雑な場合: 損害の範囲が広範囲にわたる場合や、損害賠償請求の法的根拠が複雑な場合は、弁護士の専門的な知識が必要となります。
  • 消防との交渉がうまくいかない場合: 消防との交渉が難航している場合は、弁護士に交渉を依頼することで、スムーズな解決が期待できます。
  • 訴訟を検討する場合: 訴訟を起こす場合は、法的な手続きや証拠の準備が必要となります。弁護士に依頼することで、適切な準備を行い、有利に訴訟を進めることができます。
  • 民法720条の解釈が難しい場合: 緊急避難に関する民法720条の解釈は、専門的な知識を要します。弁護士に相談することで、自身のケースに最適な解釈を得ることができます。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回の重要なポイントをまとめます。

  • 近隣の火災による消防の放水で損害を受けた場合、直ちに損害賠償請求ができるわけではありません。
  • 消防に過失があった場合や、緊急避難の要件を満たさない場合は、損害賠償請求が認められる可能性があります。
  • 民法720条(緊急避難)の解釈が、損害賠償請求の可否を左右する重要なポイントとなります。
  • 損害の調査と証拠収集を行い、必要に応じて弁護士に相談することが重要です。
  • 専門家のサポートを得ることで、より適切な解決策を見つけることができます。

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