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退去時の修繕費、立ち会い後に請求額が大幅増!これはアリ?

質問の概要

【背景】

  • 2年半住んだ賃貸物件を退去。
  • 退去時の立ち会いでは、小さな傷や汚れが6箇所指摘された。
  • 修繕費用として49,000円を請求され、内容を確認してサインをした。

【悩み】

  • 後日、友人に修繕費が高いと指摘され、再度部屋を確認すると、指摘箇所が40箇所に増えていた。
  • 立ち会いの際に指摘されなかった箇所(トイレや他の部屋)も含まれている。
  • 立ち会いの意味があったのか、この請求は許されるのか悩んでいる。

立ち会い後の請求額増額は不当な可能性があります。まずは契約内容と立ち会いの記録を確認し、専門家への相談も検討しましょう。

回答と解説

1. 退去時の修繕費って何? 基本的な知識を整理

賃貸物件を借りる際、入居者は家賃を支払い、大家さんは物件を貸し出すという契約を結びます。この契約が終わる、つまり退去する際に発生するのが「修繕費」の問題です。

修繕費とは、入居者が物件を使用する中で発生した、建物の損傷や汚れを修復するための費用です。ただし、すべての損傷が修繕費の対象になるわけではありません。通常の使用による損耗(経年劣化)は、大家さんが負担するのが一般的です。例えば、壁紙の日焼けや、家具の設置跡などは、通常の使用による損耗とみなされることが多いです。

一方、入居者の故意または過失による損傷や、通常の使用を超える使用による損傷は、修繕費の対象となります。例えば、壁に穴を開けてしまった、タバコのヤニで壁紙がひどく汚れてしまった、などは修繕費を請求される可能性が高いです。

2. 今回のケースへの直接的な回答

今回のケースでは、立ち会い時に6箇所だった指摘が、後日40箇所に増えたという点が大きな問題です。これは、非常に不自然であり、不当な請求である可能性があります。

立ち会いは、退去時の物件の状態を確認し、修繕が必要な箇所を明確にするために行われます。立ち会いの際に確認し、合意した内容と異なる請求が後から行われることは、契約違反にあたる可能性があります。

まず、立ち会いの際の記録(写真、メモ、署名など)を確認し、契約書の内容と照らし合わせることが重要です。もし、立ち会いの記録と請求内容に大きな相違がある場合は、大家さんや管理会社に対して、異議申し立てを行うべきです。

3. 関係する法律や制度: 借地借家法と原状回復義務

賃貸借契約に関する主な法律は「借地借家法」です。この法律は、借主と貸主の権利と義務を定めています。

今回のケースで重要となるのは、「原状回復義務」です。これは、借主が退去する際に、借りた部屋を元の状態に戻す義務のことです。ただし、原状回復とは、借りた時と全く同じ状態に戻すことではありません。通常の使用による損耗は、原状回復の対象外です。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものがあり、原状回復の考え方や、どこまでが借主の負担になるのか、具体的な事例を挙げて解説しています。このガイドラインは、トラブル解決の際の判断基準として用いられることが多いです。

4. 誤解されがちなポイント: 立ち会いの重要性と注意点

多くの人が誤解しがちなのは、立ち会いの重要性です。立ち会いは、後々のトラブルを防ぐために非常に重要です。

  • 記録を残すこと: 立ち会いの際は、必ず写真や動画を撮影し、メモを取るなどして、物件の状態を記録に残しましょう。
  • 疑問点は確認すること: 少しでも疑問に思う点があれば、その場で大家さんや管理会社に質問し、納得いくまで説明を受けましょう。
  • 安易にサインしないこと: 修繕費の内訳や、修繕箇所について十分に理解し、納得した上でサインしましょう。不明な点がある場合は、サインを保留し、後日改めて確認することも可能です。

今回のケースのように、立ち会い後に請求額が増額されるケースは、立ち会いの記録が不十分だったり、安易にサインしてしまった場合に起こりやすくなります。

5. 実務的なアドバイスと具体例: トラブルを避けるための対策

トラブルを避けるためには、以下の対策を講じることが重要です。

  • 契約書の確認: 入居前に、契約書の内容をよく確認し、特に原状回復に関する条項を理解しておきましょう。
  • 入居時の記録: 入居時に、部屋の状態を写真や動画で記録しておきましょう。これは、退去時のトラブルを防ぐための重要な証拠となります。
  • 立ち会いの準備: 退去時には、事前に部屋を清掃し、修繕が必要な箇所を把握しておきましょう。立ち会いの際には、記録を取り、疑問点は必ず確認しましょう。
  • 交渉: 請求内容に納得できない場合は、大家さんや管理会社と交渉しましょう。場合によっては、減額を求めることも可能です。

具体例:

例えば、壁の小さな傷について、修繕費が高額に感じた場合、自分で補修できるか、他の業者に見積もりを取るなどして、費用を比較検討することも有効です。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

以下のような場合は、専門家(弁護士、不動産鑑定士など)に相談することをお勧めします。

  • 請求額が高額である場合: 修繕費が、明らかに不当に高額であると感じる場合は、専門家の意見を聞くことで、適切な金額を判断できます。
  • 交渉がうまくいかない場合: 大家さんや管理会社との交渉が難航し、解決の糸口が見えない場合は、専門家に間に入ってもらうことで、円滑な解決が期待できます。
  • 契約内容に不明な点がある場合: 契約書の内容が難解で、理解できない場合は、専門家に相談することで、契約上の権利や義務を明確にすることができます。
  • 立ち会い後の請求額増額など、不当な請求を受けた場合: 今回のケースのように、立ち会い後に不当な請求を受けた場合は、専門家に相談し、法的手段を検討することも必要です。

7. まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のケースでは、立ち会い後の請求額増額が問題となっています。以下の点を改めて確認しましょう。

  • 立ち会いの記録(写真、メモ、署名など)を確認し、請求内容との相違点がないか確認しましょう。
  • 契約書の内容を確認し、原状回復に関する条項を理解しましょう。
  • 請求内容に納得できない場合は、大家さんや管理会社と交渉しましょう。
  • 必要に応じて、専門家(弁護士など)に相談しましょう。

賃貸契約に関するトラブルは、早期に対処することが重要です。今回の情報を参考に、冷静に対応し、ご自身の権利を守ってください。

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