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退去時の敷金トラブル!壁紙のヤニ、襖の破損…貸主を助けるには?

質問の概要

【背景】

  • 不動産会社の担当者です。
  • 賃貸マンションの退去時に、貸主と借主の間で敷金トラブルが発生しています。
  • 退去後の部屋は、壁紙のヤニ、襖の破損、ゴミの放置など、ひどい状態でした。
  • クリーニング費用は30万円を超え、敷金1ヶ月分を超過しています。
  • 貸主は追加請求をしない意向ですが、借主は敷金の返金を要求しています。
  • 借主は暴言を吐き、内容証明を送ると言っていますが、実際には送られてきていません。

【悩み】

  • 貸主が理不尽な要求を受けており、助けたいと思っています。
  • 貸主側からの訴訟は少ないため、不安を感じています。
  • 敷金1ヶ月分以上の請求は考えていません。
  • 今回のケースで、貸主側から訴訟を起こすべきか、どのように対応すべきか迷っています。
敷金トラブル、貸主側の訴訟は可能。証拠を揃え、専門家への相談も検討しましょう。

1. 敷金トラブルって何? 基本的な知識を整理

賃貸物件(アパートやマンションなど)を借りる際、家賃とは別に「敷金」を大家さんに預けますよね。
これは、借主が家賃を滞納したり、部屋を傷つけたりした場合に、その修繕費用などに充てられるためのお金です。
退去時に、部屋を元の状態に戻すための費用(原状回復費用)を差し引いた残りが、借主に返還されるのが一般的です。

今回のケースのように、退去時の部屋の状態が悪く、修繕費用が敷金を超えてしまう場合、貸主と借主の間でトラブルになることがあります。
このトラブルを「敷金トラブル」と呼びます。

ポイント:敷金は、あくまでも「預かり金」であり、退去時に精算されるものです。

2. 今回のケースへの直接的な回答:貸主はどうすべき?

今回のケースでは、借主が壁紙を汚損し、襖を破損、ゴミを放置するなど、明らかに部屋を損傷させています。
クリーニング費用が30万円を超えているというのも、部屋の状態を考えると妥当な範囲かもしれません。

貸主としては、まず、証拠をしっかりと確保することが重要です。
具体的には、

  • 退去時の部屋の写真を、様々な角度から、詳細に記録する。
  • 壁紙のヤニ汚れ、襖の破損部分をアップで撮影する。
  • ゴミの量や種類がわかるように撮影する。
  • クリーニングの見積書を保管する。
  • 借主とのやり取り(メール、手紙など)を記録しておく。

これらの証拠を基に、借主に対して修繕費用の支払いを求めることができます。
敷金を超過する分の請求も、状況によっては可能です。

今回のケースでは、貸主は毅然とした態度で、借主と交渉すべきです。

3. 関係する法律や制度:知っておくべきこと

敷金に関するトラブルは、主に「民法」や、各自治体の「賃貸住宅紛争防止条例」に基づいて解決されます。

民法では、借主は、借りた物を善良な注意義務をもって使用し、退去時には原状回復する義務があると定められています(民法621条)。

一方、国土交通省のガイドラインでは、経年劣化や通常の使用による損耗は、貸主が負担すべきとされています。
しかし、今回のケースのように、借主の故意または過失による損傷は、借主が修繕費用を負担するのが一般的です。

また、各自治体の「賃貸住宅紛争防止条例」は、敷金に関するトラブルを解決するためのルールを定めています。
紛争が生じた場合、これらの条例に基づいて、専門家による調停やあっせんが行われることもあります。

ポイント:借主には、部屋を大切に使う義務があり、故意・過失による損傷は修繕費用を負担する責任があります。

4. 誤解されがちなポイント:どこに注意すべき?

敷金トラブルでよくある誤解として、

  • 「壁紙の汚れは、全て貸主の負担である」
  • 「敷金は、必ず全額返金されるもの」

といったものがあります。

実際には、壁紙の汚れが、タバコのヤニや、借主の故意によるものであれば、借主が修繕費用を負担するのが一般的です。
また、敷金は、部屋の修繕費用に充てられるため、必ずしも全額返金されるとは限りません。

今回のケースでは、借主が「壁紙代も取られる筋合いはない」と主張していますが、これは誤解です。
借主の行為によって壁紙が汚損した場合は、借主が修繕費用を負担するのが原則です。

ポイント:部屋の損傷の原因が、借主の故意・過失によるものかどうかを、しっかりと見極めることが重要です。

5. 実務的なアドバイス:具体的にどう動く?

今回のケースでは、貸主は、以下の手順で対応を進めるのがおすすめです。

  1. 証拠の収集:退去時の写真、見積書、借主とのやり取りなどを収集し、整理する。
  2. 内容証明郵便の送付:借主に対し、修繕費用の内訳と、支払いを求める旨を記載した内容証明郵便を送付する。
    内容証明郵便は、法的効力があり、後々のトラブルを避けるためにも有効です。
  3. 交渉:借主との交渉を行う。
    借主が支払いに応じない場合は、弁護士に相談し、訴訟を検討する。

訴訟を起こす場合、証拠が重要になります。
写真や見積書、借主とのやり取りなど、しっかりと証拠を揃えておくことで、裁判を有利に進めることができます。

ポイント:内容証明郵便の送付は、相手にプレッシャーを与えるだけでなく、証拠としても有効です。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

今回のケースでは、弁護士や、不動産に詳しい専門家(宅地建物取引士など)に相談することをおすすめします。

専門家に相談することで、

  • 法的観点からのアドバイスを受けることができる。
  • 訴訟になった場合の対応について、サポートを受けることができる。
  • 借主との交渉を、代理で行ってもらうことができる。

など、様々なメリットがあります。

特に、借主が内容証明を送ると言っていること、貸主に暴言を吐いていることなどから、今後のトラブルがエスカレートする可能性も考えられます。
専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

ポイント:トラブルが深刻化する前に、専門家に相談することが重要です。

7. まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のケースでは、借主が部屋をひどく汚損しており、貸主は修繕費用を請求する権利があります。

重要なポイントは以下の通りです。

  • 証拠をしっかりと収集する:退去時の写真、見積書、借主とのやり取りなどを記録する。
  • 内容証明郵便を送付する:修繕費用の請求と、支払いを求める旨を記載する。
  • 専門家に相談する:弁護士や、不動産に詳しい専門家に相談し、アドバイスを受ける。

今回のケースでは、貸主が理不尽な要求を受けていますが、諦めずに、適切な対応を取ることで、正当な権利を守ることができます。
頑張ってください!

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