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通謀虚偽表示で建物賃貸借の借主は「第三者」?売却の場合は?わかりやすく解説

【背景】

  • Aさんの土地が、実際には売買する意思がないのに、Bさんに「仮装譲渡」(**つうぼうきょぎひょうじ**)という形で譲渡された。
  • Bさんはその土地の上に自分の建物を建て、Cさんに賃貸した。
  • 最高裁判所の判決(最判昭57.6.8)では、このCさんは民法94条2項の「第三者」には当たらないとされた。
  • そこで、もしBさんがCさんに建物を売却した場合、Cさんは「第三者」として保護されるのか疑問に思っています。

【悩み】

通謀虚偽表示があった場合、建物を借りている人(賃借人)は「第三者」として保護されないと知りました。
では、建物を買った人(買主)はどうなるのでしょうか?
もし保護されるなら、どのような条件があるのでしょうか?
今後のために、詳しく知りたいです。

建物の買主は、状況によっては「第三者」として保護される可能性があります。
ただし、保護されるためにはいくつかの条件を満たす必要があります。

通謀虚偽表示って何?基礎知識をわかりやすく

まず、今回のテーマである「通謀虚偽表示」について、基本的な知識から見ていきましょう。

通謀虚偽表示とは、簡単に言うと、**当事者同士が互いに通じて(示し合わせて)、本当は売買する意思がないのに、あたかも売買したように見せかけること**です。
例えば、借金を逃れるために、自分の財産を友人名義にしておく、といったケースがこれに当たります。

民法94条1項では、このような虚偽の表示は、当事者間では有効とされています。
つまり、AさんがBさんに土地を売ったように見せかけても、AさんとBさんの間では、その売買は無効にはならないのです。

しかし、問題は、この虚偽の表示を信じて、**関係のない第三者**が現れた場合です。
そこで登場するのが、民法94条2項です。

民法94条2項が定める「第三者」とは?

民法94条2項は、次のように定めています。

「前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」

これは、簡単に言うと、**「騙されたAさん」と「騙したBさん」の間では売買は無効だけど、その虚偽の表示を信じて取引をした「善意の第三者」は保護される**ということです。

ここで重要なのは、「善意」と「第三者」という言葉の意味です。

・「善意」とは、**その事実を知らなかったこと**を意味します。
つまり、虚偽の表示があったことを知らなかったということです。

・「第三者」とは、**虚偽の表示によって不利益を被る可能性のある人**を指します。
具体的には、売買契約をした人や、抵当権を設定した人などが考えられます。

今回の質問にあるように、最高裁判例(最判昭57.6.8)は、BさんがCさんに建物を賃貸した場合のCさんは、原則として「第三者」には当たらないと判断しました。
なぜなら、Cさんは土地の所有権を取得したわけではなく、単に建物を借りただけだからです。
しかし、この判例は、建物の売買があった場合には、Cさんの立場が変わる可能性を示唆しています。

建物の買主は「第三者」になれるのか?今回のケースへの回答

では、本題である、建物の買主は「第三者」になれるのでしょうか?

結論から言うと、建物の買主は、状況によっては「第三者」として保護される可能性があります。

具体的には、以下の条件を満たせば、買主は保護される可能性が高まります。

  • 買主が、AさんとBさんの間の虚偽の表示について**「善意」**であったこと。
    つまり、虚偽の表示があったことを知らなかったこと。
  • 買主が、**「過失」がなかったこと**
    過失とは、注意を怠ったために知らなかったことです。
    例えば、登記を確認していなかったなど、少し注意していれば虚偽の表示に気づけた場合は、過失があると判断される可能性があります。
  • 買主が、Bさんから建物を**「譲り受けた」**こと。
    つまり、建物を購入して、所有権を取得したこと。

これらの条件を満たしていれば、買主は民法94条2項によって保護され、Aさんは買主に対して土地の所有権を主張できなくなる可能性があります。

関係する法律や制度:登記の重要性

通謀虚偽表示に関連して、非常に重要なのが**「登記」**という制度です。

登記とは、不動産の権利関係を公示するための制度です。
法務局で管理されており、誰でも閲覧することができます。

今回のケースでは、AさんがBさんに土地を「仮装譲渡」したわけですから、登記上はBさんが土地の所有者として記録されているはずです。

もし、Bさんがその土地上の建物を第三者に売却し、買主が所有権移転登記を済ませれば、買主はより強く保護されることになります。
これは、買主が「善意」かつ「過失がない」ことを証明しやすくなるからです。

逆に、買主が登記をしていなければ、Aさんが「この土地は私のものです」と主張しやすくなります。
なぜなら、買主は、登記という重要な手続きを怠ったということで、過失があると判断される可能性があるからです。

このように、登記は、不動産取引において非常に重要な役割を果たします。
不動産を購入する際は、必ず登記を確認し、必要な手続きを行うようにしましょう。

誤解されがちなポイント:善意と悪意の違い

通謀虚偽表示に関する誤解として多いのが、「善意」と「悪意」の区別です。

先ほど説明したように、「善意」とは、その事実を知らなかったこと、つまり、虚偽の表示があったことを知らなかったことを意味します。

一方、「悪意」とは、その事実を知っていたことを意味します。
つまり、虚偽の表示があったことを知っていたということです。

民法94条2項では、「善意」の第三者のみが保護されると規定されています。
つまり、悪意の第三者は保護されないのです。

例えば、BさんがCさんに建物を売却する際、CさんがAさんとBさんの間の虚偽の表示について知っていた場合(悪意の場合)、Cさんは保護されず、AさんはCさんに対して土地の所有権を主張することができます。

この「善意」と「悪意」の区別は、非常に重要です。
不動産取引を行う際は、相手方が「善意」であるかどうかを慎重に確認する必要があります。

実務的なアドバイス:不動産取引での注意点

実際に不動産取引を行う際の注意点について、いくつかのアドバイスをさせていただきます。

  • **専門家への相談**:不動産取引は、専門的な知識が必要となる場合があります。
    疑問点や不安な点があれば、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
  • **調査の徹底**:取引前に、必ず不動産の権利関係を調査しましょう。
    法務局で登記簿謄本を取得し、権利関係や抵当権などの有無を確認することが重要です。
  • **契約書の確認**:契約書の内容をよく確認し、不明な点があれば、必ず相手方に質問しましょう。
    契約書は、後々のトラブルを避けるための重要な証拠となります。
  • **証拠の収集**:取引に関するやり取りは、記録として残しておきましょう。
    メールや手紙、会話の録音などが、後々のトラブル解決に役立つことがあります。

これらの注意点を守り、慎重に取引を進めることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

専門家に相談すべき場合とその理由

以下のような場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。

  • **通謀虚偽表示の疑いがある場合**:AさんとBさんの間の取引に不審な点がある場合や、虚偽の表示の可能性がある場合は、専門家に相談して、状況を詳しく分析してもらいましょう。
  • **権利関係が複雑な場合**:相続や共有など、権利関係が複雑な場合は、専門家のアドバイスが必要不可欠です。
  • **トラブルが発生した場合**:不動産に関するトラブルが発生した場合は、早期に専門家に相談し、適切な対応策を講じましょう。

専門家は、法律の専門知識に基づいて、的確なアドバイスをしてくれます。
また、交渉や訴訟などの手続きも代行してくれます。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のテーマである「通謀虚偽表示」と「第三者」の関係について、重要なポイントをまとめます。

  • 通謀虚偽表示とは、当事者同士が通じて、本当は売買する意思がないのに、あたかも売買したように見せかけることです。
  • 民法94条2項は、虚偽の表示を信じて取引をした「善意の第三者」を保護する規定です。
  • 建物の買主は、状況によっては「第三者」として保護される可能性があります。
    そのためには、買主が「善意」かつ「過失がない」こと、そして建物を「譲り受けた」ことが重要です。
  • 不動産取引を行う際は、登記を確認し、専門家に相談するなど、慎重に進めることが大切です。

今回の解説が、少しでもお役に立てれば幸いです。

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