税金滞納と自己破産:基本のキ
自己破産とは、借金を抱えてしまい、ご自身の力だけでは返済が困難になった場合に、裁判所に申し立てて、借金の支払いを免除してもらう手続きのことです。
しかし、自己破産をすれば全ての借金が帳消しになるわけではありません。
税金は、自己破産をしても原則として支払う義務が残るものの一つです。
今回の質問者さんのように、連帯保証人になっている場合、自己破産を検討する際には、いくつかの注意点があります。
連帯保証人(れんたいほしょうにん)とは、借金をした人が返済できなくなった場合に、代わりに返済する義務を負う人のことです。
もし、主たる債務者(借金をした人)が返済できなくなると、連帯保証人にも返済義務が生じます。
自己破産手続き中の差し押さえについて
弁護士に自己破産の手続きを依頼し、受任通知(じゅにんつうち)が送付された後であっても、国税(国が徴収する税金のこと)による差し押さえが行われる可能性はあります。
受任通知は、弁護士が依頼を受けたことを債権者(お金を貸した人など)に知らせるものであり、直ちに差し押さえを止める効力はありません。
差し押さえは、税金の滞納に対して行われる、国税の重要な手段の一つです。
差し押さえには、給与や預貯金、不動産など、様々な財産が対象となる可能性があります。
自己破産の申し立てを行うまでの間に、国税が差し押さえを行うかどうかは、個々の状況や税務署の判断によります。
税務署は、滞納されている税金の額や、滞納者の財産状況などを考慮して、差し押さえを行うかどうかを決定します。
自己破産と税金の関係
自己破産をしても、全ての税金が免除されるわけではありません。
税金には、自己破産の手続きによっても支払義務が残るもの(非免責債権(ひめんせきさいけん)といいます)と、免除される可能性があるものがあります。
一般的に、所得税や住民税などの税金は、非免責債権に該当し、自己破産によっても支払義務が残ることが多いです。
ただし、例外的に、税金の種類や状況によっては、免除される可能性もあります。
この点は、専門家である弁護士に相談し、ご自身の状況に合わせて確認することが重要です。
関連する法律と制度
自己破産に関する主な法律は、破産法(はさんほう)です。
破産法は、破産手続きの流れや、免責(めんせき:借金の支払いを免除すること)の条件などを定めています。
税金に関する主な法律は、国税通則法(こくぜいつうそくほう)や、それぞれの税に関する法律(所得税法、法人税法など)です。
これらの法律は、税金の徴収方法や、滞納した場合の対応などを定めています。
また、自己破産の手続きにおいては、民事再生法(みんじさいせいほう)などの他の債務整理(さいむせいり:借金を整理するための手続きの総称)の手続きと比較検討することも重要です。
民事再生は、借金を減額してもらい、残りの借金を分割で支払っていく手続きです。
自己破産とは異なり、原則として税金の支払義務が残りますが、財産を維持できる可能性があります。
誤解されがちなポイント
自己破産をすれば、全ての借金が帳消しになるわけではありません。
税金だけでなく、養育費や悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権なども、原則として免除されません。
また、自己破産の手続き中は、一部の職業に就けなくなるなどの制限を受ける場合があります。
自己破産をすると、信用情報機関(しんようじょうほうきかん)に事故情報が登録され、一定期間、新たな借入やクレジットカードの利用などができなくなる可能性があります。
これは、自己破産をした人の信用力を判断するためのもので、金融機関などが融資の可否を判断する際に参照します。
実務的なアドバイスと具体例
自己破産を検討している場合、まずは専門家である弁護士に相談することが重要です。
弁護士は、ご自身の状況を詳しく聞き取り、自己破産のメリット・デメリットや、他の債務整理の方法などについてアドバイスをしてくれます。
また、弁護士に依頼することで、債権者との交渉や、裁判所への書類作成などの手続きを任せることができます。
税金の滞納がある場合は、税務署に相談することも検討しましょう。
税務署は、滞納している税金の支払いを猶予(ゆうよ:支払いを待ってもらうこと)したり、分割払いを認めるなどの対応をしてくれる場合があります。
ただし、税務署との交渉は、ご自身の状況や、税務署の判断によります。
具体例として、Aさんは税金の滞納があり、自己破産を検討していました。
Aさんは、弁護士に相談し、自己破産の手続きを依頼しました。
弁護士は、受任通知を送付し、税務署との交渉も行いました。
その結果、Aさんは、自己破産の手続きを進めながら、税務署との間で分割払いの合意を取り付けることができました。
専門家に相談すべき場合とその理由
自己破産や税金の問題は、複雑で専門的な知識が必要となる場合があります。
以下のような場合は、専門家である弁護士や税理士に相談することをお勧めします。
- 自己破産を検討しているが、手続きの流れや、ご自身の状況で自己破産できるのかどうかなど、不安がある場合
- 税金の滞納があり、今後どうすればよいのか悩んでいる場合
- 連帯保証人になっていて、主たる債務者が返済できなくなった場合
- 複数の借金を抱えていて、どの債務整理の方法が最適か判断に迷う場合
弁護士は、自己破産の手続きに関する専門知識を持っており、ご自身の状況に合わせて、最適なアドバイスをしてくれます。
また、税理士は、税金に関する専門知識を持っており、税金の滞納問題について、適切なアドバイスをしてくれます。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回の質問の重要ポイントをまとめます。
- 自己破産の手続き中でも、国税による差し押さえが行われる可能性があります。
- 税金は、自己破産をしても原則として支払う義務が残ります(非免責債権)。
- 連帯保証人の場合、主たる債務者の状況も考慮して、自己破産を検討する必要があります。
- 自己破産や税金の問題で困った場合は、専門家(弁護士や税理士)に相談しましょう。
自己破産は、人生における大きな決断です。
ご自身の状況をしっかりと把握し、専門家のアドバイスを受けながら、慎重に進めていくことが大切です。

