遺産分割協議で揉める兄妹…円満解決への道標：生命保険と不動産を巡る相続トラブル

年末に父が亡くなり、私（兄：33）と妹（28）で遺産分割をしないといけない状況です。（母は既に他界）年末から銀行と職場等で相続手続きをし、やっと大体の遺産総額が見えてきました。これから遺産分割ですが、私が受け取り人になっている生命保険があり、その他を1／2しても妹の方が少なくなるため、妹は不服に思っています。そこで私は、法的な分け方と違い、不動産は入れず保険金を含めたお金を半分にしようと考え、年末よりお願いしていた税理士に依頼し、金額の計算と相続税の計算をお願いしました。その計算書を見せて妹と話し合いですが、私達はそもそも仲が悪く、会話が少ないので意志の疎通ができません。妹は自分の方が少ないと思って不服に思っているため尚更で、ラインにすら返信があまりない状況です。そんな中、家族会議をしたいと妹から連絡があり、祖父母や叔父を入れて、妹と祖父母の住む実家で遺産の話をしたいということでした。私は葬儀以降、祖父や妹と喧嘩になっていることもあり、実家には行きたくありませんし、また喧嘩になることが目に見えます。そこで、税理士事務所に２人で行って、そこで話をしよう。家族より第三者がいて、家じゃなく外の方が喧嘩になりにくいだろう。税理士は弁護士ではないから意見は言ってこない。とラインでメッセージを送ったのですが、その意見には耳を貸さず、家に来いの一点張りです。私は喧嘩になるのが目に見えているのですが…どうしたらいいでしょうか。アドバイスをお願いいたします。

税理士事務所で話し合い、合意形成を図る。それでも解決しない場合は弁護士に相談。

１．相続と遺産分割の基礎知識

相続とは、被相続人（亡くなった人）の財産が、相続人（法律上の相続権を持つ人）に引き継がれることです。相続人は、民法によって定められています。配偶者、子、父母などが該当します。今回のケースでは、質問者様と妹さんが相続人となります。

遺産分割とは、相続人複数の場合、相続財産を相続人同士でどのように分けるかを決める手続きです。遺産には、預貯金、不動産、株式、生命保険金など、様々なものが含まれます。法定相続分（法律で決められた相続割合）に従って分割するのが一般的ですが、相続人同士で話し合って自由に分割することも可能です。

２．今回のケースへの直接的な回答

質問者様は、生命保険金を含めた現金部分を均等に分割することを提案されていますが、これは法定相続分とは異なる分割方法です。不動産の価値やその他の財産の価値を考慮せずに、単純に現金部分を２分割することは、必ずしも公平な分割とは言えません。妹さんが納得しないのも無理はありません。

まずは、税理士作成の計算書を基に、遺産全体の価値を明確に示し、法定相続分に基づいた分割案を示すことが重要です。その上で、生命保険金を含む現金部分を均等に分割する案も提示し、妹さんとじっくり話し合う必要があります。

３．関係する法律・制度

今回のケースに関係する法律は、主に民法（相続に関する規定）です。民法では、相続人の相続分、遺産分割の方法などが規定されています。相続税法も関係しており、相続財産の評価や相続税の計算が必要になります。

４．誤解されがちなポイントの整理

「税理士は弁護士ではないから意見を言わない」という考えは、必ずしも正しくありません。税理士は法律の専門家ではありませんが、相続税の計算や遺産分割に関するアドバイスを行うことは可能です。ただし、法的紛争の解決や法的アドバイスは弁護士の役割です。

５．実務的なアドバイスと具体例の紹介

* **具体的な分割案を作成する:** 不動産の評価額、預貯金、生命保険金、その他の財産を明確に記載した分割案を作成しましょう。法定相続分と、質問者様の提案する分割案の両方を提示すると良いでしょう。
* **冷静な話し合いを行う:** 感情的な言葉遣いを避け、冷静に事実を伝え、それぞれの意見を丁寧に聞きましょう。話し合いが難航する場合は、第三者（税理士など）を交えることが有効です。
* **記録を残す:** 話し合いの内容や合意事項は、必ず書面で記録に残しましょう。後々のトラブルを防ぐためにも重要です。
* **弁護士への相談を検討する:** 話し合いがまとまらない場合は、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、法的観点から適切なアドバイスを行い、必要であれば裁判手続きを支援します。

６．専門家に相談すべき場合とその理由

話し合いが全くまとまらない場合、または、相続財産に複雑な要素（高額な不動産、事業承継など）が含まれる場合は、弁護士に相談することが必要です。弁護士は、相続に関する専門知識を持ち、紛争解決の経験も豊富です。

７．まとめ（今回の重要ポイントのおさらい）

遺産分割は、感情的な問題が絡みやすく、複雑な手続きです。法定相続分を理解し、具体的な分割案を作成し、冷静な話し合いを行うことが重要です。それでも解決しない場合は、税理士や弁護士などの専門家に相談しましょう。妹さんとの関係修復も念頭に置き、双方が納得できる解決を目指してください。感情的にならず、まずは冷静に、そして専門家の力を借りながら、相続手続きを進めていきましょう。