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遺産分割協議の成立要件と、悪質な相続対策への対処法:家族会議と名目変更の罠

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このような、不誠実な方法で進められた会議でも遺産分割協議は成立してしまうのでしょうか? 夫のその場での発言は無効にはならないのでしょうか? 不安です。
遺産分割協議とは、被相続人(亡くなった人)の遺産を相続人(法律で定められた相続権を持つ人)間でどのように分けるかを決めるための合意のことです。 民法では、相続開始(被相続人が亡くなった時点)から相続人全員が遺産分割協議を行い、遺産を分割するよう定めています。 協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます(調停:当事者間の話し合いを裁判官が助ける手続き)。 遺産分割協議が成立するには、相続人全員の合意が必要です。 合意の内容は、書面(遺産分割協議書)にまとめることが一般的で、署名・捺印がなされます。 書面がない場合でも、合意の内容が明確であれば、口頭での合意でも成立すると認められる可能性はありますが、証拠が重要になります。
質問者様のケースでは、会議の目的が事前に伝えられておらず、遺産分割協議という言葉も使われておらず、署名・捺印も行われていません。 そのため、遺産分割協議は成立していません。 夫が途中で退席したことも、合意がないことを示す重要な証拠となります。 兄弟たちが「成立した」と考えているのは、単なる思い込みです。
民法第900条以下(遺産分割)が関係します。この法律では、相続人全員の合意によって遺産分割を行うことを定めています。 合意がなければ、遺産分割協議は成立しません。
「家族会議」という名目や、相続人全員が参加していたこと、事前に遺産分割協議が行われることを知っていたことなどが、遺産分割協議の成立を意味するものではありません。 重要なのは、相続人全員の自由意思に基づく合意と、その合意の内容が明確であることです。 署名・捺印は、合意の証拠として非常に重要ですが、必ずしも必須ではありません。しかし、書面がない場合は、合意があったことを証明する他の証拠が必要になります。
兄弟たちが、遺産分割協議が成立したと主張してきた場合、その主張を反証する証拠を集めることが重要です。 例えば、会議の内容を記録したメモや、会議に出席した他の人の証言などが考えられます。 弁護士に相談し、法的措置を検討することもできます。 また、今後の遺産分割協議においては、弁護士などの専門家を介して行うことを強くお勧めします。
今回のケースのように、相続に関するトラブルは、複雑で専門的な知識が必要となる場合があります。 特に、相手方が悪意を持って行動している可能性がある場合は、弁護士などの専門家に相談することが重要です。 専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、必要に応じて法的措置をサポートしてくれます。
遺産分割協議は、相続人全員の自由意思に基づく合意が不可欠です。 署名・捺印は合意の証拠として重要ですが、それだけで成立するわけではありません。 今回のケースでは、合意が成立していないため、遺産分割協議は無効です。 不当な相続対策に対しては、弁護士などの専門家に相談し、適切な対応を取ることをお勧めします。 証拠集めは早急に、そして慎重に行いましょう。
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