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遺産分割協議前でも可能?不動産名義変更の落とし穴と対策

【背景】
母が亡くなり、相続人は私と妹の二人です。母は土地を借地権で所有し、建物は母名義でした。遺産分割協議はまだ行っていません。

【悩み】
先日、法務局で土地の名義を調べたところ、既に妹の名義に変更されていました。遺産分割協議前でも、単独で不動産の名義変更はできるのでしょうか?もしできるなら、どのような手続きが必要なのでしょうか?また、私としては、妹が勝手に名義変更をしたことに納得できません。どうすれば良いでしょうか?

遺産分割協議前に単独で名義変更は原則できません。協議、もしくは裁判が必要です。

相続と不動産名義変更の基本

相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律上の承継者)に引き継がれることです。不動産も財産の一つなので、相続の対象となります。相続が発生すると、相続人はまず遺産分割協議(相続人同士で遺産の分け方を話し合うこと)を行い、誰がどの財産を相続するかを決めます。この協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができます。調停が不成立の場合は、裁判になります。

不動産の名義変更は、所有権の移転登記(所有者が変わったことを法務局に登録すること)を行うことで行われます。相続による名義変更の場合、遺産分割協議が完了し、誰がどの不動産を相続するか確定した後に、その相続人が所有権移転登記の手続きを行います。

今回のケースへの回答:遺産分割協議が必須

質問者様のケースでは、遺産分割協議がまだ行われていないにも関わらず、妹さんが単独で土地の名義変更を行っているため、これは原則として認められません。 相続財産である不動産の所有権は、相続開始(母の死亡)時点ですべての相続人に共有で帰属します(民法第890条)。そのため、相続人全員の合意なしに、一方的に名義変更することはできません。

関係する法律:民法、不動産登記法

この問題には、民法(特に相続に関する規定)と不動産登記法が関係します。民法は相続の発生や相続人の権利義務を規定し、不動産登記法は不動産の所有権の登記手続きを規定しています。妹さんの行為は、これらの法律に違反する可能性があります。

誤解されがちなポイント:単独での名義変更

「相続人が一人であれば、遺産分割協議なしで名義変更できる」と誤解されることが多いです。しかし、相続人が複数いる場合、たとえその不動産が特定の相続人に相続されることが決まっていたとしても、遺産分割協議を経ずに単独で名義変更することはできません。

実務的なアドバイス:法的措置の検討

妹さんがどのように名義変更を行ったのか、詳細を確認する必要があります。もし、偽造や不正な手段を用いた場合は、警察への被害届の提出も検討すべきです。また、弁護士に相談し、妹さんに対して名義変更の取消しを求める訴訟などを検討することも可能です。

専門家に相談すべき場合

遺産分割協議が難航している場合、または、不正な名義変更があったと疑われる場合は、弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、手続きをサポートしてくれます。

まとめ:相続手続きは慎重に

相続手続きは複雑で、法律の知識がなければトラブルに巻き込まれる可能性があります。遺産分割協議は、相続人全員の合意に基づいて行うことが重要です。もし、問題が発生した場合は、すぐに専門家に相談し、適切な対応を取るようにしましょう。 今回のケースのように、一方的な名義変更は法律違反となる可能性が高く、早急な対応が必要です。 相続に関する手続きは、専門家の力を借りながら、慎重に進めることが大切です。

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