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遺産分割協議後でも相続放棄は可能?放棄記述の注意点と法的解説

【背景】
父が亡くなり、遺産分割協議を行いました。相続人は私と兄の二人です。協議の結果、遺産分割協議書を作成し、サインと印鑑を押しました。しかし、相続財産の中に、管理が難しく、売却しても利益がほとんど見込めない土地が含まれていました。この土地の管理に負担を感じています。

【悩み】
遺産分割協議書で相続人全員が合意した後に、私だけがその土地の相続を放棄することは可能でしょうか?もし可能であれば、遺産分割協議書に「AはXを放棄する。XはA以外の相続人が共有取得する」と書くだけで良いのでしょうか?法的に問題はないか心配です。

原則可能ですが、協議書の内容と法的な手続きが必要です。

回答と解説

テーマの基礎知識:遺産分割協議と相続放棄

遺産分割協議とは、相続人全員が話し合って、相続財産をどのように分けるかを決める手続きです。協議が成立すれば、その内容に従って遺産が分配されます。遺産分割協議書は、この合意内容を記録した書面です。

相続放棄とは、相続人が相続財産を受け継がないことを意思表示することです。相続放棄には、家庭裁判所への申述が必要ですが、今回の質問は家庭裁判所を通さない、遺産分割協議後の放棄についてです。

今回のケースへの直接的な回答

遺産分割協議後であっても、相続人が相続財産の全てまたは一部の放棄を行うことは、原則として可能です。ただし、既に作成済みの遺産分割協議書の内容を変更する必要があるため、他の相続人の同意を得る必要があります。

関係する法律や制度

民法(特に第900条~第910条)が相続と遺産分割に関する規定を定めています。相続放棄については、民法第915条~第921条に規定があります。

誤解されがちなポイントの整理

「遺産分割協議書に記載すれば良い」という誤解は危険です。遺産分割協議書はあくまで合意書であり、法律上の効力そのものは、民法上の相続の規定に基づきます。協議書に「放棄」と記載しただけでは、法的に有効な放棄とはなりません。後から争いが発生する可能性があります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

相続人全員で改めて協議を行い、相続放棄について合意する必要があります。その合意内容を新しい遺産分割協議書に反映させるか、補足する形で既存の協議書に追加条項を設ける必要があります。

例えば、以下のように記述できます。

* **「当初の遺産分割協議書において、AはXを相続すると合意していたが、その後AはXの相続を放棄することに同意を得た。よって、XはBが単独で相続する。」**

この場合、単なる「放棄」の記述ではなく、誰がどのように相続するかを明確に記述することが重要です。

専門家に相談すべき場合とその理由

遺産分割協議は、複雑な法的な問題を含む場合があります。特に、高額な財産や多くの相続人がいる場合、または相続財産に複雑な権利関係がある場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、法的なリスクを最小限に抑え、円滑な遺産分割を支援します。特に、今回のケースのように、既に協議書を作成済みで、後からの変更となる場合は、専門家の助言が不可欠です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

遺産分割協議後でも相続放棄は可能ですが、他の相続人の同意と、法的に有効な手続きが必要です。「放棄」と簡単に書くだけでは不十分で、新しい合意に基づいた明確な記述が必要です。複雑なケースでは、専門家の助言を受けることを強く推奨します。 相続問題は、感情的な問題と法的な問題が複雑に絡み合っているため、冷静な判断と適切な手続きが非常に重要です。

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