- Q&A
遺産分割協議後の相続登記:複数相続人における単独申請の可否と注意点

共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック【悩み】
不動産の共有者である私(A)が、遺産分割協議書と必要な書類を添付して、単独で相続登記の申請をすることは可能でしょうか? 他の相続人(BとC)の同意は必要ないのでしょうか? また、遺言があった場合でも同様のことが可能でしょうか? 以前、法定相続分での共同相続登記でなければ保存行為(民法252条但書)は認められないという意見を見かけたので、不安です。
相続登記とは、亡くなった方の不動産の所有権を相続人に移転することを登記所(法務局)に登録することです。相続が発生すると、相続人は相続登記を行うことで、法律上、正式に不動産の所有者となります。 遺産分割協議とは、相続人同士で遺産(不動産、預金など)をどのように分けるかを決める合意のことです。 この協議がまとまれば、その内容に基づいて相続登記を行います。
質問者様のケースでは、遺産分割協議で不動産の共有と預金の相続が決定しています。この場合、不動産を相続したAさんは、単独で相続登記の申請を行うことができます。 ただし、これは「遺産分割協議が成立し、その内容が明確に書面(遺産分割協議書)に記載されている」ことが前提です。 協議書には、各相続人の相続する財産と持分が明確に記載されている必要があります。
民法252条但書は、相続登記に関する重要な条文です。この条文は、相続人が複数いる場合でも、相続人全員の同意がなくても、ある一定の条件下で単独で相続登記申請ができることを認めています。 質問者様のケースでは、この但書に基づいて単独申請が可能となる可能性が高いです。 ただし、但書の内容を満たすためには、遺産分割協議が適正に行われ、その内容が明確な協議書に記載されている必要があります。
「法定相続分での共同相続登記でなければ保存行為は許されない」という誤解は、遺産分割協議がされていない、もしくは協議内容が不明確な場合に生じやすいです。 遺産分割協議が成立し、その内容が明確な協議書に記載されていれば、法定相続分とは異なる割合でも、単独申請は可能です。 重要なのは、協議書が法的効力を持つ有効なものであることです。
相続登記申請には、遺産分割協議書以外にも、相続関係を証明する戸籍謄本、被相続人の死亡を証明する除籍謄本、固定資産税評価証明書など、様々な書類が必要です。 これらの書類を揃えてから、法務局に申請を行いましょう。 申請手続きに不安がある場合は、司法書士などの専門家に依頼することをお勧めします。 専門家は、書類作成から申請手続きまで、全てをサポートしてくれます。
遺産分割協議の内容に複雑な点があったり、相続人同士で意見が対立している場合、相続財産に高額な不動産が含まれている場合などは、専門家に相談することを強くお勧めします。 専門家であれば、法律的な問題点を的確に判断し、適切なアドバイスをしてくれます。 また、相続手続きは複雑で、書類の準備や申請手続きに時間がかかるため、専門家のサポートを受けることで、スムーズに手続きを進めることができます。
遺産分割協議が成立し、その内容が明確な協議書に記載されていれば、複数相続人の場合でも、不動産の相続人である一人が単独で相続登記の申請を行うことが可能です。 ただし、必要な書類を全て揃えること、そして手続きに不安がある場合は専門家に相談することが重要です。 相続登記は、相続財産の所有権を明確にする重要な手続きです。 スムーズに進めるためにも、事前の準備と専門家の活用を検討しましょう。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック