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遺産分割協議書は不動産だけ?預貯金は記載不要?義父の遺産相続と司法書士の助言

【背景】
* 同居していた義父が亡くなりました。
* 遺産は不動産(住まい)と預貯金(約300万円)があります。
* 長男(質問者の夫)が不動産を相続、預貯金は義姉2人と夫の3人で分割することに合意しました。
* 銀行での預貯金の分割手続きは既に開始しています。

【悩み】
司法書士から、遺産分割協議書には不動産のみを記載し、預貯金は記載しなくても良いと言われました。預貯金の分割についても合意済みなのに、協議書に記載しないのは正しいのでしょうか?

預貯金も記載すべきです。

遺産分割協議と遺産分割協議書について

遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)とは、相続人(相続財産を受け継ぐ権利を持つ人)が話し合って、遺産をどのように分けるかを決めることです。 相続財産には、不動産(土地や建物)、預貯金、株式、自動車など、様々なものが含まれます。 この協議の結果を文書にしたものが、遺産分割協議書です。 遺産分割協議書は、相続開始後(被相続人が亡くなった後)に作成され、相続人全員の署名・押印(または署名のみ、電子署名など)が必要です。

今回のケースへの回答:預貯金も記載すべき理由

司法書士の助言は、必ずしも正しいとは言えません。 預貯金についても相続人全員で分割することに合意しているにも関わらず、協議書に記載しないのは、将来トラブルの元になりかねません。

銀行の手続きが完了したからといって、遺産分割協議書に記載する必要がないわけではありません。 銀行の手続きは、あくまで預貯金の分配に関する手続きであり、法的効力を持つ遺産分割協議とは別物です。 遺産分割協議書は、相続に関する全ての事項を明確に記載しておくべきです。 仮に、将来、相続に関する何らかの問題が発生した場合、遺産分割協議書は重要な証拠となります。 預貯金が少額だからといって、軽視すべきではありません。

民法における遺産分割と相続

民法(日本の法律)では、相続開始によって相続人が相続財産を相続する権利を得ます。 相続財産は、原則として相続人全員で共有状態となります。 この共有状態を解消するために、遺産分割協議が行われます。 遺産分割協議は、相続人全員の合意によって行われます。 合意が成立すれば、遺産分割協議書を作成し、その内容に従って遺産分割が完了します。 合意が成立しない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができます。

誤解されがちなポイント:協議書に記載しないことの危険性

「話し合いで決まっているから」「銀行手続き済みだから」という理由で、遺産分割協議書に預貯金などの記載を省くことは、将来的なトラブルのリスクを高めます。 例えば、

* 遺産分割協議書に記載されていないため、相続税の申告に漏れが生じる可能性がある。
* 将来、相続人間に何らかの紛争が生じた場合、合意内容の証拠が不足し、不利な状況になる可能性がある。
* 協議書に記載がないことで、相続人の中に、後で「自分は預貯金の分配について合意していない」と主張する人が出てくる可能性がある。

実務的なアドバイス:遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書には、以下の事項を明確に記載する必要があります。

* 被相続人(亡くなった方)の氏名、住所、生年月日
* 相続人(相続する権利を持つ人)の氏名、住所、生年月日、続柄
* 相続財産の明細(不動産の住所、地番、預貯金の口座番号、金額など)
* 各相続人の相続分(誰がどの財産を相続するか)
* 署名・押印(または署名のみ、電子署名など)
* 作成日

専門家に相談すべき場合

相続は複雑な手続きを伴うため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。 特に、相続財産に高額な不動産が含まれている場合、相続税の申告が必要な場合、相続人間に何らかの争いがある場合は、司法書士や弁護士に相談することをお勧めします。

まとめ:遺産分割協議書は全ての遺産を明確に

遺産分割協議書は、相続に関する全ての事項を明確に記載しておくことが重要です。 たとえ少額の預貯金であっても、合意内容を明確に記載することで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。 司法書士の助言に疑問を感じたら、他の専門家にも相談し、ご自身の権利を守りましょう。 相続は一生に一度の大きな出来事であり、後悔のないよう慎重に進めることが大切です。

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