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遺産分割協議書:不動産登記だけ先に進めることは可能?預金と不動産の相続手続きを徹底解説

質問の概要

私は現在、遺産分割協議書を作成しています。相続財産には預金と不動産があります。不動産の相続登記だけを先に進めたいと考えているのですが、不動産の部分だけを記載した遺産分割協議書を作成して法務局に提出することは可能でしょうか?

短い回答

不動産のみを記載した遺産分割協議書は法的に有効ではありません。全相続財産を記載した協議書が必要です。

遺産分割協議書と相続登記の関係

遺産分割協議書とは、相続人全員が相続財産の分け方を決めたことを書面で確認するものです。 相続財産には、預金、不動産、株式など様々なものがあり、それらをどのように相続人が分けるのかを具体的に記載します。この協議書は、相続登記を行う上で必須の書類となります。 相続登記とは、不動産の所有権を法的に確定し、登記簿に記録することを言います(登記簿:不動産の所有者や権利関係を記録した公的な帳簿)。 相続登記を進めるには、遺産分割協議書で相続財産の分割内容が明確に示されている必要があります。

不動産のみの記載は認められない理由

質問者様は不動産の相続登記だけを先に進めたいと考えておられますが、不動産のみを記載した遺産分割協議書は法的に有効ではありません。 なぜなら、遺産分割協議書は、相続財産全体について相続人の合意を明らかにする必要があるからです。不動産だけを記載し、預金などの他の財産については触れない場合、残りの財産の分割方法が不明確となり、将来トラブルが発生する可能性があります。 法務局は、相続財産全体を網羅した遺産分割協議書を提出するよう求めます。不完全な協議書では、登記は受け付けてもらえません。

関係する法律:民法

この件に関わる法律は、日本の民法です。民法では、相続財産の分割について、相続人全員の合意に基づいて行うことを定めています。 この合意は、遺産分割協議書という書面で明確に示すことが一般的です。 不動産の登記は、この合意に基づいて行われるため、合意内容が不完全な場合は登記はできません。

誤解されがちなポイント:部分的な協議

「不動産だけ先に処理したい」という気持ちはよく分かります。しかし、遺産分割協議書は、相続財産全体を対象とした包括的な合意を示す書類です。部分的に合意を取りまとめても、法的には不十分です。 不動産の登記を急ぐあまり、部分的な協議書を作成してしまうと、後々トラブルにつながる可能性があります。

実務的なアドバイス:全体像を把握してから協議

まず、全ての相続財産を明確に把握することが重要です。預金残高、不動産の評価額、その他有価証券など、全ての財産をリストアップしましょう。 その上で、相続人全員で話し合い、それぞれの財産の分割方法を決定します。 協議がまとまったら、その内容を正確に遺産分割協議書に記載します。 専門家(弁護士や司法書士)に相談しながら作成を進めることをお勧めします。

専門家に相談すべき場合

相続財産に複雑な要素が含まれている場合(例えば、高額な不動産、複数の相続人、未成年相続人など)、専門家のサポートが必要になります。 また、相続人同士で意見が合わず、協議が難航している場合も、専門家の介入が有効です。 弁護士や司法書士は、遺産分割協議書の作成、相続登記の手続き、相続に関する紛争解決など、幅広いサポートを提供してくれます。

まとめ:相続手続きは全体像を捉えて

不動産の相続登記を急ぐ気持ちは理解できますが、遺産分割協議書は相続財産全体を対象とした合意書であることを理解しましょう。 不動産のみの記載は認められず、預金などの他の財産についても記載する必要があります。 相続手続きは複雑なため、必要に応じて専門家に相談し、スムーズに進めることをお勧めします。 焦らず、正確な手続きを進めることが、将来のトラブルを防ぐことにつながります。

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