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遺産分割協議未了の不動産売却:弟からの圧力と今後の対応策

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* 弟が業者に持ち分を売却した場合、私たち(母と私)は業者からの退去請求に応じる義務があるのか?
* 過去の判決で遺産分割協議が完了しているとみなされた場合、弟の業者への売却は遺産分割協議の完了を意味するのか?
不動産を複数人で共有する状態を「共有不動産」(共同所有)といいます。共有不動産の所有者は、それぞれ自分の持分について自由に処分できます(共有持分の譲渡)。ただし、共有関係にある他の共有者には、その処分について事前に知らせる義務はありません。
遺産分割とは、相続人が亡くなった被相続人の財産を相続する際、相続人同士で話し合って財産の分け方を決める手続きです。遺産分割協議が成立すると、相続財産は各相続人の所有物となり、共有関係は解消されます。遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停が不成立の場合は、訴訟(遺産分割訴訟)になります。
① 弟が共有持分を業者に売却した場合、その業者から退去請求された場合、残念ながら応じる義務があります。共有持分を売却された時点で、その業者は新たな共有者となり、あなた方母子と業者の共有状態になります。業者としては、自分の持分に応じた権利を行使できます。
② 過去の判決で「遺産分割協議自体は適正に行われ、成立していて」という記述があったとしても、それは過去の時点での判断です。弟が業者に売却したからといって、自動的に遺産分割協議が完了したとはみなされません。遺産分割協議は、相続人全員で合意して財産の分配方法を決定する必要があります。
* **民法(共有に関する規定):** 共有不動産の管理、処分に関するルールが定められています。
* **民法(相続に関する規定):** 遺産分割協議、遺産分割調停、遺産分割訴訟の手続きが定められています。
「遺産分割協議が完了している」と裁判所が判断したとしても、それは過去の時点での判断であり、その後、新たな事実(例えば、弟の業者への売却)が発生すれば、状況は変化します。裁判所の判断は、その時点での事実関係に基づいており、将来の状況を予測するものではありません。
弟が業者に売却する前に、弁護士に相談し、法的措置を検討することをお勧めします。例えば、売却価格が不当に低い場合は、売却差し止めを求める仮処分を申し立てることも可能です。また、売却後も、業者との交渉や裁判を通じて、権利を守ることができます。
具体例として、仮に弟が1300万円で売却し、あなた方がその業者から買い戻す場合、業者との交渉で、買い戻し価格を下げる努力が必要です。専門家の力を借り、市場価格を調査し、交渉の材料とするべきです。
今回のケースは、法律的な知識と交渉力が必要な複雑な問題です。弁護士や不動産専門家に相談することで、適切なアドバイスを受け、自分の権利を守ることができます。特に、法的措置を検討する場合や、業者との交渉が難航する場合は、専門家のサポートが不可欠です。
* 弟が共有持分を売却しても、遺産分割協議は自動的に完了しません。
* 業者からの退去請求には応じる義務があります。
* 弁護士などの専門家に相談し、法的措置や交渉戦略を検討することが重要です。
今回のケースは、遺産分割協議が未了のまま不動産の売却が行われようとしているという、非常にデリケートな状況です。早急に専門家にご相談いただき、ご自身の権利をしっかりと守るようにしてください。
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