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遺産分割調停は一回で終わる?法定相続分請求の場合の進め方と注意点

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遺産分割調停を申し立てようと思っています。法定相続分(相続人が平等に相続する権利)のみを請求するつもりです。調停は一回で終わるものなのでしょうか?何回も裁判所に行かなければならないのか不安です。
遺産分割調停とは、相続人同士が遺産の分け方について話し合い、合意に至るための裁判外紛争解決手続きです(調停:当事者同士が話し合って解決を目指す手続き)。裁判とは異なり、裁判官が強制的に判決を出すことはありません。調停委員(裁判官や弁護士などの専門家)が話し合いの進行を助け、合意形成をサポートします。
遺産分割は、相続開始(被相続人が亡くなった時)から10年を経過すると時効となり、請求できなくなります。そのため、早めの対応が重要です。
法定相続分のみを請求する場合でも、調停は必ずしも一回で終わるとは限りません。相続財産の内容や相続人の人数、相続人同士の関係性などによって、話し合いが必要な回数は大きく変わります。
例えば、相続財産に不動産が含まれる場合、その評価額を算出するのに時間がかかったり、相続人同士の感情的な問題が絡んで話し合いが難航したりすることもあります。
遺産分割調停は、民法(日本の私法の基本法)を基礎として行われます。特に、民法第900条以降の相続に関する規定が関係します。 また、調停手続きそのものは、民事訴訟法(裁判に関する手続きを定めた法律)に規定されています。
「調停は裁判より簡単で、一回で済む」という誤解は危険です。調停は裁判より形式は緩やかですが、相続問題のように感情が絡む複雑な問題では、複数回の期日(調停の開催日)を要することが一般的です。 また、調停が不成立に終わった場合、裁判に移行する可能性もあります。
調停をスムーズに進めるためには、事前に相続財産を明確に把握しておくことが重要です。不動産であれば登記簿謄本(不動産の所有状況が記載された公文書)、預貯金であれば残高証明書などを準備しましょう。また、相続人全員で話し合い、それぞれの主張を整理しておくと、調停委員も対応しやすくなります。
例えば、Aさん、Bさん、Cさんの3人で相続する場合、それぞれが法定相続分を主張した場合、調停委員はまず、相続財産の評価を行い、法定相続分に基づいた分割案を示します。その後、相続人同士でその案について協議し、合意に至ることを目指します。合意に至らない場合は、新たな案を提示したり、追加資料の提出を求めたりしながら、複数回の調停期日を経て合意を目指すことになります。
相続財産に高額な不動産が含まれている場合、複雑な債務がある場合、相続人同士の感情的な対立が激しい場合などは、弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、法的な知識に基づいて適切なアドバイスを行い、調停を円滑に進めるためのサポートをしてくれます。
遺産分割調停は、一回で終わる場合もありますが、複数回にわたることも珍しくありません。法定相続分のみの請求であっても、相続財産の状況や相続人同士の関係性によって、調停の期間は大きく変動します。スムーズな調停を進めるためには、事前の準備と、必要に応じて専門家の力を借りることが重要です。 不明な点があれば、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
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