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遺産分割調停中!土地・建物の私的売却は可能?【専門家が解説】

【背景】
父が亡くなり、相続が始まりました。相続財産には、土地とビルが含まれています。兄弟姉妹と遺産分割の話し合いを進めていますが、なかなかまとまらず、家庭裁判所で遺産分割調停(遺産分割協議がまとまらない場合、裁判所に調停を申し立てる手続き)が始まりました。私自身は、土地とビルを早く現金化して、自分の生活資金に充てたいと考えています。

【悩み】
遺産分割調停中ですが、自分の相続分として認められるであろう土地とビルの持分を、勝手に買取業者に売却することは法律上問題ないのでしょうか?もし問題がある場合、どのような点に注意すべきでしょうか?調停に影響が出たり、何か罰則があったりするのでしょうか?

原則として、できません。調停開始後は、相続財産の処分に制限があります。

1.相続と遺産分割の基礎知識

相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に承継されることです。相続財産には、預金、不動産(土地や建物)、株式など、様々なものが含まれます。遺産分割とは、相続人複数いる場合、相続財産を相続人同士でどのように分けるかを決定することです。遺産分割は、相続人全員の合意に基づく協議(遺産分割協議)で行うのが一般的ですが、協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

2.今回のケースへの直接的な回答

遺産分割調停が開始された後、相続財産を一方的に処分することは、原則として認められません。特に、調停の対象となっている土地や建物を、勝手に売却することは、調停の円滑な進行を妨げる行為とみなされ、他の相続人から裁判所に申し立てられる可能性があります。

3.関係する法律や制度

民法(特に相続に関する規定)が関係します。民法では、相続財産の共有(複数の相続人が共同で所有する状態)と、その分割について規定されています。遺産分割調停は、民事訴訟法に基づいて行われます。調停において、裁判所は、相続人それぞれの事情や、公平性を考慮して、遺産分割の方法を決定します。

4.誤解されがちなポイントの整理

「自分の持分だから自由に処分できる」という誤解は危険です。遺産分割調停中は、たとえ自分の相続分と確信していても、他の相続人の権利を侵害する可能性があります。また、売却によって得られた利益を、他の相続人に分配する義務が生じる可能性もあります。

5.実務的なアドバイスや具体例の紹介

調停開始前に売却を検討していた場合、調停開始前に売却しておくべきでした。調停開始後は、裁判所の許可を得るか、他の相続人全員の同意を得る必要があります。もし、どうしても売却が必要な事情がある場合は、裁判所にその事情を説明し、許可を求める必要があります。しかし、許可が下りるとは限りません。

6.専門家に相談すべき場合とその理由

遺産分割は複雑な手続きであり、法律的な知識が不可欠です。調停中に相続財産を処分したい場合、弁護士などの専門家に相談することが重要です。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、あなたの権利を守ってくれます。特に、相続財産の価値が高額な場合や、相続人間に複雑な事情がある場合は、専門家の助言が不可欠です。

7.まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

遺産分割調停中は、相続財産を勝手に処分することはできません。他の相続人の権利を侵害する可能性があり、調停の円滑な進行を妨げる行為とみなされる可能性があります。売却を希望する場合は、裁判所の許可を得るか、他の相続人全員の同意を得る必要があります。専門家の助言を得ながら、慎重に進めることが重要です。 難しい場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

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