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遺産分割:土地と建物の相続、合意と法定相続分の落とし穴を徹底解説!

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土地とビルの遺産分割は、私たち兄弟の合意さえあれば、どんな分け方でも良いのでしょうか?もし合意できない場合、裁判(審判)になったら、私たちの意思は完全に無視されて、法定相続分(法で決められた相続割合)で分割されてしまうのでしょうか?不安です。
遺産分割とは、相続人が亡くなった人の遺産(土地、建物、預金など)をどのように分けるかを決定することです。相続財産には、不動産(土地や建物)だけでなく、預金、株式、車など様々なものが含まれます。
遺産分割には大きく分けて、相続人全員による「協議による遺産分割」と、裁判所による「遺産分割調停」や「遺産分割審判」があります。
協議による遺産分割は、相続人全員が話し合って遺産の分け方を決める方法です。合意できれば、法定相続分(後述)に関係なく、自由に分割できます。例えば、土地を兄が、建物を私が相続するといった分割も可能です。
しかし、相続人の間で意見が一致しない場合、調停や審判という裁判手続きが必要になります。
質問者さんのケースでは、兄弟間で合意できれば、土地と建物の分け方は自由に決めることができます。しかし、合意ができない場合は、裁判所(家庭裁判所)で遺産分割調停または審判が行われます。その場合、原則として法定相続分を基準に分割が行われます。
遺産分割に関する法律は、民法(特に第900条以降)に規定されています。法定相続分は、相続人の数や親族関係によって決まる相続割合です。例えば、配偶者と子が2人いる場合、配偶者は1/2、子供はそれぞれ1/4といった具合です。相続人が兄弟姉妹のみの場合は、法定相続分は均等になります。
「法定相続分で必ず分割される」という誤解があります。実際には、法定相続分はあくまでも基準であり、裁判所も状況に応じて柔軟な判断をします。例えば、相続財産の状況、相続人の生活状況、特別な事情(例えば、高齢で介護が必要な相続人がいるなど)などを考慮して、法定相続分と異なる分割が認められる場合があります。
遺産分割がスムーズに進むためには、早い段階で相続人同士が話し合い、それぞれの希望や事情を伝え合うことが重要です。弁護士や税理士などの専門家に相談し、遺産の評価(不動産の価格査定など)や分割方法についてアドバイスを受けることも有効です。
例えば、土地と建物の価値が大きく異なる場合、現金の補償(金銭の授受)を行うことで、公平な分割を図ることも可能です。兄が土地を希望するが、建物の価値の方が高い場合は、兄が私に差額を支払うといった方法です。
相続問題は複雑で、法律的な知識や専門的な判断が必要なケースが多いです。特に、相続人間で意見が対立したり、高額な不動産を相続する場合などは、弁護士や税理士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、法的なリスクを回避し、相続手続きを円滑に進めるための適切なアドバイスを提供してくれます。
遺産分割は、合意できれば自由にできますが、合意できない場合は法定相続分が基準となります。ただし、裁判所は状況に応じて柔軟な判断をするため、必ずしも法定相続分通りになるとは限りません。専門家のアドバイスを受けることで、トラブルを回避し、円満な遺産分割を実現できる可能性が高まります。相続問題に不安を感じたら、早めに専門家に相談しましょう。
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