遺産相続で不利？遺言書があっても請求できる「遺留分」とは？億近い不動産相続のケースを徹底解説

【背景】
* 父親が亡くなり、母親も既に他界しています。
* 父親には後妻がおり、前妻（私の母）との間に生まれた私と妹がいます。
* 後妻との間にも2人の子供がいます。計4人の子供がいます。
* 父親は遺言書を残しており、遺産（土地・家屋等の不動産）を後妻の子供たちに譲ると記載されています。
* 遺産の不動産は億単位ではありませんが、それに近い金額です。
* 不動産は後妻の子供たちが住んで管理しています。
* 私たち姉妹は幼い頃から母子家庭で苦労してきました。

【悩み】
遺言書がある場合でも、私たち姉妹は「遺留分」を請求できるのでしょうか？請求できた場合、不動産しかない遺産に対してどのような手続きや結果になるのか知りたいです。

遺留分請求可能。不動産分割の可能性大。

回答と解説

テーマの基礎知識：遺留分とは何か？

まず、「遺留分」について理解しましょう。遺留分とは、法律で定められた相続人が最低限受け取ることができる遺産の割合です。遺言書で相続分をどのように分けるか決められていても、遺留分を侵害するような遺言は無効部分とされ、相続人は遺留分を請求できます。具体的には、相続人の種類（配偶者、子、父母など）によって遺留分の割合が異なります。

今回のケースでは、質問者様と妹さんは父親の子供であるため、法定相続人（法律で相続権が認められた人）です。そして、遺留分を請求する権利があります。

今回のケースへの直接的な回答：遺留分請求の可能性

質問者様のケースでは、父親の遺言書が後妻の子供たちに全遺産を譲渡する内容であっても、質問者様と妹さんは遺留分を請求できます。遺言書は、相続人の自由な意思表示を尊重する制度ですが、遺留分を侵害するような内容であれば、その部分は無効となります。

関係する法律や制度：民法

この問題は、日本の民法（特に相続に関する規定）に基づいて判断されます。民法では、遺留分とその請求方法、そして遺留分侵害の際の対応などが詳細に定められています。

誤解されがちなポイント：遺言書は絶対ではない

遺言書は、相続人の意思を尊重する大切な制度ですが、絶対的なものではありません。遺留分を侵害するような遺言は、法律によって制限されます。「遺言書があるから、もう何もできない」と諦めないでください。

実務的なアドバイスや具体例：不動産の分割

遺産が不動産のみの場合、遺留分を請求すると、不動産を分割する（共有にする）手続きが必要になる可能性が高いです。分割方法は、話し合いによる合意が最善ですが、合意ができない場合は、裁判所に不動産の分割を請求することになります。裁判所は、不動産の状況や相続人の状況などを考慮して、公正な分割方法を決定します。また、不動産の評価額を正確に算定する必要があるため、不動産鑑定士への依頼も検討しましょう。

専門家に相談すべき場合とその理由：複雑なケース

遺産の額が大きい場合、または相続人同士の関係が悪化している場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、法律的な知識に基づいて適切なアドバイスを行い、スムーズな相続手続きをサポートしてくれます。特に、不動産の分割は複雑な手続きとなる可能性があるため、専門家の助言は不可欠です。

まとめ：遺留分請求は権利です

遺言書があっても、遺留分を請求できる権利は放棄できません。相続手続きは複雑で、精神的な負担も大きいため、早めに行動し、必要であれば専門家の力を借りることが重要です。ご自身の権利を守るためにも、まずは弁護士や司法書士に相談し、状況を詳しく説明することをお勧めします。そして、冷静に、そして毅然とした態度で相続手続きを進めていきましょう。