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遺産相続の手続き委任状:法務局で通用する作成方法と注意点

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作成した委任状が法務局で通用するのか、不足している部分はないのか不安です。具体的にどのような点を修正すれば良いのか知りたいです。
遺産相続(相続によって財産を取得すること)の手続きは、複雑で専門的な知識を必要とします。そのため、相続手続きを専門家や信頼できる人に依頼したいと考える方が多くいます。その際に必要となるのが「委任状」です。委任状とは、ある人が他人に自分の代わりに何かをすることを委任する(権限を与える)ための文書です。遺産相続においては、法務局での名義変更手続きなど、委任状によって代理人に手続きを委任することができます。
質問者様の作成された委任状は、いくつかの点で修正が必要です。まず、物件の表示が不十分です。土地の所在地、面積、評価価格だけでなく、地番(土地の識別番号)や登記簿番号(土地の登記情報が記載された簿冊の番号)を明確に記載する必要があります。これがないと、法務局はどの土地の相続手続きを依頼されているのか特定できません。
さらに、委任事項も曖昧です。「書類の採取、閲覧」といった記述では、具体的にどのような書類を、どこから入手するのかが不明確です。戸籍謄本(戸籍の写し)、住民票、相続関係説明図(相続人の関係を示す図)など、必要な書類を具体的に列挙する必要があります。
また、委任状には委任期間を記載することが望ましいです。いつまで委任するのかを明確にすることで、トラブルを防ぐことができます。
委任状の作成と効力は、民法(契約に関する法律)によって規定されています。また、不動産の名義変更手続きは、不動産登記法(不動産の所有権などの登記に関する法律)に基づいて行われます。委任状が法的に有効であるためには、これらの法律に則って作成されている必要があります。
委任状には、委任者の署名と押印が必須です。ただし、委任状だけでは、委任者の本人確認ができない場合があります。そのため、委任状と合わせて、委任者の印鑑証明書(委任者が本人であることを証明する書類)を提出する必要があるケースがほとんどです。
以下に、より詳細な委任状の例を示します。
**委任状**
平成○○年○○月○○日
○○法務局殿
【委任者】
住所:○○県○○市○○町○○番地
氏名:○○ ○○
印鑑:
電話番号:○○-○○○○-○○○○
【受任者】
住所:○○県○○市○○町○○番地
氏名:○○ ○○
電話番号:○○-○○○○-○○○○
**委任事項**
私は、下記の物件に関する遺産相続手続きを、受任者○○ ○○に委任します。
【物件表示】
所在地:○○県○○市○○町○○番地 地番:○○番
登記簿番号:○○巻○○号
面積:○○㎡
評価価格:○○円
委任内容は、法務局における名義変更手続き、およびそれに伴う以下の書類の取得・提出です。
・戸籍謄本
・住民票
・相続関係説明図
・固定資産評価証明書
・印鑑証明書
委任期間:平成○○年○○月○○日から平成○○年○○月○○日まで
相続財産が複雑であったり、相続人同士で争いがある場合などは、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、法律的な知識と経験に基づいて、適切なアドバイスとサポートを提供してくれます。
遺産相続の手続きを委任する際には、委任状を正確に作成することが重要です。物件の特定、委任事項の明確化、委任期間の明記、委任者と受任者の情報、印鑑証明書の提出などを忘れずに行いましょう。不明な点がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。
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