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遺留分侵害請求と現金支払いの義務:音信不通の兄弟と相続トラブル解決への道

【背景】
父が亡くなり、公正証書遺言によって私たち兄弟(私と長男)が実家を相続しました。父には他に音信不通だった次男がいました。

【悩み】
音信不通だった次男から、遺留分の侵害を理由に、相続した家の土地の登記名義変更と現金での支払いを請求されました。しかし、私たちには現金で支払うだけの余裕がありません。裁判になったらどうなるのか、とても不安です。

次男の請求は認められる可能性が高いです。協議で解決を目指しましょう。

1.相続と遺留分の基礎知識

相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産が相続人に引き継がれることです。相続人は、法律で定められた順位(相続順位)に従って相続権を持ちます。 日本の法律では、配偶者と子(直系卑属)が優先的に相続人となります。

遺留分とは、相続人が最低限確保できる相続財産の割合のことです。 相続人が、遺言によって自分の取り分よりも少ない財産しか受け取れない場合でも、遺留分を確保できる権利があります。配偶者と子は、それぞれ相続財産の2分の1、4分の1の遺留分を有します。

今回のケースでは、次男は音信不通ではありましたが、相続人であることに変わりはありません。 そのため、遺言によって相続財産(実家)を長男と質問者で全て相続したとしても、次男には遺留分を請求する権利があります。

2.今回のケースへの直接的な回答

次男は、遺留分を侵害されたとして、その侵害分を請求する権利(遺留分減殺請求)を持っています。 遺言で次男への相続分がゼロであっても、遺留分は確保されます。

次男が「現金でくれないと訴える」と言っているのは、実家の土地をそのまま渡されても、現金化に時間がかかり、生活に困る可能性があるためです。 法律上、必ず現金で支払う必要はありませんが、次男が現金での支払いを希望している以上、協議の余地があります。

3.関係する法律や制度

民法(特に相続に関する規定)が関係します。 具体的には、民法第900条以下の遺留分に関する規定が重要です。 この法律に基づき、次男は遺留分減殺請求を行うことができます。

4.誤解されがちなポイントの整理

「音信不通だったから、遺留分を請求できない」というのは誤解です。 相続権は、相続人が音信不通であっても消滅しません。 連絡が取れないからといって、相続から除外することはできません。

5.実務的なアドバイスや具体例の紹介

まず、次男と話し合い、状況を説明し、できる範囲での解決策を探ることが重要です。 例えば、実家の土地の一部を売却し、その売却代金の一部を次男に支払う、もしくは、土地の共有持分を次男に譲渡するなどの方法が考えられます。 弁護士などの専門家の協力を得ながら、合意形成を目指しましょう。

6.専門家に相談すべき場合とその理由

次男との話し合いがうまくいかない場合、または、遺留分の計算や請求手続きが複雑な場合は、弁護士に相談することを強くお勧めします。 弁護士は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、裁判などの手続きをサポートしてくれます。 特に、裁判になった場合、専門家の知識と経験は不可欠です。

7.まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 音信不通であっても、相続人は相続権と遺留分を有する。
* 遺留分を侵害された場合、遺留分減殺請求を行うことができる。
* 現金での支払いが必ずしも義務付けられているわけではないが、協議の余地はある。
* 専門家(弁護士)の協力を得ながら、話し合いによる解決を目指すことが重要。
* 話し合いが不調に終わった場合、裁判になる可能性も考慮し、弁護士に相談することが必要。

今回のケースでは、次男の遺留分減殺請求は認められる可能性が高いため、早急に弁護士に相談し、次男との交渉、あるいは裁判への準備を進めるべきです。 感情的にならず、冷静に、そして法律に基づいた対応をすることが大切です。

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