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遺言で全財産を寄付!相続人はどうなる?母親と子供は何も受け取れないの?

【背景】
父が亡くなった後の遺産相続について心配しています。父は生前に、全財産を特定の団体に寄付するという内容の遺言書を作成し、弁護士に預けていたそうです。

【悩み】
父が亡くなった場合、母と私を含む子供たちは、遺産を全く相続できないのでしょうか?遺言書の内容が全て優先されるのか、法律的に何か救済措置はないのか知りたいです。

遺言書の内容次第で相続できない可能性があります。しかし、法定相続分(法律で定められた相続人の相続割合)や遺留分(最低限相続人が受け取れる割合)に関する法律も存在します。

遺言と相続の基礎知識:遺言の種類と効力

相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産(不動産、預金、有価証券など)が相続人(法律上の相続権を持つ人)に引き継がれることです。 相続の方法は大きく分けて、遺言によって財産の分配を決める方法と、遺言がない場合の法定相続(民法で定められた相続方法)があります。

遺言には、自筆証書遺言(すべて自筆で作成)、公正証書遺言(公証役場で作成)、秘密証書遺言(自筆で作成した遺言を弁護士などに預ける)など、いくつかの種類があります。今回のケースでは、父親が弁護士に預けた遺言書は秘密証書遺言の可能性が高いです。

遺言書が有効であれば、その内容に従って遺産が相続されます。しかし、遺言書が無効と判断されたり、法定相続分や遺留分を侵害する内容であれば、その部分は無効となり、法定相続に従って相続が行われる可能性があります。

今回のケースへの直接的な回答:遺言の内容と法定相続

父親が全財産を特定の団体に寄付する旨の遺言書を作成している場合、原則として、母親と子供たちは遺産を相続できません。しかし、これは遺言書の内容が完全に有効である場合に限ります。

関係する法律や制度:民法における遺留分

日本の民法では、相続人が最低限受け取れる割合として「遺留分」が定められています。配偶者や直系血族(子供など)は、相続財産の一定割合を遺留分として確保できます。

遺留分を侵害する遺言は、その部分が無効となります。例えば、父親が全財産を寄付する遺言で、母親や子供たちの遺留分を侵害している場合、母親や子供たちは遺留分を請求することができます。

具体的には、配偶者には相続財産の2分の1、子供には相続財産の3分の1が遺留分として認められています。ただし、相続人の数や相続財産の状況によって、遺留分の割合は変化します。

誤解されがちなポイント:遺言の絶対性と遺留分

遺言は絶対的なものではありません。遺言の内容が法令に反したり、公序良俗(社会秩序や善良な風俗)に反したりする場合は、無効とされます。また、前述の通り、遺留分を侵害する遺言も、その部分が無効となります。

そのため、「遺言書があるから相続できない」と簡単に結論づけることはできません。遺言書の内容と、遺留分との関係を慎重に検討する必要があります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介:弁護士への相談が重要

遺言の内容が具体的にどのようなものか、相続財産の規模はどの程度か、相続人は誰がいるかなど、詳細な情報がなければ、正確な判断はできません。

このケースでは、まず弁護士に相談することが重要です。弁護士は遺言書の内容を精査し、遺留分侵害の有無、遺言の有効性などを判断し、適切なアドバイスをしてくれます。

専門家に相談すべき場合とその理由:専門家の知見が必要なケース

遺言相続は複雑な法律問題です。特に、遺言書の内容が複雑であったり、相続人の間で争いが発生する可能性がある場合は、専門家の助けが必要になります。

弁護士や司法書士は、法律の専門家として、遺言書の解釈、遺留分の計算、相続手続き全般について適切なアドバイスとサポートを提供してくれます。

まとめ:遺言書の内容と遺留分をしっかり確認しよう

父親の遺言書によって、母親と子供たちが遺産を相続できない可能性はありますが、遺留分という制度が存在します。遺言書の内容が遺留分を侵害している場合は、その部分が無効となり、相続人が遺留分を請求できる可能性があります。

専門家である弁護士に相談し、遺言書の内容と法令を正しく理解することが、相続手続きを円滑に進める上で非常に重要です。 相続問題に直面した際は、一人で悩まず、専門家の力を借りることが大切です。

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