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遺言で財産の一部しか指定されていない場合の相続割合:残りの財産はどうなる?相続人4名での遺産分割協議の実際

【背景】
父が亡くなり、遺言書が残されていました。しかし、遺言書には全財産の相続割合が記載されておらず、一部の相続人への相続分しか書かれていませんでした。相続人は私を含め4人です。

【悩み】
遺言書に書かれていない残りの財産については、どのように相続人が決定すれば良いのか分かりません。また、相続割合はどのように決められるのでしょうか?具体的に、残りの財産は相続人4人で均等に分割されるのでしょうか?

遺言で指定された相続分を除き、残りの財産は法定相続分で分割。相続人4名なら、それぞれ1/4ずつが原則です。

1. 相続の基本知識:遺言と法定相続

相続とは、亡くなった人の財産(遺産)が、相続人(法律で相続権を持つ人)に引き継がれることです。相続には大きく分けて「遺言による相続」と「法定相続」があります。

遺言とは、自分が亡くなった後の財産の相続について、自分の意思で決めておく制度です(民法第966条)。遺言書を作成することで、法律で定められた相続割合とは異なる割合で財産を相続人に分配することができます。

一方、遺言がない場合、または遺言で全ての財産の相続割合が指定されていない場合は、「法定相続」となります。法定相続とは、法律で定められた相続割合で財産を相続人に分配する制度です。相続人の順位や人数、それぞれの相続人の法定相続分は、民法第900条以下に規定されています。

2. 今回のケースへの直接的な回答

質問のケースでは、遺言でA、B、Cの3名がそれぞれ1/3ずつ、合計1/2の相続分を指定されています。残りの1/2の財産については、遺言書に記載がないため、法定相続が適用されます。

相続人がA、B、C、Dの4名である場合、法定相続分は通常、4人で均等に分割され、それぞれ1/4ずつとなります。したがって、残りの1/2の財産は、A、B、C、Dの4名でそれぞれ1/8ずつ相続することになります。

3. 関係する法律:民法

このケースに関係する法律は、日本の民法です。特に、相続に関する規定(民法第880条~第1006条)が重要となります。具体的には、遺言の有効性、法定相続分、遺産分割協議などが規定されています。

4. 誤解されがちなポイント:遺言と法定相続の併用

遺言で一部の相続人の相続分しか指定されていない場合、残りの財産は法定相続で分割されるという点が、誤解されやすいポイントです。遺言は、法定相続を補完するものであり、完全に法定相続を覆すものではないことを理解する必要があります。

5. 実務的なアドバイス:遺産分割協議

残りの財産の相続割合を決定するには、相続人全員で「遺産分割協議」を行う必要があります。遺産分割協議とは、相続人同士で話し合い、遺産の分け方を決めることです。協議がまとまれば、遺産分割協議書を作成し、その内容に従って遺産を分割します。協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

6. 専門家に相談すべき場合

遺言の内容が複雑であったり、相続人同士で意見が対立する場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、遺産分割協議を円滑に進めるお手伝いをしてくれます。特に、高額な遺産や複雑な財産が含まれる場合は、専門家のサポートが不可欠です。

7. まとめ:法定相続と遺産分割協議の重要性

遺言で全ての財産の相続割合が指定されていない場合、残りの財産は法定相続に基づいて分割されます。相続人同士で円滑に遺産分割協議を進めることが重要であり、必要に応じて専門家の力を借りることも検討しましょう。今回のケースでは、残りの財産は相続人4名で均等に分割されるのが原則ですが、協議によって異なる割合で分割することも可能です。 法定相続分はあくまで基準であり、相続人同士の合意によって柔軟に対応できる点も理解しておきましょう。

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