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遺言書で不動産が特定できない!相続無効の主張と民法の根拠を徹底解説

【背景】
先日、親族の遺言執行者になりました。遺言書には不動産の相続について記載されているのですが、具体的な住所や地番などが曖昧で、不動産が特定できません。そのため、相続手続きを進めることが困難になっています。

【悩み】
この曖昧な遺言書を根拠に、相続無効を主張することはできるのでしょうか?もしできるなら、その根拠となる民法の条文はどこにあるのか知りたいです。また、①不動産が特定できないから登記できない、②「相続させる」遺言の要件を満たしていない、③その他、どの理由が最も適切なのかも判断できません。専門的な知識がなく、非常に困っています。

遺言の無効主張は民法966条に基づき可能です。不動産特定不能が理由となります。

遺言における不動産の特定と相続

遺言(遺言とは、人が自分の死後における財産の処分や相続人の指定などを定めておく書面のことです。)で不動産を相続させる場合、その不動産を明確に特定できることが非常に重要です。曖昧な記述では、相続手続きが滞ったり、相続人間で争いが生じたりする可能性があります。

今回のケースへの直接的な回答:民法966条と不動産の特定可能性

質問者様のケースでは、遺言書に記載された不動産が特定できないことが問題となっています。この場合、民法966条(民法966条は、遺言の内容が不明確で、その意思を明らかにすることができない場合、遺言は無効となることを定めています。)が適用される可能性があります。この条文は、遺言の内容が不明確で、遺言者の真意を明らかにできない場合、その遺言は無効と判断する根拠となります。不動産が特定できない遺言は、まさにこの条文に該当する可能性が高いです。

関係する法律と制度:民法と不動産登記法

今回のケースには、民法に加え、不動産登記法も関係してきます。不動産の所有権の移転には、不動産登記(不動産登記とは、不動産の所有者や権利関係を公的に記録する制度です。登記されていない所有権は、法律上保護されません。)が必要不可欠です。遺言書で相続された不動産であっても、それが特定できない限り、登記はできません。

誤解されがちなポイント:単なる記述の不備と無効

遺言書に多少の記述の不備があったとしても、必ずしも無効とは限りません。例えば、住所の一部が間違っていたり、地番が省略されていたりしても、他の情報から不動産を特定できる場合は、無効とは判断されない可能性があります。しかし、質問者様のケースのように、全く特定できない場合は、民法966条に基づき無効と判断される可能性が高いです。

実務的なアドバイスと具体例:専門家への相談が不可欠

不動産の特定が困難な遺言書の場合、まずは専門家である弁護士や司法書士に相談することが重要です。彼らは、遺言書の内容を精査し、無効主張の可能性やその手続きについて適切なアドバイスをしてくれます。また、必要に応じて、証人や関係者への聞き取り調査なども行うことで、不動産の特定を試みることも可能です。

例えば、遺言書に「私の所有する○○市にある家」としか記載されていない場合、○○市内に複数の不動産を所有していたとすれば、特定は困難です。しかし、遺言書に「○○市○○町△△にある、築〇〇年の木造一戸建て」と記載されていれば、調査によって特定できる可能性があります。

専門家に相談すべき場合とその理由:複雑な法的判断が必要なため

遺言に関する問題は、民法や不動産登記法など、複雑な法律知識を必要とします。専門家でない方が独力で判断しようとすると、誤った判断をしてしまい、かえって問題を複雑化させてしまう可能性があります。そのため、少しでも疑問点があれば、弁護士や司法書士などの専門家に相談することが最善策です。

まとめ:不動産の特定ができない遺言は無効となる可能性が高い

遺言書に記載された不動産が特定できない場合、民法966条に基づき、その遺言は無効と主張できる可能性が高いです。しかし、法律の解釈は複雑なため、専門家のアドバイスを受けることが非常に重要です。早急に弁護士や司法書士に相談し、適切な手続きを進めてください。 曖昧な遺言書は、相続トラブルの大きな原因となります。専門家の力を借り、円滑な相続手続きを進めましょう。

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